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2024.08.23

金利上昇で考え直す「タンス預金」の運用バランス|自宅に置いておくお金はどの程度がいい?


(写真:Yotsuba/PIXTA)

(写真:Yotsuba/PIXTA)

大手銀行が、貯金金利(現在0.02%)を9月2日から半年前の100倍の水準となる0.1%へ引き上げることになりました。

ここであらためて考えてみたいのが、自宅でこつこつ貯めてこられた「へそくり」などのタンス預金の使い道についてです。

実際、これまで「預貯金ならリスクも低いし、金利が上がるなら、預け入れを考えたほうがいいでしょうか?」といったご相談を数多く受けてきました。今回はこうしたご質問にお答えしたいと思います。

実は、長期運用に向いている

一般的には、へそくりを含め、タンス預金は今すぐ必要になるお金ではないため、本来であれば、長期運用に向いていると言えます。そういった意味では、全額ではなくとも、一部を預貯金や投資へ回してみるのもお勧めです。

中には、欲しいものを買うために家族に内緒でこっそり貯めているという方や、万が一に備えて自宅に現金を置いておきたいという方もいるかもしれません。

そこで、①まず「自宅に残しておきたいお金」は分けて残し、②「いつか自分の好きなことに使うためのお金」は自分が管理できる預貯金へ、③それ以外は、積み立て投資を始めてみるのもいいかもしれません。

よく、“お金に色はない”と言われますが、それぞれ目的に応じて、別の方法で管理運用することで、お金に色をつけることはできます。

では、自宅に置いておくお金はどの程度あればいいのでしょうか。

現金が手元にあることで安心感を感じられるかもしれませんが、リスクもあります。

そもそも、多額の現金を自宅に置いておくと、盗難に遭った際や、火災や地震、洪水など自然災害が起きた際、なくなってしまう可能性があります。

もしもに備えて損害保険に加入していたとしても、盗難による現金の補償には上限があり、タンス預金は火災保険や地震保険の対象外ですので、自宅に残しておくお金は必要最低限にしたほうがよいでしょう。

たとえば、我が家では、冠婚葬祭費として新札10枚程度を常にストックしておき、緊急時のお金としてプラスαを現金で置いています。この程度で十分ではないでしょうか?

中には、相続対策として、本来であれば課税対象となるお金を隠すことで、相続税を減らそうと考えている方もいるかもしれません。しかし、正しく相続税の申告をしなかった場合、それは脱税行為であり、税務調査により追徴課税の対象となり、多額の税金が課せられる可能性があります。

預貯金として預け入れる際のポイントは?

今回、預金金利が上がったといっても、普通預金の金利はまだ0.1%。同じ預金でも、今すぐ使う予定のないお金であれば定期預金にしたり、ネット銀行を利用することで、より高い金利が得られます。

さらに、外貨預金という方法もあります。外貨預金は円預金より相対的に金利が高いうえ、預け入れた時より円安になれば為替差益が得られるというメリットがあります。同時に、その反対に為替差損が生じる場合もありますので、リスクも理解したうえで始めることが大切です。

実は、私自身、今年4月の引っ越しを機に自宅に保管していた現金をドル預金に預け入れました。その際、自宅に保管していた数年の間に円安が進み、日本円で持っていた現金の価値が大きく下がってしまったことを痛感。あらためてタンス預金のデメリットを突きつけられました。

また、自分でこつこつ貯めたお金であっても、200万円を超える現金を持ち込むとなると、銀行など金融機関には本人確認や取引目的などを確認する義務があり、いわゆるマネーロンダリング(資金洗浄)等、疑わしい取引とみなされる可能性があります。

そのうえ、もしそれが相続や贈与で受け取ったお金であった場合、申告をしていなかった現金となれば、年間110万円を超える贈与は贈与税の対象になります。

このような事態になる前に、やはりタンス預金の額は最低限に抑えておいたほうがよいでしょう。

ご参考までに500万円を銀行に10年預けた場合、利息がどの程度になるか、金利の違いごとに試算した表を下記に掲載しています。

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積み立て投資はどのように始めたらいい?

今年1月にスタートした新NISA(少額投資非課税制度)や、iDeCo(個人型確定拠出年金)などの税制優遇制度が気になっている方は、この機会に活用してみるのもいいと思います。

実際に主婦の方が、へそくりを元手にiDeCoで積み立て投資を始められるのをお手伝いしたことがあります。最初はへそくりの一部を掛け金として月5000円から始められて、今や積み立て投資が楽しくなり、掛け金を増額された方もいます。このように一度に全額ではなく、少しずつ運用に回していく形がお勧めです。

ただし、iDeCoの制度を使うためには費用がかかることや、原則として60歳になるまで資金を引き出すことができないなど気を付けるべき点もありますので、自分自身できちんと制度を理解したうえで始めるようにしてください。

せっかく貯めてきたタンス預金ですから、この機会に何のために貯めてきたのか、何に使いたいのか、しっかりと向き合い、緊急時のための現金は残し、いつか使うお金は預貯金へ、当面使わないお金は運用に回すなど有効な使い道を考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

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提供元:金利上昇で考え直す「タンス預金」の運用バランス|東洋経済オンライン

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