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2022.08.05

受給額最大84%増「年金」は何歳でもらうのが得か|受給開始年齢の延長が受給額のカギを握る


60歳から受給することができる年金だが、受給年齢によって受給できる額が変わる(写真:TY/PIXTA)

60歳から受給することができる年金だが、受給年齢によって受給できる額が変わる(写真:TY/PIXTA)

2022年度から大きく変わった日本の公的年金。最大のポイントは、受給開始年齢の延長です。受給開始を遅らせると、最大84%も年金が増やせることに。もうすぐ60歳、年金の受け取り時期は“何歳まで生きるつもり”で決めればいいのか。『会社も役所も銀行もまともに教えてくれない 定年後ずっと困らないお金の話』の著者でもあるファイナンシャルプランナーの頼藤太希氏が、老後貧乏にならないための「人生の大選択」について解説します。

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“減額”地獄で老後が不安……変わる年金事情

日本の公的年金には、大きく分けて国民年金と厚生年金の2つがあります。国民年金は、20歳から60歳までのすべての人が加入する年金です。原則として、20~60歳までの40年間にわたって所定の国民年金保険料を支払えば、誰もが満額受け取れます。

2022年度の国民年金の満額は(0.4%の引き下げで)年額77万7800円です。保険料の納付月数が40年に足りないと、受け取れる金額も減少します。たとえば保険料納付月数が30年間(360か月)であれば、年金は満額の4分の3となります。なお、満額で受け取れる年金額は年ごとに改定されます。

対する厚生年金は、会社員や公務員が勤務先を通じて加入する年金。会社員・公務員の方は、毎月の給料から国民年金・厚生年金の保険料を天引きで支払っています。そうすることで、老後には国民年金と厚生年金の両方を受け取れます。

個人事業主やフリーランスなどの方は厚生年金に加入していませんので、国民年金のみとなります。ちなみに、会社を設立して起業した場合には、たとえ自分ひとりの会社であっても厚生年金(社会保険)に加入します。

厚生年金の受給額は、加入期間中の給与や賞与の金額も踏まえて計算されます。基本的に、長く加入するほど、給与や賞与の金額が多いほど、年金額が多くなります。

次の表は、23歳から厚生年金に加入した場合に受け取れる年金額(国民年金+厚生年金)の合計額(年額)を示した概算表です。なお、国民年金は2022年度の満額、厚生年金は65歳時点での受給額を表しています。

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20代のころはまだ少なかった年収が、スキルアップや昇進などを通じて、50代まで右肩上がりに増加してきたという方も、決して少なくないはずです。しかし60代、定年退職を迎えるまでさらに増えていくかといえば、期待薄なのが現状です。それどころか、なかには年収が激減してしまう人もいるのです。その理由は、「役職定年」にあります。

役職定年とは、一定の年齢に達した社員が課長や部長といった管理職から外れる制度のことです。会社によって制度はさまざまですが、55歳、あるいは57歳といった年齢に達すると管理職ではなくなり、非管理職社員に戻るのです。

会社としては人件費の削減や組織の新陳代謝、活性化につながるメリットがあるということで、大企業を中心に導入が進んでいます。しかし、役職定年を迎えた社員はたまったものではありません。努力して築いてきた地位が年齢を理由になくなるだけでなく、年収も下がるからです。

役職定年で年収が半分になる人も

ダイヤ高齢社会研究財団の「50代・60代の働き方に関する調査報告書」によると、実際に役職定年を経験した方のうち、役職定年後の年収が減った割合は実に9割以上。年収が半分未満になった人も約4割いるのです。

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役職定年で年収が少なくなると、将来受け取れる厚生年金の金額も減ってしまいます。たとえば、20歳から60歳まで40年間ずっと年収500万円だった人と、同じく55歳まで年収500万円だったものの、55歳から60歳までの5年間は年収が350万円になった人では、厚生年金の年額に4.1万円の差が生まれる計算です。

もしくは、55歳から60歳までの5年間は年収が250万円になった場合は、厚生年金の金額に6.8万円の差が。これが仮に30年続いたら、受け取れる金額は204万円も少なくなってしまいます。

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国民年金・厚生年金の受給開始は原則65歳ですが、希望すれば60~75歳の間で受け取りを開始することができます。60~64歳で受け取りを開始することを繰り上げ受給、66~75歳で受け取りを開始することを繰り下げ受給といいます。

繰り上げ受給・繰り下げ受給は1カ月単位で選択できます。

60~64歳11か月までの繰り上げ受給では、1カ月早めると0.4%ずつ受給率が減り、60歳まで年金の受給開始を早めると受給率は76%(24%減額)となります。一方、66~75歳までの繰り下げ受給では、カか月遅らせるごとに0.7%ずつ受給率が増え、75歳まで遅らせると受給率は184%(84%増額)となります。

たとえば、65歳で年金を月15万円(年180万円)もらえる人が60歳まで年金を繰り上げ受給すると、年金額は24%減って月11.4万円(年136.8万円)に。反対に、75歳まで年金を繰り下げると、年金額は84%増えて月27.6万円(年331.2万円)になります。

なお、繰り上げ受給は国民年金・厚生年金セットで同時に行う仕組み。片方だけ繰り上げることはできません。それに対して繰り下げ受給は、国民年金だけ・厚生年金だけという具合に、別々に繰り下げることができます。

何歳まで生きるかで「損益分岐点」が変わる

年金は一度受け取りを開始すると、その受給率が一生続きます。

60歳で繰り上げ受給をすると、生涯24%減額された年金を受け取ることになります。逆に75歳で繰り下げ受給をすると、生涯84%増額された年金を受け取ることになります。したがって、何歳まで生きるかによって、年金の「損益分岐点」が変わってくることになります。

下の表には、損益分岐点となる年齢の目安も記載しました。年金の受取額がいくらでも、この目安は変わりません。たとえば、60歳で繰り上げ受給をしたとき、80歳未満で亡くなった場合は65歳受給より得になることを表します。逆に75歳まで繰り下げ受給をしたときは、86歳以上まで生きれば65歳受給より得になる、というわけです。

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日本人の平均寿命は男性81.64歳、女性87.74歳。60歳からの平均余命は男性24.21歳、女性29.46歳となっています。さらに、同じ年に生まれた人のちょうど半数が生きているという「寿命中位数」は、男性84.58歳、女性90.53歳です(厚生労働省「令和2年 簡易生命表の概況」より)。つまり、男性の約半分は85歳、女性の約半分は90歳くらいまでは普通に生きる時代なのです。

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日本人の寿命は、これからも延び続けるでしょう。その観点から考えると、なるべく長い間繰り下げ受給を行い、受け取れる年金額を増やしたほうがいいといえるでしょう。

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日本人の「給料安すぎ問題」の意外すぎる悪影響

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