2023.04.21
1円で買えるものは?スマホの残高を使い切る秘策|ポイ活にハマるほど増える「端数」をどうする
キャッシュレス決済で上手に「ポイ活」する方法とは?(写真:何も怖くない/PIXTA)
いつまで続くのだろう、値上げの大合唱は――。
帝国データバンクによると、4月に値上げされる飲食料品の数は5100品目。5月以降も4000品目近くとなる予定だという。今後の値上げの影響により家計支出額が2022年度月平均から1カ月当たり約2140円、年間で約2万6000円増加するとの試算だ。
ちょっと待て。たしか昨年、年間で約6万円増との数字を聞いた覚えがある。となると、昨年すでに月5000円ほど増えており、そこに2023年分が上乗せになれば合計で月当たり7000円もの増加である。
キャッシュレス決済での「ポイ活」
日々ちょこちょこ節約したり、こまめな固定費カットに励んだとしても厳しい数字だ。賃金が上がった方は幸いだが、そうでない家庭はどう対策するのか。
各リサーチ会社が発表しているアンケート調査によると、消費者が値上げ対策として取り組みたいと答えているのは「ポイ活に励む」という方法。支払いの手段をキャッシュレス化することでポイント還元を受け、それを貯めてお金代わりに使うという。
キャッシュレス手段の中でもポイントの高還元率キャンペーンを多発しているスマホ決済アプリの利用が伸びているのは、そういう理由もあるのだろう。先日ある家計節約イベントに参加し、一般の方と情報交換したのだが、そこでも日々SNSをパトロールしてキャンペーンの情報収集に励み、一番お得な決済アプリをキャンペーン期間ごとに使いわけていると話す人が多かった。
それを聞き、筆者としてはやや複雑な気持ちになった。複数のキャッシュレス決済を使えば使うほど、そこに少額の残高が残ってしまいがちだからだ。これは「別の国の小銭がバラバラに貯まっていく現象」に近い。別の国の小銭=別のアプリ残高は同一通貨に合算できないため、残った少額で買えるものが限られる。
数百円の残高が残っていると、それを使うためにチャージをし、さらにまた少額の残高が残るという無限スパイラルに陥ってしまう。使い切れない残念な金をなるべく減らすには、よく使うアプリを2種類程度に絞ったほうがいいと思うのだが、現実の話を聞くとそれも難しそうだ。
とはいえ、めったに使わないスマホ決済に、いつまでも数百円程度の残高が残っているのはもったいない。これをうまく使い切る方法はないか。その残高を使うために無用なチャージを繰り返すのではなく、例えば100円未満でも買えるものを知っておくと有意義に使えるのではないか。ひとまず、消費者に身近な店を回ってリサーチしてみた。(以下、定価と記載がないものは税込み価格)
コンビニで税込み100円未満で買えるものは?
今や100円ショップでもスマホ決済ができるので、残高が110円あるいは108円あれば1つ商品が買える。それより少ない金額となると、何が買えるだろうか。
まず、コンビニに行ってみた。コンビニと言えば、「定価販売」「スーパーやドラッグストアより高い」というイメージがある。今やおにぎりも定価100円以上するし、コンビニスイーツだってどんどん高級化している。100円未満で買えるものなど簡単に見つかるとは思えないのだが。
しかし、それは杞憂だった。コンビニで100円あれば数種類の商品が買えるコーナーを発見した。それは駄菓子だ。うまい棒は反則としても、一粒チョコレート23円、ひとくちカルパス1個29円、燻製イカ50円と、100円もあれば複数買える。
中でもチョコレート製品が意外に安い。チョコボールも1箱98円で並んでいる。小腹がすいたら、コンビニの駄菓子コーナーで買っておやつにするとよさそうだ。なお、アイス「ガリガリ君ソーダ味」も75円程度あれば買えるのだ。コンビニは、実は100円未満デザートの宝庫だった。
他にも、個包装のドレッシング(30~35円程度)や、みそ汁(98円)が買える。50グラム入りと超ミニサイズのマヨネーズも91円で発見。前言撤回、コンビニは庶民の懐に優しいところだった。少額残高の使い道に悩んだら、まずはコンビニに向かおう。
次は、日用品や食品が安く買えるというイメージのドラッグストア。しかし、なかなか見つからない。ようやく発見したのが歯ブラシで、82円と74円だ。
そのほか、あまり見かけないブランドの栄養ドリンクが96円。オロナミンCも95円。栄養ドリンク系なら、たった一本買っても不自然ではないので、残高使い切り用にはちょうどいいかもしれない。
とはいえ、食品の品ぞろえが豊富なドラッグストアに行けば、買えるものは増える。ペットボトル飲料や缶コーヒーも73円程度だったりする。その店では、食後のデザートにぴったりのカップゼリーも1個95円だった。
食品は軽減税率適用で、消費税8%のため、買えるものの幅が広くなるというわけだ。定価78円なら84円、88円なら95円という具合。定価が92円までの食品なら、残高100円あれば確実に買えるようだ。逆に、よくある定価98円商品は確実に100円を超える。もちろんドラッグストアだけでなく、食品を買う時の目安にどうぞ。
1円単位で残ってしまった残高はどうする?
