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2017.05.06

睡魔を撃退!|眠気覚ましに効果的な7つの方法


仕事や運転中など集中力が必要なシーンで、突然強烈な睡魔におそわれて困ったことはありませんか? 睡魔は、もともと備わっている「体内時計のリズム」による正常な睡魔と、不規則な生活習慣などで「体内時計のリズムが乱れた」ことによって起こる睡魔があります。今回は睡魔が起こるメカニズムや解消法、予防法をご紹介します。

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目次

- 睡魔が起こるメカニズム
- 睡魔の解消法
-睡魔の予防法
-病気の可能性がある睡魔

睡魔が起こるメカニズム

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日中、突然睡魔におそわれ、「仕事がはかどらない…」と悩んだことはありませんか?日中の決まった時間におとずれる睡魔は、もともと人間に備わっている「体内時計のリズム」によるものです。しかし、「体内時計のリズム」の乱れや、眠気をコントロールする脳内物質「睡眠物質」の増加、血液中の栄養状態の変化などがあると、決まった時間以外にも予期せぬ睡魔におそわれます。

体内時計のリズムによる睡魔

「概日(がいじつ)リズム」による睡魔

睡魔はもともと人間に備わっている「体内時計のリズム」によって引き起こされます。体内時計のリズムには、24〜25時間の周期で、「夜になると眠くなり、朝になると目が覚める」という一定のリズムを持つ「概日リズム(サーカディアンリズム)」と、午前2〜4時と14〜16時に眠くなる「半概日性(はんがいじつせい)リズム」の2種類があります。これらによって、決まった時間に睡魔が訪れる仕組みになっていますが、このリズムが崩れてしまうと、決まった時間以外にも睡魔におそわれやすくなります。

体内時計のリズムの乱れによる睡魔

「メラトニン」リズムの乱れ

体内時計を調整するために必要な、「睡眠ホルモン」と呼ばれている「メラトニン」の分泌が正常に行われないと、体内時計のリズムが崩れ、「睡眠-覚醒」のスイッチが切り替わらず睡魔におそわれることがあります。

「メラトニン」は、朝に太陽の光を浴びることで生成された「セロトニン」が変化してできます。体内時計は、「セロトニン」が分泌された14~16時間後に「メラトニン」が生成され、眠気を感じる、というリズムで成り立っています。しかし、朝に太陽の光をしっかり浴びないと、夜に生成された「メラトニン」の分泌が止まらず、眠気が残ってしまいます。このため、日中も睡魔におそわれてしまうのです。

「深部体温リズム」の乱れ

「深部体温リズム」も体内時計のリズムのひとつです。体温には、皮膚の表面の体温「表面体温」と、内臓や脳など身体の深部の体温「深部体温」の2種類があります。「深部体温」が高くなると目が覚め、低くなると眠くなる、というのが「深部体温リズム」です。

「深部体温リズム」はずれにくく、通常は起きてから11時間後に最も高く、22時間後に最も低くなるというリズムを刻んでいます。しかし、慢性的な夜ふかしなどで不規則な生活が続いていると、深部体温が上がるリズムが少しずつ遅い時間にずれていき、本来目が覚めているはずの日中に睡魔がおとずれるようになります。

睡眠物質の蓄積

睡眠物質は、起きている時間と脳の活動量に比例して増え、眠気が強くなります。この物質は眠ると分解され、減る仕組みになっています。そのため、睡眠時間が減ると分解する時間が不足するため、脳に睡眠物質がたまり、眠気が引き起こされやすくなります。

一般的に、人間の脳は起きてから4時間後が最も活動的で、1日の中で一番頭が働く時間帯とされています。つまり、起きてから4時間たっても眠気を感じる場合は、睡眠不足の可能性が高いです。

血糖値の乱れ

血糖値が下がると、脳にブドウ糖が送られなくなり、脳の活動が低下するため、睡魔がおとずれます。特に食事をすることで急激に血糖値が上がった場合、それと同じ速度で血糖値は下がるので、血液中のブドウ糖が少なくなる「低血糖」になりやすく、睡魔におそわれる可能性が高くなります。

睡魔の解消法

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睡魔は突然、やってきてほしくないタイミングでおとずれるもの。ここでは、何とかして今すぐ解消したい、という時に使える方法を紹介します。

耳を引っ張る

耳には100以上のツボがあるといわれており、特に耳たぶのツボは軽くもむと身体があたたまり、活動モードに切り替わるツボです。

両手で左右の耳たぶを持ち、下にゆっくり3秒引っ張ったらポンと放す動作を、4〜5回繰り返しましょう。仕上げに耳全体をもんだり、上下・左右・斜め方向に引っぱったりすることで、耳全体のツボが刺激され、より効果的です。

