2023.09.08
眺めるだけ「目がよくなるまちがいさがし」の効用|「手元=近く」ばかりを見ずに「遠くを見る」意味
まちがいさがしを楽しみながら、疲れた目をリセットしましょう(画像:『目がよくなるまちがいさがし』より)
ダラダラ怠けてばかりで身体を動かさずにいると肥満体型になってしまうように、「目(眼球)」も日常的に動かしておかないと、視力が弱まってしまいます。しかし、1日の中で多くの時間をデスクワークやスマホの使用に費やす現代人。そんな我々の眼球は動くどころか、狭い範囲をずーっと直視し続け、いわゆる怠けた状態になっていると『目がよくなるまちがいさがし』を上梓した眼科専門医・林田康隆氏は言います。そんな事態を脱するべく、効率よく、そして質のいい「目の動かし方」について解説していきます。
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現代人に最も足りてない「目の動き」とは?
本来、狩猟をして生活していた人間の目は、獲物を探す=遠くを見るための機能に長けていました。しかし、現代の生活はスマホの酷使に加え、過度なパソコン作業など、手元=近くを見ることばかりに「目」を使っています。
こうして無理やり“本来とは真逆の使い方”を繰り返すことで、日本のみならず世界的に、ますます近視は増え、ますます老眼が早まり、60年しかないと言われる目の寿命もますます短くなっています。
オーストラリアの視覚研究所は、2010年には約20億人だった近視人口が、なんと2050年には50億人になると予測しているほど。これはすなわち、世界人口の半分が「近視になる」ということを意味しています。
しかしそうは言っても、これ以上視力を落とさないように、デスクワークを控えたり、スマホを見ないようにしたりすることは近代社会を生きる我々にとって不可能だと言えます。
そこでそんな状況を食い止めるために私が考案したのが、「目がよくなるまちがいさがし」です。現代人に最も足りていない目の動き=遠くを見るが、まちがいさがしを楽しんでいるうちに勝手にできるように作られています。
実際に体験ください。
次の上下の絵から5つのまちがいを探してください。
まちがいさがしを楽しんだあとは、ガボールパッチ(ぼやけたしま模様)も探してみてください。脳の視覚野が刺激され、脳内視力が上がるとされています。
さて、答えを見てみましょう。
(1) 左上にある絵の位置
(2) お父さんの頭の上にある照明の種類
(3) お父さんが左手(手前から見ると右側)に持っている飲み物の量
(4) 右側にあるテラスの手すり
(5) 下側に見えるテーブルの上のロウソクの大きさ
に違いがあります。
眼球の血流が活性化する
まちがいさがしをしていると、目の周りがじんわりあたたかくなる感覚を持たれた方もいらっしゃると思います。
そんなふうにあたたかくなるのは、視点が遠近、上下左右にとあちこちに行き交ったことにより、眼球の血流が活性化しているからです。こうして眼球の血流を活性化させることで、近視、老眼、ドライアイ、スマホ疲れの改善が期待できます。
続いて次の上下の絵から5つのまちがいを探してください。
毛糸を目で端から端まで追いながら実践いただくと、視線を動かすトレーニングになり、眼筋を鍛える効果が得られます。
では、答えを見てみましょう。
(1) 左上の黄色の輪っか
(2) 左下の緑の毛先
(3) 真ん中より少し左の薄青と緑の交わり
(4) 真ん中より少し右上の薄青の交わり
(5) 右下の薄青とピンクの交わり
に違いがあります。
まちがいが見つからなくても問題なし
少し難しく感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、安心してくだい。まちがい自体がひとつも見つからなくても全く問題ありません。なぜなら、まちがいを探す時の目の動き自体が、目にいい効果をもたらすからです。
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このまちがいさがしを7日間実践した40代の女性からは、「目の疲れを感じた時に取り組むと、視界も頭もクリアになります。7日くらい続けてみたら視力が0.1上がりました」という声が寄せられました。(もちろん効果には個人差があります)
「遠近、上下左右を見ること」、そして「まちがいを探すこと」は、同時に脳の視覚中枢を使っていることにもなります。
つまり、このまちがいさがしは、目と脳を両方鍛えることができるということです。
パソコンやスマホばかりで、遠くを見たり、あちこちに視線を配らせたりすることが少なくなった現代だからこそ、仕事の休憩中や、休日の暇ができた時などにこのまちがいさがしを実践いただき、疲れた目をリセットしていただければと思います。
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提供元:眺めるだけ「目がよくなるまちがいさがし」の効用|東洋経済オンライン