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2022.07.05

手放せない思い出の品も…後悔せず片づけるコツ|大事な形見や卒業アルバムもこれでスッキリ


大事な思い出の品を、気持ちよく片付けられる方法をお伝えします(写真:amadank/PIXTA)

大事な思い出の品を、気持ちよく片付けられる方法をお伝えします(写真:amadank/PIXTA)

ついついあと回しにしてしまいがちな「片づけ」。親の遺品整理をきっかけに、自分の持ち物を見つめ、「捨てたくない!」という心の葛藤に打ち勝つ、新しい方法を生み出した女性がいます。「思い出編集室」代表の小野めぐみ、59歳です。

その体験と、捨てる決意の極意を、新刊『50代から味わえる!最高のご褒美「人生で一番素敵な片づけ」』にまとめて出版しました。多くの人が手放せない「思い出の物」問題を解決できる、令和の新時代にマッチした方法を提唱します(3回にわたって掲載。今回は1回目です)。

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「物を減らして、片づけたい!」というのは、日本人の共通願望といっても過言ではないのが、令和の時代。スッキリした部屋で暮らしたら、どんなに快適だろう……と意気込んでトライするものの、一向に物が減らない人ばかりです。

ですが、半世紀以上の年齢を重ねた人たちを、なんで片づけられないの? なんで物を減らさないの? と、「責めないでいただきたい」というのが、今年還暦になる私の見解です。

人生が長いほど増える思い出の品

手放せない物の多くは「思い出の物」。

人生が長くなるほど、思い出の詰まった物は増えていきますよね?
泣いたり笑ったりしながら、人生を彩ってきた「思い出の物」を手放せないのは、人間ならば、当然の心情だからです。

一方で、将来を見据え、しっかり向き合って、自分の大量の持ち物をどうするか、解決していくべき年代でもあります。

「本気で片づけなきゃヤバい!」。私が、そんな心境になったのは、同世代の友人たちが、立て続けに病気で先に旅立ってしまったときのこと。人間、いつどうなるのか、誰にもわからない、と痛感したからです。そして、「将来は、誰にも迷惑かけたくない」といつも口にしているのに、この大量の持ち物をこのままそっくり残したら、どうなる? 大迷惑なのでは? と初めて想像しました。

残された人にとって、大量の物の片づけは、労力もかかり心の負担にもなります。しかも、今は、日本史上始まって以来、個人の所有物が多い時代です。

さて、いざ、片づけに着手してみると、最難関は「思い出の物」であることが判明しました。そして考えさせられることばかりでした。

例えば、「形見」。

明治生まれの祖父が残した置き物は、見れば、私を可愛がってくれた祖父の優しい気持ちが甦ってきて、「だから、捨てない」という気持ちになります。長年捨てられずにしまっていた物も、手に取れば、「大切だから捨てない」「思い出だから捨てない」の連続で、気がつけば、手放す決断がついた物は、結局、小さなごみ袋1袋分。

「こんなに強く決意して時間もかけたのに、私、いったい何をやってるの!?」と我に返り、「なぜ、捨ててはいけない」と思ってしまうのか、その理由をじっくり考えてみました。

「形見」ってなんだろう?

大切な大切な「形見」。なのに、飾ってもなければ、見てもいない。
それって大切にしていることになるの……?

「形見」とは、古来、人が旅立ったあと、親しい人たちがそれを見ることで故人の面影を偲び、想いを馳せ、心の拠りどころにしていた故人の遺品です。故人の面影……? それならば、現代は写真を見ればいつでも故人を思い出せます。今も続いている「形見」という概念は、写真という技術のない時代の名残りではないかと思ったのです。

もちろん、実際に使ったり、見たりしているのならば、心の拠り所になっている証拠なので、本当の意味の形見ですから、そのまま大切にしたほうがいいでしょう。また、代々続く名家の歴史的な物は、使っていなくても大切に次の世代に受け継いでいったほうがいいと思います。

でも、「これは先祖の形見だからね」と親から託されたから持っているだけ、というような形見は、見直していくのが令和の時代ではないでしょうか。見もしないものを持っているより、普段から仏壇やお墓にしっかりと手を合わせるほうがご先祖様も喜ぶと思うのです。