日光やブルーライトを浴びる

日中に直射日光を浴びたり、窓際から外を眺めたりするだけで、睡魔を撃退できます。天気が悪い日や、オフィスで日光を浴びる機会に恵まれない日は、パソコンやスマートフォンのブルーライトでも、眠気を解消できます。

人と話す

人と会話をすると脳が働き、眠気が解消されます。仕事中に眠気を感じたら、コーヒーブレイクをとったり、同僚とコミュニケーションをとったりするなどの時間をもうけてみましょう。

カフェインをとる

コーヒーや緑茶などに含まれるカフェインは、脳にたまった睡眠物質の働きをブロックして、眠気を払う作用があります。ただし、カフェインをとった直後には目が覚める効果が出ないので、注意が必要です。カフェインをとるタイミングは、効果を発揮したいときから20〜30分前です。また、カフェインの効果の持続時間は3時間程度なので、この間に集中して作業をしましょう。

アイソメトリックス(等尺性運動)

アイソメトリックスとは、関節を動かさずに筋肉を収縮させる運動のこと。身体をゆっくりほぐして交感神経を活発にすることで、血圧や体温を上昇させ目覚めをうながすことができます。ここでは、オフィスで簡単にできる方法をご紹介します。

<身体が一気に目覚めるアイソメトリックス>

【1】 親指以外の4本の指を胸の前で引っ掛けるように組む
【2】 両手を外側に向かって、思いきり引っぱり合う
【3】背中の肩甲骨をよせるイメージで、10秒ほど続ける
【4】胸の前で両手を合わせる(両指を組んでもOK)
【5】腕が水平になるようにひじを上げ、両手を内側に思いきり押し合う。これを10秒ほど続ける

ガムをかむ

かむという動作は、脳の神経伝達物質「セロトニン」の分泌を促進する働きがあります。セロトニンの量が増えると神経細胞が活発になり、脳や身体を目覚めさせてくれます。

冷水での洗顔

「冷たい」という刺激は、活動をつかさどる神経「交感神経」を活発にするため、目覚め度がアップします。ただし、即効性はありますが、効果が継続する時間が短いので、他の方法と合わせて活用しましょう。

日中の睡魔を予防する方法

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耐えがたい睡魔と戦わず、すっきりとした気分で日中を過ごすにはどうしたらよいのでしょうか。ここでは睡魔の予防法を紹介します。

1分間仮眠法

仮眠は眠気を感じる前にとることが重要です。眠くなってから仮眠をとってしまうと、眠りすぎてしまい、仮眠後も眠気がなかなかとれないなどのデメリットがあります。ここでは忙しいときでも実践できる、「1分間仮眠法」を紹介します。

椅子に腰かけて1分間目を閉じる

椅子に深く腰かけ、全身の力を抜いてリラックスします。軽く目を閉じて、目から入る情報をシャットアウトしましょう。「いまから疲れを取るんだ」と、休むことに集中することが大切です。

何度も繰り返す

「仕事の効率が下がってきたな」「ちょっと疲れたな」と感じたタイミングで、目を閉じて1分間仮眠をとりましょう。意識的に何度も繰り返すことで、脳の疲労がとれます。

夜の睡眠の質を高める

日中の睡魔を少なくするためには、夜の睡眠の質を高めて睡眠物質を減らすことが大切です。ここでは、眠る前に実践してほしい、睡眠の質を高める方法を紹介します。

就寝時刻の1時間前に湯船につかって入浴する

質のよい眠りを得るためには、スムーズに眠ることが大切です。スムーズに眠るためには、眠る1時間前までに湯船につかり、入浴をすませましょう。38〜40度のぬるま湯に設定し、20分程度湯船につかると、休息をつかさどる「副交感神経」が優位になり、リラックスします。また、深部体温が入浴によって上がり、汗がひいて深部体温が下がったタイミングで眠気がおとずれるため、スムーズに眠ることができます。

髪をドライヤーで乾かしてから眠る

髪がぬれた状態のままだと首もとが冷え、交感神経が刺激されて、安眠のさまたげになってしまいます。入浴後はしっかりとドライヤーで髪を乾かしましょう。

コップ1杯の水を飲んでから眠る

睡眠中に汗をかくことで、体温が下がり、眠りが深くなります。しっかりと汗をかくためにも就寝前の水分補給は不可欠です。冷えた水だと身体が緊張し、眠りが浅くなってしまうので、常温の水を飲みましょう。

寝室ではテレビを観ず、一度読んだ本に目を通す

眠る前にテレビやスマートフォンを見てしまうと、脳が興奮して寝付けなくなり、睡眠の質が下がります。一度読んだことのある本は脳に与える刺激が少ないので、スムーズに眠ることができます。

