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2023.08.28

6人家族、借金生活から1100万貯金に転じた節約法|4人の子どものママが語る貯まる家計簿のコツ


元浪費家の蓄財系整理収納アドバイザー・なごみーさんが語る、節約法とは?(写真:なごみーさんのブログより)

元浪費家の蓄財系整理収納アドバイザー・なごみーさんが語る、節約法とは?(写真:なごみーさんのブログより)

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2LDKの賃貸アパートに夫婦と子ども4人の6人で暮らしながら、10年かけて1100万の貯蓄(投資による含み益を含む)に成功したなごみーさん。自身の実体験から「片付けをすると節約や貯蓄につながる」と考え、インスタグラムやブログではすっきり暮らすアイデアや整理収納のコツを発信している。

8月31日にはKADOKAWAから『ポンコツ4児母ちゃん、家を片付けたら1000万円貯まった!』の発売が予定されている(※本執筆当時は貯蓄1000万、現在は1100万に )。

しかし、なごみーさんはもともと「まったく貯金できない浪費家タイプ」だったという。失敗を繰り返しながらも、少しずつ節約やお金について知り、実体験から学びながら取り組んできたそうだ。

本記事では、節約系YouTuberである私くらま(「倹者の流儀」)が、なごみーさんが貯金できるようになるまでの紆余曲折の道のりについて聞いた。

インスタグラム ※外部サイトに遷移します

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『ポンコツ4児母ちゃん、家を片付けたら1000万円貯まった!』 ※外部サイトに遷移します

「倹者の流儀」 ※外部サイトに遷移します

消費者金融で100万の借金を抱える

話は結婚前、独身時代に遡る。なごみーさんは、専門学校、オーストラリア留学を経て、24歳になる頃に貿易会社で輸出営業事務の仕事に就いた。

浪費家から節約家に転身したなごみーさん(写真左)に、くらまがインタビューします!(東洋経済オンライン編集部撮影)

浪費家から節約家に転身したなごみーさん(写真左)に、くらまがインタビューします!(東洋経済オンライン編集部撮影)

「母には『月1万円でもいいから貯金しなさい』と言われていました。でも、この言葉が当時の私には全然ピンと来ていなくて……。貯める理由も目的もないから貯金していなかったです」

勤めて1年が過ぎた頃、小さい頃に憧れていた芸能界の仕事への興味が膨らんできた。

「社会人になっていっぱしの大人になったつもりだったんですよ。好きなことを自由にやっても、誰にも迷惑をかけないじゃんと思って。試しにオーディションを受けてみたら受かって『もう私は役者になれるんだ!』と妄想炸裂していました。でもこれにはカラクリがあって……。そこから役者になるにはスクールへの入学が必要で、入学金が20万くらいかかるんですよね」

しかし、当時のなごみーさんはスクールに通うのは当然と受け入れ、会社を辞めて実家に帰り、スクールに通いながら役者を目指すことに。

「貯金がまったくなかったので、そこで初めて消費者金融に手を出してしまいました。後の生活費はバイトで賄えばいいと軽く考えていて。このころの私はお金について何も深く考えていませんでした」

その後、役者として舞台に出るようになったが、ギャラはなく、収入は月10万円のアルバイト代。さらに約4万円分のチケットノルマがあった。半分は捌けなかったので自腹だが、これも役者になるための必要経費と考え支払っていた。

「とあるビジネス」で、時間もお金も、友達までも減る

こういう状況になると、怪しいビジネスの話が舞い込んでくるようになる。なごみーさんにも、「とあるビジネス」の話が舞い込んだ。

「当時の私は素直というか……そのビジネスの話を聞いたときに『すごい!』って思ったんですよ。それで稼げれば役者にフルスロットルできると思い、どっぷり浸かっていきました」

もちろんそんなにうまい話はなかった。「とあるビジネス」をやることで、時間もお金も、そして友達までも減ってしまう。

「当時の私は、役者になるほうが大変なんだから、こっちのビジネスも頑張れなかったら役者として成功できないという思考回路になっていて、どんどんはまっちゃったんですよ。しかも、売り上げ達成のために商品在庫を自分で買っていました」

舞台や練習もあるため、アルバイトはあまり増やせず収入は月に10万円ほどであるにもかかわらず、チケットノルマと商品の自腹購入で、お金がどんどん減っていく。最終的に消費者金融に総額約100万円の借金をすることになってしまった。

「この期に及んでも大変なことだと思っていなかったんです。しかも、独自の工夫で返済期日を伸ばしていました。借りられる枠が100万円あったら、99万円だけ借りて、1万円ずつ返済する設定にします。そうすると、まだ1万円借りられますよね。返済期日が来たら1万円借りて入れれば、期日が延びるんです」

