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2023.02.06

「新NISA」って何?今さら聞けない基本の基本|最小100円から、1800万円無税、旧NISAと併用可


新NISAも現行のNISAと併用して非課税の投資ができるのが魅力だ(写真:PIXTA)

新NISAも現行のNISAと併用して非課税の投資ができるのが魅力だ(写真:PIXTA)

巷でよく聞く「NISA」(少額投資非課税制度)って何だろう?

今でも最小100円から買えるNISAの最大の武器は、投資で得た売却益や配当などの利益に対して、通常課される20.315%の税金が免除されることだ。では改めて新NISAのメリットについて解説したい。

ここでは便宜上、現行のNISAを「一般NISA」と「つみたてNISA」、2024年1月1日から始まるNISAを「新NISA」と呼ぶことにする。

2024年から始まる新NISAでは、非課税期間が恒久化、年間投資額が「成長投資枠」で240万円、「つみたて投資枠」で120万円に増加し、さらに生涯投資額が1800万円まで大幅に拡大される。

非課税の恒久化でロールオーバーの心配なし

週刊東洋経済2023年2/4特大号では「大増税時代の渡り方」を特集

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1月30日(月)に発売した週刊東洋経済2月4日号では「大増税時代の渡り方」を特集。来るべき大増税時代に備え、生前贈与による節税法、NISAによる投資のイロハまで、さまざまな税金との向き合い方を盛り込んでいる。

元々つみたてNISAはロールオーバー(口座の移管)できないが、一般NISAは2023年までのロールオーバーが可能だった。新NISAでは、非課税期間が恒久化され、投資可能期間が無期限化されたことによって、ロールオーバーの概念そのものがなくなる。

今後はロールオーバーを気にすることなく、非課税の運用を続けられる。これは仕組みをシンプルにするうえでも好ましい。したがって、簿価ベースで1800万円の生涯投資額に達するまでは、追加投資できる。簿価ベースとは株や投資信託を買った時点の取得価格で評価することである。

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例えば、取得価格800万円の株が値上がりして1000万円になった場合、残りの生涯投資額は1800万円から1000万円を差し引いた800万円、と考えるのではない。1800万円から取得価格800万円を差し引いた1000万円とする。生涯投資額を計算する際、保有する株や投信の値上がり益は、いっさい考慮しなくてもいい。

また一般NISAやつみたてNISAでは、投資した株や投信の一部を売った分を“再投資”できなかったが、新NISAでは再投資できるのが利点だ。例えば、1800万円の生涯投資額のうち500万円を投資した後、値上がりしたので全額売却しても、生涯投資額は再び1800万円に戻る。

月10万円、年120万円まで投資が可能に

さらには年間投資額が増えた利点も大きい。

新NISAの生涯投資額は1800万円だが、一括で枠を使い切れるわけではない。前述したとおり、年間投資額は成長投資枠240万円とつみたて投資枠120万円を合わせて、計360万円。つみたて投資枠の年120万円のみを考えれば、毎月最大10万円まで積み立てられる計算になる。

現行のつみたてNISAの年間投資額は40万円なので、1カ月当たりの積み立て額が最大3万3333円と、割り切れない点が不評だった。この点、新NISAのつみたて投資枠は、毎月10万円だからピッタリ割り切れる。

現状、つみたてNISAの対象ファンドは、「長期・積み立て・分散」投資の基準に適した投信から、金融庁が選んでいる。1月17日時点では218本に及ぶが、新NISAのつみたて投資枠で選ばれる商品は、現行のつみたてNISAとほぼ同じものと考えられよう。早晩、「指定インデックス投信以外の投信」つまりアクティブ運用の投信では、選定基準の緩和が行われる可能性が高い。

同じ1月17日時点におけるつみたてNISAの対象ファンドは、日経平均株価など指数に連動した「インデックス運用投信」が187本だが、指数を上回るリターンを目指す「アクティブ運用投信」はわずか24本しかない。

これは選定基準のうち、純資産総額が50億円以上であること、信託設定以降に5年間以上経過していること、信託の計算期間のうち資金流入超の期間が3分の2以上であること、という点をクリアできるアクティブ運用投信が、そもそも少ないため。多くの投信会社が、つみたてNISAの対象ファンドとして、インデックス運用投信を起用している。

ただ、そのインデックス運用投信では現在、信託報酬率の引き下げ競争が激化した結果、最も報酬率の低い投信に資金が集中する傾向がある。「コストは低いほどよい」という意見もあるが、運用維持に支障を来すようなダンピング合戦は本末転倒だろう。

極端な収益至上主義も問題だが、反面、「つみたて投資枠は商売にならない」という考えが業界に蔓延したら、対象ファンドの選定基準が緩い成長投資枠に資金が集中することも考えられる。それこそ積み立てによる長期資産形成という、お題目そのものが崩れるおそれがある。その意味でも多少、アクティブ運用投信の基準を緩和させることは、十分考えられる。

一方、成長投資枠で購入できるのは、株と投信、ETF(上場投信)、REIT(不動産投信)で、これは現行の一般NISAとほぼ同じ。もっとも、株のうち整理・管理銘柄や信託期間が20年未満の投信、高いレバレッジが利く投信、毎月分配型投信は、成長投資枠では購入できない。

なお、新NISAのつみたて投資枠は現行同様、毎月の積み立て投資が前提になるが、成長投資枠は積み立て投資のほか、240万円の枠内で一括投資も可能だ。

すでに一般NISAやつみたてNISAで運用している人は、2024年から始動する新NISAには、そのまま移管できない。とはいえ2023年中に購入した分について、一般NISAは2027年末、つみたてNISAは2042年末まで、非課税運用できる。つまり2023年に投資した分は、新NISAと別に非課税が認められるため、2024年からスタートする新NISAと併用して、非課税分を増額できる。

非課税の恩恵を少しでも多く受けたい人は、2024年を待たず、今の制度で投資したほうがよい。

18歳以上からOKで若いうちに始められる

新NISAの利用対象者は、日本に住む18歳以上の成人。これまで未成年でも利用できたジュニアNISAは2023年12月末をもって終了となる。ただし、成人するまでは非課税運用ができるので、これまでジュニアNISAで運用してきた人も、またこれからジュニアNISAを利用しようとしていた人も、2023年中は非課税の80万円を運用する意味はある。

積み立て投資のメリットは、長期間を通じ安定的に利益を得ることだ。その入り口としてNISAを賢く活用していただきたい。

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提供元:「新NISA」って何?今さら聞けない基本の基本|東洋経済オンライン

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