2022.07.14
Androidスマホで「自分だけのホーム画面」を作る|iPhoneと比べて「深いカスタマイズ」ができる
アイコンをWindowsライクにカスタマイズしたAndroidスマホ「 Pixel 5a」(左)、「 Galaxy Z Fold3 5G」(筆者撮影)
この記事の画像を見る(4枚) ※外部サイトに遷移します
正面から見ると、ほぼ全体がディスプレーで差がわかりにくいスマートフォン。多種多様な端末が存在するAndroidでも、それは同じだ。インカメラの配置の仕方やディスプレーの額縁の太さ、フレームの素材感や形状などで各社とも差別化は図っているものの、いかんせん、面積の大半を占めるディスプレーの中に同じようなアイコンが並んでしまうと、区別がつけづらくなる。
この連載の一覧はこちら ※外部サイトに遷移します
そこでお勧めしたいのが、ホーム画面のカスタマイズだ。並べることが可能なアイコンの数を変更したり、色調を変えたりすることで、単に個性を出せるだけでなく、使い勝手まで向上する。ホーム画面こそ、スマートフォンのデザインと言えるかもしれない。
Androidは、iPhoneと比べて深いカスタマイズができるのも特徴。ホームアプリ自体を取り替えることで、より大胆にデザインや操作体系を変えることが可能だ。カスタマイズ次第では、iPhone風の画面や、タイルが並ぶかつてのWindows Phone風の画面も作れる。ここでは、基本的なカスタマイズ方法からアプリを使った裏技的なカスタマイズの方法まで、幅広く設定テクニックを紹介していこう。
1画面に表示できるアプリの数を変更する
ホーム画面にずらりとアプリのアイコンが並ぶのは、どのスマホにも共通したユーザーインターフェイス。目的に応じたアプリをタップするだけでよく、操作も簡単だ。ただ、買ったときのままだと、1画面に並べられるアプリの数が少なすぎたり、逆にアプリのアイコンのサイズが小さすぎて見づらいということもある。
そんなときに試してみたいのが、グリッド数の変更だ。グリッドとは、「格子」を意味する英語。縦横の線が交わる場所にアプリを配置するという考え方だ。この数が増えれば置けるアプリは増える一方で、アプリのアイコンは小型化する。逆に数を減らせば、1つ当たりの格子は大きくなり、アプリのアイコンサイズが上がり、視認がしやすくなるはずだ。
グリッドの数を変更して、1画面に置けるアプリアイコンの数を増やしたり減らしたりできる(筆者撮影)
グリッド数の変更は、最近だとほとんどの端末に搭載されている機能だ。グーグルの純正モデルである「Pixel 5a」の場合、設定方法は次の通り。まず、ホーム画面でアプリのアイコンがない適当な場所を長押しする。メニューが現れるので、ここでは「壁紙とスタイル」を選択。アプリグリッドをタップして、好きなアイコン数をタップする。
Pixel 5aの場合、標準では配置できるアプリの数がもっとも多い「5×5」になっている。1画面に計25個まで、アプリのアイコンを置けるのがこの設定だ。これを「4×4」に減らすと、配置できるアプリの数が16個に減る代わりに、アプリアイコン1つ1つのサイズが大きくなり、視認性やタップのしやすさが向上する。サイズは同じだが、縦のすき間を減らす「4×5」や、さらにアイコンを大きくする「3×3」、シニア向けの操作が簡単なケータイのようになる「2×2」に設定することも可能だ。
ここでアプリグリッドを選び、あとは「適用」をタップすればいい。注意したいのは、すでにアプリを並べている場合、レイアウトが変わってしまうことだ。1画面の縦と横に並べられるアイコンの数が変わるため、当然と言えば当然だが、並べなおしが面倒だと思う人は、端末購入直後の初期設定のうちに変更しておくといいだろう。
画面の色合いやアイコンなどをカスタマイズ
ホーム画面のデザインを変えたいときには、ほかにもOS上のさまざまな機能を活用できる。Android 12で採用されたのが、「Material You」と呼ばれるもの。これは、ホーム画面に設定している壁紙に合わせて、標準搭載されているアプリアイコンの色合いを自動的に変えるデザインのしくみのこと。元々はPixel限定の機能だったが、Android 12を採用した他メーカーの端末にも徐々に広がっており、例えば筆者の持つ「Galaxy Z Fold3 5G」でも同様の機能を利用できる。
Pixelでの設定方法は、先に挙げたアプリグリッドと同じ。ホーム画面を長押しして、「壁紙の色」をタップすると、壁紙の色合いに合ったカラーの選択肢が提示される。ここをタップすると、ウィジェット内の文字色などが変更される。アプリのアイコンも、自動で壁紙のテイストに合わせたいときには、「テーマアイコン」のスイッチをオンにする。テーマアイコンはベータ版という位置づけ。色合いが壁紙に合わせて決まるため、画面デザインに統一感が生まれる。