一時的にはしのげるかもしれないが、そんな生活は長くは続かない。消費者金融だから金利は15%くらいと高めだ。その状態にしておくと、返済額がどんどん上がっていく。借金が膨れ上がる一方だ。

今でこそ、4人の子を育てながら1100万円の貯金を築いたなごみーさんだが、若かりし日はなかなか破天荒だったようだ(写真:なごみーさんのインスタグラムより)

今でこそ、4人の子を育てながら1100万円の貯金を築いたなごみーさんだが、若かりし日はなかなか破天荒だったようだ(写真:なごみーさんのインスタグラムより)

転機になる出来事があった。

「ある日、バイト先に行く電車賃の一区間分の120円も払えずに、1時間かけてバイト先まで歩いていきました。そしたら、バイト先の事務所の机の上に、誰のお金かわからない2千円が置いてあったんですよ。それを見て『このお金があれば』って思っちゃったんですね。思った瞬間、やばいとわれに返りました。下手したら犯罪者になりかねないような精神状態になっていて、もうこの生活を辞めよう、借金を完済しようと決意しました」

役者もビジネスも辞め「借金を一年で完済する」と決めて、アルバイトを掛け持ちして休まず働いた。当時は実家を出て、バイト先の近くにあるシェアハウスで暮らしており、家賃は水道光熱費込みで3万円。6畳に2段ベットが3つあるような、寝るためだけの部屋だった。

「それからは、アルバイト代が入ったらすぐおろして、消費者金融のATMに行き入れていました。強い意志を持って1年間で完済しました」

借金返済が終わった27歳、当時付き合っていた現在の夫と結婚して、翌年28歳で長男が生まれる。

しかし、貯金はなかなかできなかったし、長男が生後3カ月になる頃には、貯蓄がゼロになってしまった。

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上の写真は、長男生後3カ月の頃の様子。幸せな一方で、貯金はゼロだった(写真:なごみーさんのインスタグラムより)

上の写真は、長男生後3カ月の頃の様子。幸せな一方で、貯金はゼロだった(写真:なごみーさんのインスタグラムより)

“小手先の節約テクニック”では貯金につながらなかった

「借金を返し終わったことで満足してしまい、今度は『借金をしなければ大丈夫』という意識でした。今思えば不思議な思考回路ですが……、夫の収入は当時手取り30万くらいで、毎月ほぼ全部使い切っていました。児童手当もボーナス感覚で使っていました」

しかし、貯金なし生活には思わぬ落とし穴があった。当時の夫の会社は、住民税と年金が給与天引きではなく自己支払いだったことを理解していなかった。これはある日、赤文字で「特別催告状」と書かれた封筒が届いたことで発覚した。

「びっくりして、恐れおののきました。ちょうど長男が生後3カ月の時で、貯金はできていない生活でしたが出産祝いなどで60万円くらいはあったんですよ。すぐ支払いに充てて、完全に貯金ゼロになりました」

ここから節約貯金しよう、という明確な意識がなごみーさんに芽生える。けれど、すぐにうまくいったわけではなかった。最初の頃は、小手先の節約テクニックを雑誌や本で学んでは実践してみたが、あまり効果が出なかったという。

「電気をこまめに消す、水道の元栓を絞って使う、などの細かい節約ばかりやっていました。あとは食費です。一生懸命頑張っても、手間もかかるわりに、節約できた金額としては少なかったです」

翌年には次男の出産もあったことから、貯金を決意してから2年間はなかなかうまく貯まらない状態が続いた。

なごみーさんの場合は夫の住民税だったが、各種税金など変動費は忘れがちなことが多い。読者からも共感が多いポイントだったという(写真:なごみーさんのインスタグラムより)

なごみーさんの場合は夫の住民税だったが、各種税金など変動費は忘れがちなことが多い。読者からも共感が多いポイントだったという(写真:なごみーさんのインスタグラムより)

そんな中、家計再生コンサルタントの横山光昭さんが提唱する「貯まる家計の黄金比率」を知り、目から鱗が落ちる思いだったという。これは横山さんが多くの家計改善の相談に乗る中で、貯蓄できている家計の予算配分を研究して導き出したもの。

「自分の家計と照らし合わせてみると、固定費がかかりすぎているから貯められないことにやっと気づいたんですよ。頑張って削っていた食費は確かに抑えられていたので、固定費を見直すことにしました」

固定費で大きく見直したのは、家賃と保険の2項目。

家賃は都内の3階2DKから、郊外の1階2LDKに引っ越し。1階にしたのは、子どもが歩くようになっての音対策も兼ねている。結果、9万6000円の家賃が7万8000円になり、月々1万8000円、年間21万6千円の節約になった。