とはいえ、どんなに安いものを買っても残高0円にするというのは難しい。1円でも残ってしまったら、それ以上使うことはできないのだろうか。
実は、税込み1円で買えるものがある。先に書いた節約イベントで同席した参加者に教わったのだ。数円残った時は、切手を買うという。なるほど、今や郵便局でもスマホ決済が使えるではないか(未導入の局もある)。
ホームページによれば、100円未満で購入できる切手は1円、2円、5円、10円、20円、50円、63円、84円、94円。組み合わせ次第で、無理なくすっきり使い切れそうだ。でも手紙を出す機会はないという人もご安心を。切手はゆうパックの送料としても使え、現金と併用することも可能だ(ただし、コンビニで荷物を出す際には使えないのでご注意)。
少額の残高がいつまでも残ったままになりがちなのは、スマホ決済アプリだけでなくプリペイド式の電子マネーもそうだ。残っている残高で一気に切手を――と思ったが、郵便局で対応している電子マネーは、主に交通系ICカードで、流通系電子マネーはWAONのみ。利用者が多いnanacoや楽天Edyには対応していないのが残念だ。
「端数ポイント」の使い道も考えてみた
他にも使い切りに悩むのが、有効期限が短い期間限定ポイントだろう。高還元キャンペーンで付与される共通ポイントは、たいていは1~2カ月程度で期限切れとなる。付与する側としては、貯め込まずにとっとと使ってほしいのだ。消費者が欲しくもないものを無理やり買うのは、この期間限定ポイントを失効させたくないからという理由が大きい。
付与されたポイント数がそれほど多くないなら、支払いの際の端数で使ってしまうのがすっきりするだろう。代金が1094円なら94円分だけポイント払いするというように。もちろんポイントと同じグループのスマホ決済にチャージして使ってもいい。それでも数ポイント残ってしまったとき、切手のように1ポイントで使えるものはないだろうか。
あった。ポイント募金だ。楽天ポイントやdポイントは、期間限定ポイントでも寄付ができる。しかも1ポイントからOKだ。いまだ終息が見えないウクライナ人道支援、トルコ・シリア地震支援などへの募金もできる。ポイント消費のために欲しくもないものを無理やり買うよりは、有意義な使い方のひとつだろう。むろん通常ポイントでも寄付は可能だ。なお、共通ポイントのうち、Pontaは50ポイントからの寄付となっている。
期間限定ポイントでは利用できないが、当面使わないポイントがあるなら「ポイント運用」に回す方法もありだ。楽天、dポイント、Pontaは100ポイント以上だが、PayPayポイントは1ポイントから始められる。
ポイント運用サービスは投資信託価格に連動する疑似運用のため、増えるかもしれないが、減ることもあるから念のため。
それでも、PayPayでは、この3月に900万運用者を達成したそうだ。やはり、皆ポイントが大好きなのだ。
有意義に使えれば節約の助けになるポイ活だが、手を広げすぎると逆効果にもなる。あちこちのアプリに少額の残高やポイントが残っているなら、なるべく早めに使ってしまいたい。
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提供元:1円で買えるものは?スマホの残高を使い切る秘策|東洋経済オンライン