2017.07.13
老後資金のために「個人年金保険」って入った方がいいの?
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今年で35歳を迎えるわたし。先日、保険の営業マンに個人年金保険をすすめられました。節税ができておトクとのこと。老後の準備は全くしていないし、この機会に個人年金保険に入ったほうがいいんでしょうか?
Q1 ファイナンシャルプランナーからみて、個人年金保険っていいの?
A1 私は、老後資金を準備する方法として「あり」だと思います。ただ、個人年金保険が最良というわけではありません。すべての面で優れている金融商品は基本的にはなく、それぞれにメリットもあればデメリット(留意すべき点)もあるのです。それを踏まえた上で、いいものかどうか、つまり、その人に合っているかどうか判断することになります。
Q2 では、個人年金保険のメリットってなに?
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A2 まず個人年金保険とは、老後資金を準備するためのもので、コツコツ積み立てて(一時払いもあります)、将来、年金形式で受け取っていくものです。銀行などで積立の定期預金をするのと同じ感覚で始められますが、定期預金と大きく違うのは、以下のような要件を満たせば「個人年金保険料控除」という節税メリットが得られることです。
<節税メリットを受けるための一定の要件(個人年金保険料控除の税制適格要件)>
・年金の受取人は、契約者または配偶者であること
・年金受取人が、被保険者と同じであること
・保険料の払込期間が10年以上であること
・5年とか10年といった一定期間だけ年金を受け取れる確定年金の場合、60歳以降に受取を開始し受取期間が10年以上であること
サラリーマンなら年末調整で所得税が還付され、翌年の住民税も軽減されます。たとえば、小学生の子どもが2人いる4人家族の夫(年収400万円)が、毎月1万円(年間12万円)積み立てたなら、合計4,800円の節税効果が得られます(下図を参照)。節税分は積立金の4%相当にあたり、これも賢い資産運用術のひとつといえるでしょう。
Q3 定期預金よりかなりお得ですね。加入しなきゃ損ですよね?
A3 ただ、留意点もあります。老後のための積立なので、引き出さないのが前提です。途中で解約すると元本割れするので、教育費や車の購入費用などで資金不足にならぬよう無理のない金額で契約しましょう。
ほかには、将来の金利上昇の可能性も考えておきたいところです。現役世代では一般に20年、30年など長期で契約しますが、先々金利が上がっても、最初に契約した低い金利(予定利率)のままずっと固定されます。また、一般に金利が上がるときは物価も上がるため、そうなるとお金の価値が目減りすることにも繋がります(インフレーションといいます)。
Q4 あら大変! では、やめた方がいいのかな? 分からなくなってきた・・・
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A4 迷わせてしまってますが、個人年金保険は、半強制的に預金以外のポケットにお金を分けて積み立てるので、貯金が苦手な人でも貯まりやすいという特性もあります。将来の金利上昇やインフレが心配なら、定期的に金利が見直される「積立利率変動タイプ」や、日本より高い金利を求めて「外貨建てタイプ」の個人年金に加入するもの選択肢です。また、ほかに投資信託などで資産運用を始めるなど個人年金保険以外で対策をするのも一案です。
注意点としては、昨年の日銀によるマイナス金利の影響で、個人年金保険を取り扱っている保険会社は減少傾向だということ。今後どうなるか分かりませんが、加入するなら早めに検討した方がいいかもしれません。気になる人は、銀行や保険ショップなどに問い合わせてみましょう。
個人年金保険の一番の魅力は、節税メリットなんですね。私の場合、貯金をつい当てにしてしまうから、老後のお金を別ポケットにするのは良い考えだわ。「外貨建てタイプ」も興味があります!
ファイナンシャルプランナー 白浜 仁子
FPオフィス フェアリンク。生活に関わるマネーの専門家。銀行を退職後、育児をしながらFP資格を取得。女性ならではの視点でコンサルティングを行う。その他、セミナー・講演、執筆活動など多数。
※この記事は、ふくおかフィナンシャルグループのiBankマーケティング㈱が運営するWEBメディア mymo(マイモ)から提供されたものです。
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