Material Youの機能を使うと、アイコンや文字色などを壁紙に合わせて選択できる(筆者撮影)
同じ設定メニューで、「ダークモード」を有効にすることもできる。ダークモードは、その名の通り、黒を基調にしたデザイン。通常時は白地に黒いフォントが表示されるが、ダークモードではそれが反転し、黒地で文字は白などの明るい色になる。有機ELディスプレーを搭載している端末の場合、黒地の部分は発光していないため、暗い場所で使う際にまぶしくならないのがダークモードのメリットだ。ディスプレーの発光する個所を減らせるため、バッテリーの持ちがややよくなるケースもある。
Pixelには非対応だが、それ以外のメーカー、特に海外メーカーの端末には「テーマ」と呼ばれる機能でホーム画面の雰囲気をガラッと変える機能が搭載されていることも。例えば、先に挙げたGalaxy Z Fold3 5Gは、サムスン電子が運営するストアから有料、無料のテーマをダウンロードでき、それによって壁紙や文字のアイコン、さらには標準アプリの一部のデザインやキーボードの形状などまで、一括で設定することができる。XiaomiやOPPOといった中国メーカーの端末も、同様の機能に対応している。
色数を抑えてクールな雰囲気にしたり、金色や装飾を施したアイコンでゴージャスなデザインにしたり、手書きのような柔らかさを出したりと、端末の設定を変更する以上の個性を出せる。対応する端末を利用している人は、どのようなものがダウンロードできるかをチェックしてみるといいだろう。
簡単な設定変更で大幅なカスタマイズが可能
Androidは、ホーム画面もアプリの1つとして機能している。そのため、Playストアからダウンロードして、簡単な設定変更をするだけで、大幅なカスタマイズが可能だ。ここまで紹介してきたようなデザインだけの変更ではなく、操作感に関わる部分まで変更できる。こうしたアプリのことを、「ホームアプリ」や「ランチャー」と呼ぶ。一部の端末には、ガラケー(フィーチャーフォン)からスマホに変えたばかりの利用者が使いやすいよう、アイコンを大きくしたホームアプリが内蔵されているが、それも、ホームアプリの仕組みを使ったものだ。
著作権や商標権の問題がありそうなのでお勧めはできないが、Playストアに公開されているホームアプリの中には、iOSそっくりにカスタマイズするようなものも存在する。アイコンなどもうりふたつになるうえに、iOS風のウィジェットが用意されていたり、アプリのアイコンが左上から自動整列になったりと、使用感まで似ている。Androidらしさがなくなってしまい、実用性には疑問符もつくが、それだけ大胆にユーザーインターフェイスを変えられるということだ。
また、ホームアプリの中には、標準のアプリより、カスタマイズの項目が多彩なものもある。古くからのユーザーに定評があるのは、「Nova Launcher」というアプリ。このアプリは、アイコンの大きさを1%刻みで変更できたり、アプリが立ち上がる際のアニメーションの仕方を細かく設定できたり、ゼスチャーで特定の機能やアプリを呼び出せるようにできたりと、とにかく設定項目が多い。他人とのかぶりが嫌という人には、お勧めできるアプリと言える。
マイクロソフトもホームアプリを公開
実はあのマイクロソフトも、Android向けにホームアプリを公開しており、Playストアからダウンロードできる。こちらのホームアプリも、カスタマイズできる項目が多い。
Nova Launcherの設定画面。標準のホームアプリより、アイコンの設定の自由度が高い(筆者撮影)
例えば、画面下のアプリを格納するドックを2行なり3行なりにして、すぐにアプリを呼び出せるようにできたり、ゼスチャー操作に対応していたりと、標準のホームアプリにはない機能が多い。マイクロソフトのアカウントと連携している点も、Windowsユーザーには使い勝手がいい。
ほかにも、ホーム画面を横ではなく縦にスクロールさせるホームアプリや、機能を絞り込むシニア向けのホームアプリなど、Playストアにはさまざまなホームアプリが用意されている。こうしたアプリをダウンロードして、設定を済ませたら、デフォルトのホームアプリを変更する必要がある。Pixel 5aの場合は、「設定」の「アプリ」で「デフォルトアプリ」を開き、「ホームアプリ」で設定したいホームアプリを選択する。自分ならではのカスタマイズをしたい人は、この方法を試してみてもいいだろう。
【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します
提供元:Androidスマホで「自分だけのホーム画面」を作る|東洋経済オンライン