夜は「いい香り」をかぐ

嗅覚は脳と深く結びついているため、休息をつかさどる神経「副交感神経」の活動をうながし、睡眠の質が高まります。ラベンダーやローマンカモミールなどハーブ系のアロマオイルや、コーヒーの生豆が入った容器を枕もとに置くと、安静効果があります。

気になることをメモにアウトプット

なかなか寝付けない夜は、心の中の気になったことを書き出してみましょう。書く内容はできるだけシンプルにし、「会議」「〇〇さん」などの単語だけでもOKです。深く考えず、「ペンや鉛筆で悩みを身体の外に出す」というイメージで実践してみましょう。

病気の可能性がある睡魔

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「夜しっかり眠っているはずなのに、日中睡魔におそわれる」という場合は、病気の可能性があります。下記の症状に当てはまる場合は、早めに病院を受診しましょう。

過眠症(ナルコレプシー)

過眠症とは睡眠障害の一種で、仕事中や食事中など、眠ってはいけないときにも断続的に眠りたくなるような強い睡魔におそわれる病気です。この睡魔によって集中力や持久力が損なわれるため、仕事や学業に支障をきたすこともあります。

主な症状

●強い眠気

日中に耐えがたいほどの眠気におそわれ、会議中や食事中、会話中など眠ってはいけない場面でも眠ってしまいます。

●30分以内の断続的な日中の眠り

日中に眠っている時間は長くても約30分以内と短く、目が覚めた後は一時的にスッキリします。しかし、しばらく時間がたつと、再び強い睡魔におそわれます。

●情動脱力発作

「笑う」「怒る」など感情が急に変化したときに、手の力が一瞬抜けたり、あごの力が抜けてろれつが回らなくなったり、全身の力が抜けたりします。ただし、いずれの症状も、数秒ほどで自然に回復する場合がほとんどです。

●金縛り(睡眠麻痺)や入眠時幻覚

金縛りにあったり、現実と区別がつかないような夢(入眠時幻覚)を体験したりします。特に、眠ってすぐや目覚める直前などに多く見られます。

過眠症(ナルコレプシー)の原因

過眠症の原因は、「睡眠を作る仕組み」と「目覚めを作る仕組み」のバランスが崩れることで、脳の視床下部にある目覚めのコントロールセンターから命令が出なくなることが原因だといわれています。これによって、目が覚めている状態に切り替えができず、睡魔におそわれます。

睡眠時無呼吸症候群

「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」とは、睡眠中に呼吸が止まってしまう病気のこと。眠っているときに症状が出るため、本人は自覚をしづらく、気づかないうちに身体に負担がかかってしまいます。

主な症状

●日中の強い眠気

睡眠時無呼吸症候群になると、しっかり睡眠時間を確保していても夜間に何度も目が覚めてしまうため、睡眠の質が低下します。さらに、呼吸をしていない時間があるため、脳や身体が酸欠状態(低酸素状態)になり、全身に十分な酸素が行きわたらず、疲労物質が体内にたまり、日中に強い睡魔を引き起こしてしまいます。

●いびき

いびきは、睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状です。ただし、すべてのいびきが、睡眠時無呼吸症候群の症状というわけではありません。お酒を飲んだときなどに起こる一時的ないびきとは、区別しましょう。疑いがあるのは、次のようないびきです。

<睡眠時無呼吸症候群が疑われるいびき>

-仰向けに寝ると音が大きくなる
-音に強弱がある
-朝までずっと続く
-突然、息が詰まったように途切れる

睡眠時無呼吸症候群の原因

●肥満

肥満になると、のどの周辺に脂肪がついて気道が狭くなり、無呼吸や低呼吸を引き起こしやすくなります。肥満の人はそうでない人と比べ、睡眠時無呼吸症候群の発症リスクが3倍あります。

●顎が小さい、狭い

やせ型で骨格が細い人やあごが小さい人は、気道がふさがりやすいため、ちょっとした体重の増加でも睡眠時無呼吸症候群になるリスクは上がります。

●鼻がつまりやすい

花粉症やその他のアレルギーなどで鼻がつまっていると、自然と口で呼吸をするようになります。睡眠中に口で息をしていると、重力で舌が落ちて上気道が狭くなり、いびきや無呼吸の原因になります。

監修:坪田聡(雨晴クリニック副院長)

<参照>
『パワーナップ仮眠法』坪田聡(フォレスト出版)
『「いつも眠い~」がなくなる快眠の3法則』菅原洋平(メディアファクトリー)
『睡眠の病気』内山真(NHK出版)
『脳も体も冴えわたる1分仮眠法』坪田聡(すばる舎)
『一瞬で眠りにつく方法』坪田聡(宝島社)

photo:Getty Images

提供元:運転中に突如襲ってくるキケンな睡魔を即効で撃退する方法|Fuminners

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