2024.11.25

国がすすめる健康づくり対策とは?~健康日本21(第三次)を優しく解説 第9回


第9回 がんの発症予防に向けて

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前回まで、健康状態を改善するための個人の行動目標について説明してきました。今回からは代表的な生活習慣病について、その予防に向けた具体的な対策について説明します。今回はがんについてです。

この連載について――――――――――――
2024年から始まっている「健康日本21(第三次)」について、身体活動ガイドラインの策定にも関わられていらっしゃる筑波大学体育系 教授の中田由夫先生に解説していただきます。
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がん対策の目標

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がんは、1981年以降、日本人の死因の第1位です。総死亡の約3割はがんが死因であり、生涯のうちに2人に1人はがんに罹患すると推計されています。

こうした背景から、2006年に「がん対策基本法」が制定され、がん対策が推進されてきました。健康日本21(第三次)においては、「がんの年齢調整罹患率の減少」、「がんの年齢調整死亡率の減少」、「がん検診の受診率の向上」が目標として設定されています。

がんの年齢調整罹患率と年齢調整死亡率の減少

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年齢調整死亡率には、健康づくりのための効果だけではなく、医療提供体制の整備や医療技術の進歩等、その他の要素も影響します。そのため、健康づくりの取組によるがんの発症予防の効果を評価するためには、年齢調整罹患率が重視されます。

もちろん、生活習慣の改善等によるがんの予防や早期発見の取組により、最終的にはがんによる死亡者数の増加も抑制されることが期待されることから、年齢調整死亡率も目標として設定されています。罹患率も死亡率も、現状値より減少させることが目標です。

がん検診の受診率の向上

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また、がん検診の受診は、がんの早期発見・早期治療につながるため、がん死亡率を減少させるためには、がん検診の受診率向上が必要不可欠です。現在、40~50%程度の受診率を60%まで高めることが目標として設定されています。

がんのリスクとなる生活習慣

最後に、がんのリスクとなる生活習慣をまとめておきます。喫煙(受動喫煙を含む)、飲酒、低身体活動、肥満・やせ、野菜・果物不足、塩蔵食品をはじめとした塩分の多い食品の過剰摂取などです。これらの生活習慣の改善にしっかりと取り組み、がん検診を受診し、がんの発症予防に努めましょう!

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記事提供:株式会社Wellmira

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『世界中の誰もが、自然に健康になれる社会を創る』をミッションとし、「テクノロジー・エビデンス・専門家ネットワークを活用し毎日の健康を自然にサポートできる社会システムの構築」を目指しています。

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