また、「自分が旅立ったあとは、それぞれが欲しいものを形見に持っていってもらうから、私は片づけません!」という声もよく耳にします。

でも、価値観が大きく違う次の世代が、喜んでもらってくれる物は、はたしてどれだけあるのでしょうか? ひと昔前のように物が不足していて、なんでもありがたくもらっていた時代と違い、自分の好みやセンスを重要視するのが、次世代の人々の傾向です。しかも、安価に物が手に入りやすい時代です。

いくら高価なアクセサリーを遺したとしても、好みに合わなければ、身に付けてはくれないでしょう。たとえ、「いらなければ捨てていい」と言い残したとしても、渡された側は、手放す際に心が痛むでしょう。

物を残される側がどう感じるか、立場を変えてしっかりと考えていくと、見えてくることがあります。

捨てられない物ナンバーワン、――それは「卒業アルバム」です。

私たち日本人は、思い出は大切に、と子どものころから言われ続けてきましたから、思い出の品の代表のともいえる卒業アルバムは、「持っているべき」と思い込んで、ずっと手元に置いてある人が大半だと思います。

たしかに思い出は大切です。でも、卒業してから、今日までに何回見ましたか? 私も長いこと持っていましたが、ほとんど見返したことはありませんでした。それって、本当の意味で大切にしていることになりませんよね?

そう考えていくと、常識や思い込みにしばられ、手放せずにいる物が実に多いのです。そして、この既存の概念や常識を見直さなければ、物は一向に減らすことができないのです。

「捨てられない!」を解決する方法

生きている以上、これからも物を買うでしょうから、物はまだまだ増えるはずです。でも、大量の物に囲まれた生活は、年齢を重ねるほど、負担になっていきます。掃除がしにくい、物を探しにくい、物につまずいて転びやすい……ですから、やはり物は減らしていくに限ります。

しかし、人間って、そんなに単純な生き物ではありません。片づけなきゃと頭では理解していても、大切と思っていた物をスパッと手放すのはとても難しい。

どうしたら、この迷いを断ち切れるのか? 

「手放せない」という心情の奥にあるのは、思い出までもが失われてしまうような不安、また見たくなったらどうしよう、という不安です。物がなければ忘れてしまうかも――そう思ったら、手放す勇気はなかなか持てません。

相当に心の葛藤がありました。そして悩んだ末についに思いついたのが、「捨てる? 捨てない?」の2択ではない、第3の方法、それが「思い出コンパクト術」です。それは、思い出の品をコンパクトな形に作り変えて、それだけを残し、かさばる大量の現物は手放すというアイデアです。

形はちがっても「目に見える」ものを残せば、不安は解消します。いつでも目にできる小さな形にしておけば、ずっと思い出とともに暮らしていけますから、かさばる現物を手放す決心は、不思議なほどスッとつくようになります。

例えば、形見の品だったら、写真を撮って、その写真だけを手元に残す、といったアイデアです。今はもう使っていない思い出の木製の家具なら、小物入れにリメイクする、お気に入りだったドレスの生地をポーチにリメイクするなど、普段使いできる小さな物に生まれ変わらせることもお勧めです。

そして私はこの方法で、一部屋、丸々埋め尽くしていた多くの物を手放せたのです。

押し入れからあふれるほど大量にあった雑貨のコレクションは、一品ずつ写真に撮って1冊のコレクション集にし、何十冊もあった家族のアルバムも、たった1冊のダイジェスト版にしました。本2冊分に、一部屋分の思い出が集約されたのです!

片づけは今日、明日、すぐにやらなくても困らないだけに、つい1日延ばしにしてしまうもの。でも、ホントは片づけたほうがいいのに……と心に引っかかっている状況は、あの「懐かしい何か」と似ていませんか?

そう、片づけは“夏休みの宿題”と同じなのです。

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早めに宿題を終わらせれば、残りの夏休みを心おきなく満喫できるように、片づけも、早くから手をつけておくに、越したことはないのです。

夏休みにたとえると、50代はまだ7月。ですが、計画は立てて手をつけはじめたほうがいい時期です。60代は8月初旬、70代は8月中旬、80代は8月下旬のようなもの。年齢的に体力が落ちる8月下旬で片づけるのは容易ではありませんよね。

さあ、一度、自分の持ち物を見直してみませんか? 迷っても大丈夫。思い出コンパクト術を使えば、挫折せずにやり遂げられます。

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自律神経を乱す、「考え方の悪いクセ」の正体

孤独死した30代女性の部屋に見た痛ましい現実

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提供元:手放せない思い出の品も…後悔せず片づけるコツ|東洋経済オンライン

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