2017.09.21
夫婦のお財布は一緒or別々?新婚夫婦におすすめの「ハイブリッド管理」とは?
共働き夫婦は、結婚しても独身時代と同じように自由にお金を使いがち。
相手の支出や貯金の状況を把握できないまま、「お互い収入はあるのにお金が貯まらない」といった状態で年数を重ねてしまうケースも多いようです。
しかし、将来を考えるとそれでは困りますよね。
そこで、ファイナンシャルプランナーの安田まゆみさんに、新婚夫婦にこそ知ってほしい「財布の管理」について伺いました。
ストレスを感じる人も?お財布を一緒にするメリットとデメリット
共働き夫婦の財布を一緒にするか、別にするか。
多くの新婚夫婦が頭を悩ます問題ですが、結論からいうと「一長一短」です。
まずはそれぞれのメリットとデメリットを説明しましょう。
夫婦の財布を一緒にする
メリットは、二人が共通で家計を把握しやすいという点。家計を二人で作り上げていこう!と協力し合えるご夫婦にはいいと思います。
また、若いご夫婦ならお互い収入がまだあまり多くないと思いますので、何かと協力しやすいでしょう。
デメリットは、今まで自由に使えていたお金が人に干渉されるようになり、ストレスが溜まることです。
特に40代以降に結婚した夫婦なら、それぞれが長い間培ってきたライフスタイルを変えることは難しい場合があります。
なかなかお金が貯まらないかも? お財布を別々にするメリットとデメリット
夫婦の財布を別々にする
メリットは、お金の管理が独身時代とあまり変わらないのでストレスフリーな点。
担当制にして「食費は妻、家賃と光熱費は夫」などのルールさえ決めておけば、ある程度お金の自由がききます。
デメリットは、家計が不透明になってしまう危険性があることです。
「自分のお金のことはあまり相手に言いたくない」とお金の状況を相手に共有しないことで、きちんと貯金ができているか、借金はないかなど、お互いの状況を把握しにくくなります。
その結果、貯金も相手任せにすることで、なかなかお金が貯まらない夫婦も多いのです。
これからの新婚夫婦は「ハイブリッド型」管理がおすすめ!
同じ財布、別々の財布、それぞれにメリットとデメリットがあることがわかりましたね。
新婚夫婦におすすめしたい「ハイブリッド型」
そこで、新婚夫婦におすすめしたいのは「ハイブリッド型」です。
これは共働き夫婦ならではの方法。
まず、毎月必ず出ていくお金を「家賃は夫」「光熱費は妻」というように担当を決めます。
次に「食費」や「お酒代」など「現金で使う日常のお金」を、夫婦が出し合うスタイルです。
空き缶など「日常のお金入れ」を用意し、そこに毎月一定の金額を夫婦それぞれ入れておきます。金額の割合は収入などを踏まえて決めましょう。
必要な時にはそこからお金を使い、毎月一定額を超えないように夫婦でやりくりをするのです。
こうすることで自分のお金はある程度自由に使え、かつ「日常のお金」は二人でやりくりすることで無駄遣いすることがなくなります。
また、ハイブリッド型で大切なことは、お互いの「貯金」額をオープンにすること。それによって貯金する意識が生まれますし、お互いのお金のこともよくわかります。
完全お小遣い制よりもストレスフリーですが、夫婦で家計をやりくりし、お互い貯金への意識も生まれる。いいとこ取りの方法といえます。
ちなみに、クレジットカードはこっそり使えて相手が把握しにくく、お金を使い過ぎてしまう可能性が高いので要注意。
夫婦でのお金の管理方法がしっかり身に付くまでは、現金主義をおすすめします。
最後に、どんな形であろうと忘れてならないのが、新婚のうちに二人の生活のビジョンをしっかり話し合うということ。
「もともと価値観の違う者同士、合わなくて当たり前」という広い心を持って話し合いながら貯金の目標を立て、ライフスタイルを決めていきます。
これさえできれば、いずれの方法でも家計はうまく回っていくでしょう。
せっかく夫婦としてスタートできたのですから、家計も助け合っていけるように、何でも話し合える関係を築いてくださいね。
監修者プロフィール:安田まゆみ
マネーセラピスト。有限会社マイプランニングオフィス代表。1996年にファイナンシャルプランナーの資格を取得。その後21年間、家計相談を中心に、離婚後のお金相談など、人生とお金にまつわる相談を受けている。テレビ出演多数。雑誌やWebでの掲載も多数。