2022.02.09
堀江貴文「ストレスを寄せ付けない」2つのルール|「ストレスを感じやすく心配性」だからこそ・・・
(写真:徳間書店提供)
成功を勝ち取るのに、特別な能力はいらない。ポイントは「手持ちの能力」の最大化だーー。
堀江貴文氏の新著『最大化の超習慣 「堀江式」完全無欠の仕事術』から一部を抜粋編集し、ホリエモンの働き方ルーティンを紹介します。
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些細なウソが、心をとことん蝕む
「ビッグ・ファイブ理論」と呼ばれる、人間のパーソナリティの分類法がある。ひとの性格は、ビッグ・ファイブ、つまり大別された5つの共通因子から構成されていて、その構成比率によって各自の性格は特性づけられる、という理論だ。
その5つの共通因子とは「外向性」「開放性」「協調性」「誠実性」「神経症的傾向」である。
「外向性」とは、要するに社交性を示す因子だ。「開放性」とは、探求心や行動力を示す因子。「協調性」「誠実性」はそれぞれ字義どおり、協調性を示す因子、誠実性(責任感、勤勉)を示す因子である。
そして「神経症的傾向」は端的に言えば、ストレス耐性を示す因子のことだ。これら5つの因子構成において、「神経症的傾向」の割合が高いひとは、ストレス耐性が脆弱である。ちょっとしたことで悩み、迷い、不安に苛まれる傾向にある。
このビッグ・ファイブ理論は、現代心理学でもっとも信憑性が高い性格研究として位置づけられている。たとえば企業が人材採用試験で実施する性格適性検査の多くも、このビッグ・ファイブ理論をベースに設計されている。
以前、脳科学者の茂木健一郎さんに指摘されたのだが、ぼくはこの5因子のうち、神経症的傾向の占める割合が高いらしい。
思い当たる節はなくはない。というか、その自覚はじゅうぶんある。ぼくはどちらかといえば、ほかのひとに比べるとストレスを感じやすいタイプだ。そして過敏だ。いちどなにか不安になったらなかなかその不安を払拭できない。基本的に心配性なのである。
ホリエモンが心配性だって? あなたは笑うかもしれない。でもほんとうなのだ。とくに学生時代までのぼくは、そうした傾向が強かった。些細なことでくよくよ悩んだものだった。
小学生のころ、友だちのまえでちょっとした失態(悪事ではない)を演じたことがある。それはいまにして思えばどうってことのない出来事だったのだが、ぼくはそれから6~7年間、そのことをトラウマとして引き摺った。
長じたいまになっても、そうした根っこの部分は変わっていない。ぼくはストレスが人一倍苦手だし、油断すると些細なことが不安の種になる。自分自身のパーソナリティをそうとらえているからこそ、ぼくはストレスや不安を寄せつけないためのメソッドを、決め事をつくっている。
決めごとは2つ
その決め事は、大まかに言って2つある。ひとつは、ウソをつかない、ということ。ウソといっても、約束を破ったり、だれかを陥れたりといったことではない。それはウソを越えて、ルール違反だ。そもそもあってはならない。
そうではなく、ぼくがここで言いたいのは、日常の些細なウソである。一緒に過ごしていてじつは退屈なのに、楽しそうに振る舞う。さして美味しくない料理を、さも美味しそうに食べてみせる。べつに感謝していないのに、ありがとうと頭を下げる。つまり、おべんちゃらだ。
それは些細なウソだが、些細であるがゆえ余計に苦痛をともなう。なにも得をしないからだ。それでいていちいち調子を狂わされるのだから百害あって一利なしである。いったんウソをつけばまたウソを上塗りしなければならない。そうやって際限なく神経をすり減らしていく。自分が失われていく。堪えがたい。
これがたとえば、仕事で大きな契約を成立させるための方便として用いるのなら別だ。相手も気分が良くなって、自分も気分がいい。ウィンウィンである。
気まずくなりたくない。あなたはそれだけの理由でしょうもないウソをついていないだろうか。そうやってウソをついた挙げ句、もしつれない態度を取られるとどうなるか。こっちはあんなに尽くしたのに……と不毛な逆恨みで心を乱すのだ。
たかがウソ、されどウソだ。ウソはあなたを蝕む。
POINT 気軽にお世辞を振りまいていないか?
