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2023.01.27

誰もがついやりがちな「友達をなくす関わり方」|「どっと疲れる友人」になっているかもしれない


相手に負担をかけるような友人関係を築いていませんか(写真:YAMATO/PIXTA)

相手に負担をかけるような友人関係を築いていませんか(写真:YAMATO/PIXTA)

こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャⓇ」の大野萌子です。

特に意地悪をされたというわけではないのに、会った後、なんとなく嫌な思いが残ったり、どっと疲れる友人はいませんか。そんな人とは、少しずつ距離を置きたくなるものです。同じように誰かからそのように思われたら嫌ですよね。もしかしたら自分自身も、気づかないうちに相手に不快感を与える言動をしていることがあるかもしれません。自分のことは自分で気づきにくいものです。友人との関係が長続きしない、話ができる友人が減ってきたと感じたら、振り返ってみるチャンスかもしれません。

関係が悪くなるやりとり

関係が悪くなるケースについて考えてみましょう。

わずか2往復のやり取りですが、Bの応答に4カ所よくないところがあります。

A「花粉症が始まる前に薬ほしいけど、病院、待つから嫌だわ」
B「なに? 病院行くとき予約しないの?」
A「え? 予約はするけど、大抵時間通りにいかないし」
B「私の通っているところ、わりと時間通りで、そんなに待たされないよ。病院変えればいいのに」
A「……」

どうでしたか? よくない点に気づかれたでしょうか。

解説は、以下です。

A「花粉症が始まる前に薬ほしいけど、病院、待つから嫌だわ」
B「(嫌だという気持ちに対しての受け止めが欲しいところなのに、その言葉がない)なに? 病院行くとき予約しないの?(今どき、ふつうするよね? してないの?という非難)」
A「え? 予約はするけど(けど、というワードは、相手の意見に賛同できないときに出てくる言葉)、大抵時間通りにいかないし」
B「私の通っているところ、わりと時間通りで、そんなに待たされないよ(私のところは違うと比較して優位性を述べている)。病院変えればいいのに(おせっかい)」
A「……」

全体的に相手の言動に批判的で、気持ちを受け止めることができていません。このようなやり取りが続くと「わかってもらえない」「話が通じない」「否定されている」というネガティブな感情がAに起こりやすくなります。

さらに、Bが自分のかかっている病院自慢や、使っている薬の解説などしようものなら、聞く気も起らないでしょう。

では、何気ないやり取りの中で敵を作らないようにするには、どうすればよいでしょうか。

コツは会話を楽しむこと

A「花粉症が始まる前に薬ほしいけど、病院、待つから嫌だわ」
B「待つの嫌だよね(同意)」
A「そうなのよ、下手すると一日がかり」
B「そんなにかかるんだ(大変さの受け止め)」
A「でしょ。だから気が進まないの」
B「ほんとね。予約はできないの?(自分のことを引き合いに出さずに確認)」
A「予約して行ってもなかなか時間通りにいかないのよ、診察は丁寧なのが救いなんだけどね」
B「そっか、でも診察はいいんだ(プラスの気持ちを受け止める)」
A「うん、いい先生なのよ。面倒だけど症状が出る前に行くことにするわ」
B「そうだね(受容)」

しっかりと相手を受け止めることで、Aが迷っていることに結論を出せるまでのサポートまでできています。

この後、自分の状況を話したり、薬のことを話す分には一向にかまいません。友人との会話は、一方通行に聞くだけで終わりではないし、自分のことも話したいと思いますので、体験談を語ることや情報共有としての会話を楽しめばよいのです。

この前段がないうちに、相手の話の内容や気持ちを否定してしまう人、アドバイスすることが相手のためになると思い込んでいる人が失敗しやすいのですが、問題解決志向が強く、なんとか相手にとってよい情報を伝えたいと一所懸命な人に多いのも事実です。

よって、悪気がないことも多いので、自分のエネルギーの方向性が間違っていることに気づくことが大切です。どんなによい情報もアドバイスも、タイミングを誤ったり、度を超すと、単に相手を自分の思い通りにコントロールしたい痛い人になってしまいます。

同様に、相手から意見を求められたときの対応を考えてみましょう。
「どう思う?」と聞かれたとき、どうしていますか? 律儀でまじめな方は、聞かれたのだから、なんとかよい回答をしようと必死になるのではないでしょうか。ここにも落とし穴があります。「駅の方向どっちだっけ?」のような事実確認の場合以外は答えないことが鉄則だからです。

なぜなら、人は会話の糸口として「質問形」を使用するからです。いきなり本題には入れないので、そのきっかけとして質問を使うのです。「ねぇ、○○さんのことどう思う?」は、○○さんに対して、不満を抱えているのかもしれないし、異性として気になっていて近づきたいと思っているのかもしれません。

「どうしたの?」と質問の意図を尋ねる

理由はどうあれ、話している本人が○○さんに対する思いを語りたいという前置きを無視して、聞かれた側が、○○さんについて見解を述べたところで会話はかみ合いませんし、相手の話を遮ってしまうことにもなります。ここは答えずに「〇〇さん?……なんかあった?」「どうしたの?」と質問の意図を尋ねるとよいでしょう。「うん、実はね……」という話を聞いてから、○○さんに対する私見を答えても、まったく遅くないばかりか、よけいなことを言わずに済みます。また、相手の話したい欲求も満たされます。

人は、相談するとき、意見を求めるときは、自覚のあるなしにかかわらず、答えを自分の中に持っているので、基本的にはアドバイスは必要なく、気持ちの整理に付き合うだけで十分なのです。

この点を押さえれば、相手から「付き合いたくない疲れる人」認定をされることは大幅に軽減されると思います。ここちよい関係性を育むことで、豊かな日々を送ることにつながりますように。

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提供元:誰もがついやりがちな「友達をなくす関わり方」|東洋経済オンライン

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