保険は「夫婦どちらかに万が一のことがあったとしても、子どもがきちんと成人まで暮らせるか」を主眼に置いて見直し。貯蓄性は求めず、掛け捨ての安い保険に変えた。結果、夫が月6,800円の収入保障、なごみーさんが月2,000円の共済に。

また、子どもの学資保険を見直したところ、利率変動型終身保険で、かなり長い期間加入していないと元本割れするものだと気づいた。

「プロが勧めるならそれがいいだろうと安易な考えで、よく理解せず入っていました。解約して、その積み立ては自分でやっていくことにしました」

固定費を削った分がしっかり貯蓄に回るようになり、なごみーさんは心の余裕が持てるようになったという。31歳で貯蓄100万円、32歳で貯蓄200万と、33歳で貯蓄300万と、コンスタントに年間で100万円貯められるようになった。

家計の改善には、現状把握がなによりも大事。黄金比を紹介している(写真:なごみーさんのインスタグラムより)

家計の改善には、現状把握がなによりも大事。黄金比を紹介している(写真:なごみーさんのインスタグラムより)

クレカに頼りすぎていた自覚があるからこそ、あえて現金で管理することで「必要以上に使わない」感覚を身につけた(写真:なごみーさんのインスタグラムより)

クレカに頼りすぎていた自覚があるからこそ、あえて現金で管理することで「必要以上に使わない」感覚を身につけた(写真:なごみーさんのインスタグラムより)

節約をやりきったら、稼ぐにシフト

33歳の頃には長女が誕生。子どもが3人になり、この頃から出費も増え、なかなか貯められない停滞期に入る。「固定費を削ったし、節約をやり切った後だったので、もうこれ以上節約するのは限界だと思いました。食費を削ったり、エアコンを我慢するなど健康を害する節約はしない方針です。だからこれからは私も働いて収入を上げていく段階だと考えを切り替えました」

子どもが3人いることから「どういう働き方ができるか」から考えることにした。この決意の一年前、32歳の頃はヤクルトレディとして働き月10万円の収入を得ていたが、これはすべて幼稚園代になり貯金には回らなかった。

「私がその時点で働いていなかったので、下の子を保育園に入れられない『保育園の壁』がありました。だから先に就職しないといけないのですが、夫が飲食業で夜勤があったり、土日が休みではないことが多いので、私が土日休みの働き方をしてしまうとすれ違い生活になってしまうなと思いました」

自由に動ける働き方はないかと考えてたどり着いた答えが、在宅フリーランスでのWebライター業だった。月5000円から始まり、月2万、5万、10万と少しづつ仕事を増やしていく。最終的に、平均月20万円くらいの収入を得られるように。

「仕事の増やし方としては、子育て雑誌や暮らし系メディアに『わが家ではこんな節約をやってます』と売り込みました。強みを生かすというか、逆にそれしかなかったんですよね。仕事経験もほとんどない。だからこそ、借金をしたマイナススタートからの過程を赤裸々に皆さんにお伝えすることで、伝えられることがあるかなと」

基本的に夫の収入を生活費に充て、なごみーさんの収入を貯蓄に充てる形で家計運用。なごみーさんの収入が上がれば上がるほど、貯金が増えていく仕組みだ。

Webライター業を始めた2年後の35歳で550万、36歳750万円、そして37歳で1000万円の貯蓄に成功した。

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給料日のルーティン。あえてアナログを取り入れることで節約マインドを身につけた(写真上)。時間はかかったが、少しずつ努力を重ねて、借金持ちから貯金1000万円に到達した(写真:なごみーさんのインスタグラムより)

給料日のルーティン。あえてアナログを取り入れることで節約マインドを身につけた(写真上)。時間はかかったが、少しずつ努力を重ねて、借金持ちから貯金1000万円に到達した(写真:なごみーさんのインスタグラムより)

なごみーさん家の家計簿を公開!

【なごみーさん家 1カ月の生活費内訳】

家賃:88,910円
水道光熱費:25,000円*
スマホ代(2人分):5,700円*
(*は、ポイント支払いで0円になることも)
保険(2人分):8,873円
子供費(4人分、保育料・給食費・習い事費など):73,000円
夫小遣い:20,000円
妻小遣い:5,000円
アマプラ:500円
特別出費用積み立て:50,000円(旅行や子どものクリスマス、車検など用)
やりくり費:75,000円
予備費 10,000円(予備費は月により変動あり)
合計 約36万2000円

【やりくり費(75,000円)の内訳】

食費:50,000円
日用品:5,000円
ガソリン:5,000円
レジャー・外食費:10,000円
その他:5,000円

※収入

夫:手取り約450万円
なごみーさん:手取り約250万円 (個人事業主として確定申告をし、控除を活用しているため、手取りと額面がほぼ同額)

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提供元:6人家族、借金生活から1100万貯金に転じた節約法|東洋経済オンライン

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