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2024.05.17

「歯周病を徹底排除」用意したい歯磨きグッズ7種|歯磨き粉より「天然塩」がおすすめのワケは?


歯周病にも虫歯にもならないための「歯磨き7大道具」をご紹介します(写真:mits/PIXTA)

歯周病にも虫歯にもならないための「歯磨き7大道具」をご紹介します(写真:mits/PIXTA)

口臭ケアだけでなく、重篤な病気のリスクを減らして健康な体を手に入れる。そのために必要な歯磨きについて新提案を行っている伊東材祐(さいゆう)さんは、「世の中の99%の人は歯磨きが間違っている」と話します。

目からウロコの新しい歯磨きの仕方を、同氏の著者『おとなの歯磨き』(フローラル出版)より一部抜粋、編集してお届けいたします。第2回は、こんなにもある「オーラルケアグッズ」の目的と使い方です。

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意外と多いオーラルケアグッズ

歯周病にも虫歯にもならない「おとなの歯磨き」をする際に準備してもらいたいものがあります。まずは、こちらをご覧ください。

(イラスト:©森マサコ『おとなの歯磨き』より)

(イラスト:©森マサコ『おとなの歯磨き』より)

歯ブラシが2本? 塩? スポンジブラシって何? と、さまざまな疑問が浮かぶと思いますが、「おとなの歯磨き」の7大道具であるそれぞれのグッズについて紹介していきます。

(1)歯ブラシ

「かため」と「やわらかめ」の2種類を用意してください。

「かため」の歯ブラシは毛先が短いもの。「やわらかめ」は毛先が長いものを選びましょう。かためは歯についたプラークを取りやすく、やわらかめは歯周ポケットへのアプローチが得意と、それぞれ長所が違います。

まずは、かためのハブラシで歯をツルツル、ぴかぴかに磨きましょう。小さい歯ブラシのほうが、歯を1本ずつきれいにすることができます。

次に毛先の長い歯ブラシで、歯周ポケットを磨いてください。一度に両方使うのが望ましいですが、朝は「毛先の短いかため」夜は「毛先の長いやわらかめ」のような使い方でも大丈夫です。

歯ブラシは、毛先が開いてきたら替えどきです。目安として月に1回、月初めに変えると交換忘れがなくなるのでおすすめです。

歯磨き粉の代わりに使う

(2)天然塩

歯磨きのお供といえば、歯磨き粉。皆さんもそれぞれ好みの歯磨き粉があると思いますが、私がおすすめする歯磨き粉は「塩」。それも、ミネラル成分のたっぷり入った「天然塩」です。

何がおすすめなのかというと、やはり「天然」ということです。

人間の体は、もともと自然の中にあるものを取り入れて生活しているので、やはり、自然のものがそのままの形で残っているほうが、体との相性はよいのは当たり前です。

市販の歯磨き粉には、汚れを落とすための界面活性剤「ラウリル硫酸ナトリウム」や、味付けとして用いられる「サッカリン」などが含まれていて、香料によって磨いた後にスッキリとした清涼感も味わえます。

この機会に完全なる天然物である塩を、歯磨き粉に使うことも検討してみてください。

さて、天然塩は歯磨き粉として使うメリットもたくさんあります。

まず、香料が入っていないこと。これは、歯磨き後の爽快感が失われるというデメリットにもなりますが、たとえば、食事前に歯を磨くときには、大きなメリットになります。

食事前に歯を磨く習慣は、ほとんどの人がないと思います。

しかし「おとなの歯磨き」を続けていると、口内の状況にだんだんと敏感になっていきます。そのため、食事前に少し口内が粘ついていると感じたり、唾液に少し変な味がついているなと感じたりしたときは、食事前でも歯を磨いてみてください。

市販の歯磨き粉では、その味が食事の邪魔になってしまいますが、塩ならそんなことはなく、軽く磨いたほうが食事もおいしくなります。

歯茎を引き締める効果

そして、天然塩は、歯磨き粉としての効能もしっかり持っています。塩は浸透圧効果が見込めるため、歯磨きに使うことで口の中にいる病原菌の水分を吸い出すことができ、大きな殺菌効果が見込めます。

