2025.02.24

国がすすめる健康づくり対策とは?~健康日本21(第三次)を優しく解説 第12回 COPDの発症予防


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第9回から、代表的な生活習慣病について、その予防に向けた具体的な対策について説明しています。がん、循環器病、糖尿病に続いて、今回はCOPDについてです。

この連載について――――――――――――
2024年から始まっている「健康日本21(第三次)」について、身体活動ガイドラインの策定にも関わられていらっしゃる筑波大学体育系 教授の中田由夫先生に解説していただきます。
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COPDの原因

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COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、肺の炎症性疾患で、咳・痰・息切れを主な症状として、緩やかに呼吸障害が進行する疾患です。

COPDは世界では第3位の死因ですが、日本では男性において第9位の死因となっています。死亡率は近年頭打ちの状態ですが、COPDによる死亡者の9割以上を70歳以上の高齢者が占めているという特徴があります。

COPDの原因としては、50~80%がたばこ煙に関与し、喫煙者の20~50%がCOPDを発症すると言われています。そのため、喫煙対策による発症予防と、早期発見、早期治療によって、増悪や重症化を防ぐことが重要です。

認知度向上と死亡率減少が目標

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健康日本21(第二次)では、「COPDの認知度の向上」を目標として、情報発信などの様々な取り組みをおこなってきました。健康日本21(第三次)では、引き続き認知度の向上を図りつつ、「COPDの死亡率の減少」を目標として掲げています。

具体的には、COPDによる死亡者数は10万人当たり現状13.3人となっており、この数値を10.0人とすることが目標として設定されています。

社会環境の質の向上も

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具体的な対策としては、個人に対する喫煙対策はもちろんのこと、「望まない受動喫煙のない社会の実現」という社会環境の質の向上も重要です。また、COPDの発症には、出生前後・小児期の栄養障害やたばこ煙への曝露、喘息などによる肺の成長障害も関わることから、妊娠中の喫煙等、ライフコースアプローチを踏まえた対策も重要です。

社会環境の質の向上、ライフコースアプローチを踏まえた対策については、また別の回に、詳しく説明していきます。

記事提供:株式会社Wellmira

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『世界中の誰もが、自然に健康になれる社会を創る』をミッションとし、「テクノロジー・エビデンス・専門家ネットワークを活用し毎日の健康を自然にサポートできる社会システムの構築」を目指しています。

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