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2023.12.28

「食べ過ぎ」年末年始に見直したい"食べること"|「命をいただく」から決して粗末に扱わない


年末年始はつい食べすぎてしまいがち。だからこそ、改めて「食べること」について見直してみませんか(写真:masa/PIXTA)

年末年始はつい食べすぎてしまいがち。だからこそ、改めて「食べること」について見直してみませんか(写真:masa/PIXTA)

ごちそうを食べる機会も多い年末年始は、ついつい食べすぎてしまったり、普段とは違う食生活をしてしまったり。

そういう時期だからこそ、改めて「食べるとは何か」を見直してみませんか。

飽食の時代、どのような心持ちで日々の食事に向き合っていけばいいのかについて、僧侶である枡野俊明氏の著書『悩みを手放す21の方法』から一部を抜粋、編集してお届けします。

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修行僧の食事には精進料理の真髄がある

ご存じのように、禅における食事を精進料理といいます。「精進」とは、仏道の修行に励むこと。行住坐臥(ぎょうじゅうざが)といわれるように、歩くことも、立ち止まることも、坐ることも、寝ることも、禅ではすべて修行です。

もちろん食事を作ることも、料理を食べることも修行。そのため、禅で供される食事は「精進料理」と呼ばれるのです。

【キーワード】

典座教訓(てんぞきょうくん)

赴粥飯法(ふしゅくはんぽう)

日本で曹洞宗を開いた道元(どうげん)禅師(ぜんじ)が、食に関する考えや食事(じきじ)作法を説いたのが『典座教訓』と『赴粥飯法』。禅における食の書はこの2つのみ。現在も禅僧たちによって実践されている。

精進料理で使われる食材は米、野菜、豆類が中心で、肉や魚は一切使われません。目鼻があるものは、食べてしまうと二度とよみがえらないからです。

野菜などの植物にも命はありますが、根や種子を残すことで再生させることができるので食べることが許されるのです。

料亭などで供される精進料理は、多種類の野菜料理や豆料理が並ぶ豪華なものが多いと思います。しかしそれは本来の精進料理ではありません。精進料理の真髄は、修行中の禅僧たちの食事にあるのです。

修行中の朝食は、おかゆ一杯だけです。おかずはなく、ごまと塩を1対1にして軽くすり鉢ですったものと、香菜(漬物)少々。昼は麦ごはんにみそ汁、香菜のみ。

夕食になるとこれに別菜(おかず)がつくのですが、がんもどきの煮物が半切れとか、大根と人参の煮物が2切れとか、その程度です。おかわりできるのはごはん(おかゆ)のみ、しかも1回だけです。

修行を始めて最初の3カ月くらいは、空腹で気が狂いそうになります。体重は修行中に10キロ以上減るのが普通で、栄養失調やかっけになる人もいます。

しかし人間とは不思議なもので、3カ月を過ぎる頃から体がその食事に慣れてくるのです。体重も少し戻ってきます。そして「食べる」ということのありがたさを、頭ではなく体で理解していくのです。

禅の修行とは、つまるところ「当たり前」と思っていたことを一度すべて手放すことといえるでしょう。何日も坐禅を組み続けることで、足を伸ばすありがたさを知ります。

ものすごく限られた睡眠時間で、眠りたいときに眠る喜びを知ります。そして質素を極めた食事を繰り返すことで、食べ物への心からの感謝が芽生えるのです。

食べ物はすべて命

「飽食の時代」と呼ばれて久しい現代社会の中で、フードロス問題は深刻です。

コンビニやスーパーにはすぐ食べられる食品がずらりと並び、消費期限が切れたものはすぐさま廃棄されます。まだ食べられるであろうものが、日々大量に捨てられているのです。

「いいえ、私は市販のお惣菜を利用しません。全部手作りです」とおっしゃる方でも、野菜の皮や葉を捨ててしまったり、食べきれずに残ってしまったものを廃棄したりすることは珍しくないでしょう。おいしい部分だけを食べることに、疑問を持たなくなった時代なのです。

曹洞宗を開いた道元禅師は、食に関する著書『典座教訓』の中で、「素材は余すことなく使わなくてはいけない」と書いています。私たちが食べるものはすべてが命だから、けっして粗末に扱ってはいけないということです。

たとえば大根なら、むいた皮はきんぴらにし、葉は漬物やみそ汁にして食べます。しっぽや首のかたい部分も一度干せばよいだしが出ます。生き物の命をいただくわけですから、どんな切れ端でもムダにはせず調理することが精進料理の考え方の基本なのです。

「いただきます」と感謝

もちろん大量に作って余らせることもありません。自分が食べられる量と向き合って、食べきれるぶんだけを料理するのです。

「食材も料理もお金を払って買ったもの。残そうが捨てようが、文句を言われる筋合いはない」と考える人もいるかもしれませんね。

けれどそれは、スーパーやレストランに支払った代金の話にすぎません。命に対する責任は果たしていないのです。

私たちが命をつなぐために食べている食材は、すべて命あるものたちです。その命については、私たちは何の対価も支払ってはいません。

何ができるのかといえば、せめて両手を合わせて「いただきます」と感謝し、ひと口ひと口を味わい、残さず食べきる。それだけなのではないでしょうか。

一禅チャレンジ「食べられる量を知る」

ひと粒のお米も、私たちの食卓に運ばれてくるまでに100人の手がかかっているといわれます。丹精こめて育てた人、刈り取った人、脱穀や精米をした人、袋に詰めて運んだ人、問屋さんや小売店の人、もちろん家で調理してくれた人もいます。
その人たちの姿は見えませんが、そのすべてに感謝する気持ちを「おかげさま」というのです。そう考えると、ひと粒の米であっても食べ残すことはあり得ませんよね。
日々の食材をしっかり食べきるためには、自分が食べられる量と向き合うことが大切です。買い物のとき、調理のときに「この程度なら食べられそう」と思える量を意識したいものです。

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提供元:「食べ過ぎ」年末年始に見直したい"食べること"|東洋経済オンライン

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