2024.01.13
しみこむスープ"簡単・おいしい"秘訣は食材選び|自分のまわりで手に入る野菜を無理なく選んで
素材の旨みを活かした“おいしい”スープを作ってみませんか(出所:『しみこむスープ』)
料理研究家・角田真秀さんは著書『しみこむスープ』で、インスタントのもとを使わず、だしを取る手間もかけずに作れる、おいしいスープのレシピを紹介しています。
手軽に作れるレシピばかりですが、味の決め手となるのは食材がもつ、あるいは調理の過程で生まれる「旨み」です。
「食材がもつ、あるいは調理の過程で生まれる"旨み"を生かしてつくるスープだからこそ、大切にしたいのは食材選びです。自分にとっての"おいしい"を、ぜひ探してみてください」という角田さん。
同書から一部を抜粋、編集し、「おいしいスープをつくる食材」について角田さん流の選び方やポイントをご紹介します。
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野菜をきちんと選べばさらにおいしく
料理をするうちに「野菜をもっと身近に感じられる暮らしがしたい」と思うようになり、数年前、畑が多い土地に引っ越してきました。
それまでは一年じゅうあたりまえのように買っていた大根やにんじんが、本来は季節によっては手に入りにくいものだということを知り、はじめは驚いたものです。
同じレシピでも、野菜をきちんと選べばさらにおいしく仕上がり、料理の腕が上がったように感じられます。「選ぶ」といっても、特別なものを選ぶということではありません。
まずは、旬の野菜。出盛りの野菜は味が濃くて香りもよく、そのまま食べても充分おいしい。にんじんなども生でも驚くほどみずみずしいのです。
新しい品種の野菜も、見かけたら積極的に使います。たとえば、香りのいいにんじんや甘みが強いトマトなど、それを使うだけでいつもの料理に変化が出て楽しくなります。
季節はずれのものや、遠くの産地のものを無理に手に入れようとはしません。目の前にある身近なものが自分を満たしてくれることを、私は野菜から教わった気がしています。
自分のまわりで手に入る野菜を無理なく選んでスープをつくり、おいしく食べて、楽しんでいただけたらうれしいです。
料理の要は調味料の使い方
料理の要となるのは、調味料の使い方です。
料理を始めた頃は、高くても質のよいものを選ぶことが多かったのですが、年を重ねて料理の経験値が上がるにつれ、調味料も鮮度が大切で、使いきれる量をこまめに買うことが大事だと感じるようになりました。
なるべく同じものを使い続けることで調味料の特性をつかんで、自分にちょうどいい塩梅を見極めていただけたらと思います。
(出所:『しみこむスープ』)
塩
なめてみて、からだになじむと感じたものを使っています。
長崎県の平戸でつくられた「海の子」(塩炊き屋)や、鹿児島県の「坊津の華」(坊津の華)のほか、量を多く使うときは入手しやすい「赤穂の天塩」(天塩)をよく使っています。
しょうゆ
調味料のなかでも特に鮮度が大事だと思うので、どこでも手に入れやすいものを選んで、早めに使いきるように心がけています。
味のベースとしては、島根県の「井上古式じょうゆ」(井上醬油店)をメインに使うことが多いです。
みそ
調味料のなかでも、味にいちばん開きがあるように感じているので、大豆を米麴で発酵させたものをメインに使っています。新潟県でつくられている「無添加 丸しぼり(赤みそ)」(越後一)というみそを愛用しています。
味わいをプラスするもの
両親が和食の居酒屋を営んでいて「だし」が身近にありすぎたからか、家庭では、だしを使わない料理を好んで食べています。
はじめは、ただだしを使わずに料理をしていたのですが、あとほんの少しだけ味に奥行きがあるといいなと思って、乾物をもどしたあとの汁や、缶詰の汁、ふだん飲んでいるハーブティーなどを料理に活用するようになりました。
(出所:『しみこむスープ』)
乾物のもどし汁
切り干し大根や干ししいたけなどはそれ自体もおいしいですが、もどし汁にも旨みが多く含まれ、スープに使うと味を底上げしてくれます。手に入れやすいスーパーのプライベートブランドを使うことが多いです。
缶詰の汁
中身だけでなく、あさりなどは汁を使うこともある缶詰。調味料と同様に、味の特性をつかんだうえで使いたいので、同じメーカーのものを使い続けることが多いです。新しい商品も魅力的ですが、よく手にとるのは、やはり昔ながらのメーカーのもの。
ハーブティー
ハーブティー
秋冬はジンジャーがベースのもの、夏はレモングラスやミントなどを選ぶことが多いです。スープに使うときは、全体の半量ぐらいにとどめることで味のバランスがとれます。酸味や甘みがなく、香りに奥行きがあるものがおすすめ。
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提供元:しみこむスープ"簡単・おいしい"秘訣は食材選び|東洋経済オンライン