さらに、浸透圧によって歯茎から余計な水分を取り除くことができるので、歯茎をしっかりと引き締めることができます。

歯周病の侵食度が高くなり、歯ぐきの色が濃い赤色をしている人は、この塩磨きの効果をその目で感じることができます。

人によって効果が出てくる月日は違いますが、続けていれば、歯茎はどんどんきれいなピンク色へと変わっていくので、この変化を楽しみながら続けていくのも塩磨きの効能ともいえるでしょう。

そもそも塩は、もともと歯磨き粉として使用されていた歴史もあり、「子どものころ、塩で歯を磨いた」という高齢者はたくさんいます。

塩を使うことで、塩分の摂りすぎが気になるかもしれませんが、そもそも一度の歯磨きで使う塩の量は、歯ブラシにチョンとつけるくらいですから、1グラムほどしかありません。さらに、歯磨き後はペッと吐き出してしまうので、ほとんど塩分は体内に入りません。

ちなみに、塩を摂りすぎることによる被害は、塩に含まれるナトリウムが、むくみ、高血圧、腎臓疾患、不整脈などを引き起こすからです。

しかし、天然塩なら普通の食塩よりもナトリウム含有量が少なく、その分、ミネラルが豊富に含まれています。ですので、選ぶときには、なるべくミネラル含有量の多いものを選びましょう。

これだけ多くのメリットがある天然塩なので、使わない手はありません。ただ、唯一ともいえるデメリットが、清涼感が感じられないこと。そのため、使い慣れていない間は、歯を磨いた気にすらなれないかもしれません。

こればかりは、慣れてもらうしかありませんが、面白いことに、いざ塩に慣れてしまうと、普通の歯磨き粉を使ったとき、歯磨き粉独特の甘ったるさを「変!」と感じたり、歯磨き粉の清涼感を「なんか、嘘臭い」と感じるなど、人工物に対して敏感な反応を示す人も多いのです。

このような変化もまた大きな楽しみになるので、天然塩での歯磨きに挑戦してみてください。

絶対使ってほしいフロス

(3)フロス

欧米にはこんな言葉があります。

「Floss or die」。直訳すると「フロスをしろ、さもなければ死ね」です。こんな恐ろしい言葉が用いられるほどに、欧米では浸透しているフロスですが、日本での使用率はイマイチ低めです。

しかし、歯磨きだけでは歯と歯の間のプラークを完全に落とし切ることはできません。毎日、しっかり歯磨きしているのに、虫歯になったという人もいるかもしれませんが、それは歯と歯の間にあるプラークが原因です。

そこで、歯磨き後にフロスで仕上げをしていただきたいのです。

フロスを歯と歯の間に入れ、歯の側面から歯周ポケットの中まで、フロスを上下と前後に動かして、プラークを除去する。歯磨きと同様に、フロスを入れる隙間の順番を決めて、取り漏れがないようにしてください。

フロスを使うと、出血したりプラークが糸に付いたりすることがありますが、その場合は水で洗ったり、糸の違う部位を使用するようにします。

また、フロスを使って血が出る場合もありますが、これは歯周病に感染している証拠です。その血は病原菌を含む悪い血なので、気にせず使用して血を出しましょう。

ただし、フロスを使い慣れていないと、歯周ポケットの最深部を超えてフロスを入れてしまう場合があるので、フロスも痛みを感じない程度に使ってください。

また、しっかり歯磨きしているのに、フロスを使うと食べかすが取れることがありますが、これこそ磨き残しの証拠です。今までの歯ブラシがどれだけ不十分だったのかを認識し、新たな歯磨き道へ邁進してください。

歯磨きによる磨き残しの多くは歯の隙間にあるので、毎日使うのが理想です。初めてフロスを使う人は、最初のうちはなかなか使いこなせないと思います。しかし、こればかりは慣れです。

最初は慎重に、鏡を見ながら、各歯の隙間にアプローチできるように時間をかける。そして、慣れてくればスッとフロスを隙間に入れるようになり、食べかすやプラークが取れることが楽しくなってきます。ですので、使いはじめはなおさら、毎日のフロスを忘れないようお願いします。

フロスがうまく使えないという人は、糸ようじタイプを使いましょう。とはいえ、紐タイプのほうが上下左右に自由に動かせ、除去効率はこちらのほうが高いので、時々は紐タイプにも挑戦してください。