ストレスフリーでいるためのもうひとつの決め事は、1日のスケジュールをぜんぶ埋めてしまう、ということ。仕事と遊びでぜんぶ埋めてしまうのだ。
ここのところ、ビジネスパーソンのあいだでメディテーションなるものが流行っている。メディテーションとはつまり瞑想のことだ。
だれにも邪魔されない静かな場所で背筋をまっすぐ伸ばして座る。目をつむり、ほかになにもせず、心を鎮める。これを1回5分~10分、週に数回やれば、思考や感情が日常的に整理されるそうだ。そうすることで仕事の集中力が増し、記憶力も強化されるという触れ込みである。
スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツなども、このメディテーションの愛好者として知られている。
でもぼくは絶対やらない。どんなメリットがあろうがやらない。ぼくにとってメディテーションは逆効果だ。
瞑想して心を鎮める。心に空白をつくる。ぼくには無理である。空白をつくったそばから、余計なことをとりとめもなく考えてしまうだろう。そうやって考え込み、いろんな不安に苛まれるはめになる。間違いなくそうなる。ぼくの心は鎮まるどころか、強烈なストレスにさらされるのが目に見えている。
ぼくの場合、思考整理なら、だれかとおしゃべりしたほうがずっと効果的だ。おしゃべりとは思考を言語化する作業である。その言語化を通して頭はクリアになる。おもしろいアイデアもひらめく。
暇な状態が心に隙を作る
ぼくに言わせれば、ストレスとは心の隙に忍び込んで来るものだ。でもそれはだれだっておなじだと思う。
ためしに、いまちょっとだけ心のなかを探ってみてほしい。あなたがいま憂鬱に思っていることはなんだろうか?
このまえしでかした仕事のミスを引き摺っている。ふとしたきっかけで友だちと口論になってしまったことを悔やんでいる。もしくは来週の企画会議までに提出しなければならない資料づくりに苦戦している。なんでもいいが、とにかく思い当たるものがあると思う。なにもないひとなんていないだろう。
で、なぜそれに思い当たったのかといえば、いま心に隙をつくったからだ。
思い当たったいま、まさにいまのいま、あなたはこの本からしばし目を上げただけだ。つまり、なにもしていない状態である。なにもしていない、暇な状態が心に隙をつくる。
ストレスの多くは「過去」か「未来」に由来している。いわば一種の錯覚のようなものだ。過ぎ去った出来事を悔やんでいる。あるいは、どうなるかわからない未来のことを勝手に心配している。それが大半のストレスの正体だ。そしてそれはあなたの心の隙を見つけてむくむく膨らむ。
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だからぼくは1日のスケジュールをぜんぶ埋める。自分の胸が躍る事柄でスケジュールを埋めつくす。そうしてつねになにかをやっていれば心に隙はできない。ストレスの入り込む余地がないのだ。
たまに急に予定が飛んで、ぽっかりまとまった時間が空くこともある。そういう場合は、その場で電子書籍を買って読書にいそしむか、自分ひとりでこなせる仕事を一気に進めてしまう。
あと夕食はまずひとりでは取らない。かならずだれかと一緒にテーブルを囲む。
「仕事で埋め尽くす」はNG
1日のスケジュールを埋めるといっても、ぜんぶ仕事で埋めるのはNGだ。遊びは必須である。遊びの効用は計り知れない。遊びはあなたに、新たな出会い、新たなアイデア、新たなビジネスチャンスをもたらす。
あなたにも密度の高い毎日を送ってほしい。あなたが自分のやりたいことに忠実であれば、いくら密度が高くても負担にはならないはずだ。むしろそこにはかぎりなくストレスフリーな日々が待っている。
POINT あなたは「不安」なのではなく、「暇」なのではないか?
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提供元:堀江貴文「ストレスを寄せ付けない」2つのルール|東洋経済オンライン