(4)歯間ブラシ

フロスの使い方をお伝えしてきましたが、年齢を重ねると歯周病が進行して歯茎が下がっていきます。すると若いうちは空いていなかった歯の根本の隙間が大きく開いていきます。

フロスは隙間のあまりない細かいところで力を発揮しますが、この状態になってしまうと、フロスだけではどうしても歯の汚れを除去しきれませんし、歯磨き効率も下がってしまいます。

そんな歯の隙間が空いてきた方には、歯間ブラシの併用を進めています。

歯間ブラシなら、歯と歯の間の根元、ブリッジや部分入れ歯のバネがかかる歯も驚くほどきれいにできます。サイズは、4Sのように小さいものなら歯茎を傷つけません。

最初は鏡を見て、歯と歯間ブラシが直角に交わるように歯の隙間に差し込んで3往復ほど磨いてください。歯に沿わせ上下と前後に動かします。斜めにすると歯間ブラシが折れる危険があります。金属タイプは、しっかりと汚れを落とせますが、隙間が狭い場合にはゴムタイプのほうが痛くありません。

使ったことがない方も多いかもしれませんが、歯の根本に隙間を見つけたら積極的に使っていきましょう。

歯茎をきれいにするグッズ

(5)スポンジブラシ

これぞ今回1番お伝えしたかったグッズです。

ほとんどの人が見たことも使ったこともないと思いますが、プラークは歯や歯の隙間、歯周ポケットだけに潜んでいるわけではありません。実は歯茎にも数多くのプラークが付いています。これを除去するのがスポンジブラシです。

主に介護現場など、歯磨きが困難な人などに使われているスポンジブラシですが、これほど歯以外の場所を清掃するのに優れたアイテムはありません。スポンジブラシを水で湿らせて絞った後、歯茎をスッスッと磨いていくと、きれいにプラークを落としてくれます。

歯茎は、普段磨くことのない場所なので、最初のうちは違和感を覚えるかもしれません。しかし、たっぷりばい菌が付着している場所なので、しっかりときれいにしましょう。

また、スポンジブラシは歯茎だけでなく、口内全体を磨くのにも適しています。舌や頬の粘膜など、口内全体をスポンジブラシで磨くのも、菌を減らすための有用な手段です。

店頭ではあまり見かけませんが、ドラッグストアの介護用品売り場やネットストアなどで購入できます。

(6)歯垢染色剤 (カラーテスター)

液体タイプ、錠剤タイプなどのタイプがありますが、これを口内全体に馴染ませることで、プラークが残っている部分に色をつけます。

子どもの頃に歯医者で誰もが一度は使ったことがあるのではないでしょうか? 何回か使うことで、自分の磨き残しやすい部位を見つけることができます。月末に使って自分自身の磨き残しがどこにあるのかをチェックして、次の月に活かしていきましょう。

歯の形が悪い人にはコレ

(7)ワンタフトブラシ

歯の形は人によって違います。そのため、形がいびつな歯はどうしても磨き残しができやすかったり、磨き方のクセで磨き残しを出してしまったりと、しっかり磨いたつもりでも、虫歯や歯周病になることは十分にありえます。

そんな磨き残しをケアするのが、ワンタフトブラシです。すごく小さなハブラシで、親知らずや歯のカーブなど「ピンポイント」で病原細菌(汚れ)を除去できます。

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『おとなの歯磨き』(フローラル出版) クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

極小のヘッドを見てもわかる通り、この小ささなら、磨き残しの多い奥歯にもしっかりアプローチすることができるため、どうしても磨き残してしまう歯があるなら、これを使って完璧に仕上げていきましょう。

とはいえ、そもそも磨き残しがなければ、このブラシを使う必要ありません。

では、どうすれば磨き残しをなくせるのかというと、やはり鏡を見ながら歯磨きをすること。これだけで、ほぼ磨き残しをなくせるので、鏡で確認しながら歯を磨くことをおすすめします。

以上が歯周病にも虫歯にもならないための「歯磨き7大道具」です。

すべてをすぐに用意しろとはいいません。しかし「かためとやわらかめの歯ブラシ2種類」と「フロス(歯間ブラシ)」「スポンジブラシ」の4つは、歯磨きの本質であるプラークの除去の必須アイテムなので、ぜひ購入を検討してください。

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提供元:「歯周病を徹底排除」用意したい歯磨きグッズ7種|東洋経済オンライン

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