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2021.12.15

「気が弱くて失敗する人」が使いがちなNG言葉4つ|「緊張したらダメ」が余計に緊張を招くワケ


大事なプレゼンなどで緊張しすぎて力が出し切れない人が口にしがちな言葉とは(写真:Rawf8/iStock)

大事なプレゼンなどで緊張しすぎて力が出し切れない人が口にしがちな言葉とは(写真:Rawf8/iStock)

メンタルコーチングをした星稜高校野球部が甲子園決勝進出を果たし、女子スピードスケート髙木菜那選手は平昌五輪で2つの金メダル獲得するなど、メンタルコーチとしてビジネスとスポーツの両分野で実績を残してきた飯山晄朗氏。本稿では、『百年メンタル〜心の調子をキープする言葉の取扱説明書』の著者でもある同氏が「気が弱い」人に見られる口癖について解説します。

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言葉遣いを変えて感情をコントロールする

プレゼンや商談、面接などいわゆる「本番」の場面で、緊張してしまったり、動揺して頭が真っ白になってしまったりと、メンタルが原因で実力を出し切れないという人がいらっしゃるかと思います。

「大事な場面で弱気になってしまう」「勝負どころで緊張して失敗を重ねてしまう」。メンタルコーチングをしていると、このようなご相談を受けます。こうしたメンタルに関する不安・不調を脱するカギはまず、「自分の感情をコントロールする」術を知ることです。

私はメンタルコーチング歴15年、これまで2万人以上の方と向き合い、脳科学と心理学に基づいたトレーニングによって多くの方のメンタルを改善してきました。メンタルトレーニングというと、「心を強く」というイメージをお持ちかもしれませんが、少し違います。私が専門とするメンタルトレーニングにおいて、もっとも重要なものは「感情をコントロールすること」であり、「心の安定」を最優先に目指すイメージです。

なんらかの状況において、必要以上にプレッシャーを感じるなど、感情がよくない方向に動いたときに、その感情をきちんとコントロールしてよい方向に導くことです。結果を左右するのは、感情をコントロールする方法を知っているかどうか。そして、そのうえでトレーニングを積んで実際に感情をコントロールできるかどうか。それだけのことです。

それは誰もができることであり、そうできている人について、周囲の人が「あの人は心が強い」「メンタルが強い」というふうに表現しているに過ぎません。

メンタルトレーニングで大事なことは、「心がよくない方向に動いたとき(動きそうなとき)の対処」です。では、そこへの適切なアプローチは何なのか。私が長年のメンタルコーチングを通して確信している答えは、「言葉遣い」を変えれば、着実に好転していくということです。 例えば、本番の場面で「失敗してはいけない」「緊張してはいけない」と思うこともあるかもしれません。これは、実は逆に失敗を招いてしまうマイナス言葉なのです。

どのように改善していけばいいのか。この記事では、「マイナスの言葉」からメンタルを安定に導く「プラス言葉」への言い換えをご紹介しています。よくやりがちな4つシチュエーションを例にして、やりがちな口癖とその対処法をお教えいたします。何をやっても続かない、やる気がすぐなくなる方は、ぜひ普段から参考にしてみてください。

脳は否定系のイメージを作れない

(1) 「〜してはいけない」

気をつけなければいけない語尾は、「〜してはいけない」です。例えば、仕事の大切な場面で「ここは失敗してはいけない」と思っていると、結果的に失敗を招くことがあります。なぜなら、脳は否定形のイメージを作ることができないからです。ですから「○○してはいけない」と言うと逆に○○の部分をイメージしてしまうのです。

「緊張してはいけない」と言うと「緊張」がイメージされます。「お菓子を食べてはいけない」と言うと「お菓子」がイメージされます。脳はイメージしていることを実現しようとしますから、どんどんイメージに向かってしまうのです。ですから、使う言葉を変えるようにしましょう。

「緊張してはいけない」を「リラックスしている」。
「お菓子を食べてはいけない」を「野菜(ヘルシーなもの)を食べる」。
といった感じですね。このように言い換えていくと、プラスの行動につながっていきます。

(2) 「いつも前向きにいよう」

前向きに物事を考えるのはいいことですね。しかし、うまくいくことだけを考えていると、その通りになればいいのですが、うまくいかないときにメンタルが落ちます。その時にやっぱりダメだなと諦めたり、途端にマイナス思考になってしまうのです。

私はそんな人を「プラス思考勘違い人間」と呼んでいます。前向きな行動はいいのですが、ピンチや都合の悪い状況になるとネガティブになりマイナス思考になります。端から見ていると気分の浮き沈みの激しい人と映ることもありますね。

真のプラス思考はどんな人かというと、起こりうるピンチを想定した上で、ピンチの時に、どう対処するか事前に考えている。そして実際のピンチの場面でもやるべきことをしっかりできる人のことです。

ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が大活躍していますね。彼が1年目の初先発のとき、もう少しで完全試合というところまで行きました。結果的にヒットを打たれましたが、その後は落ち着いた投球を見せて勝ち投手になっています。

インタビューでは記者から「完全試合を意識したか」と聞かれました。彼はそのとき「ヒットを打たれることを想定して投げていた」と返答したのです。ヒットを打たれても、落ち着いて対処できたのは、ヒットを打たれた後にどうやって気持ちを切り替えるかを決めてあったからなのです。

ゲン担ぎに振り回される可能性も

(3) 「ゲン担ぎを取り入れよう」

ゲン担ぎをしているという方もいらっしゃるかと思います。しかし、これには注意が必要です。ゲン担ぎは、結果に左右される場合があるからです。ゲン担ぎは「これでダメなら、次はこれで」という感覚です。

野球選手の場合は、左足からバッターボックスに入るなどしてゲンを担ぐことがありますが、ヒットの出ない日が続くと、次は右足から入ろうとしますね。結局、結果に一喜一憂して、振り回されてしまっている状態です。

一方、ルーティーンは決まった動作手順を行うことによって「心を整える目的」で行います。脳は入力よりも出力を信用します。この脳の法則を利用して、動作から心を整えるのです。

野球選手ならバッターボックスでそれぞれ自分の動作を使って、気持ちを作る選手が多いです。私自身も講演前には、まず目を閉じてゆっくり深呼吸して、小さく両手でガッツポーズをして心を整えています。結果のことは気にせず、心を整える作業としてルーティーンを取り入れてみてください。

(4) 「肩の力を抜こう」

体が硬く感じるな、余計なところに力が入っているなというとき。「肩の力を抜こう」などと無理やり力みを取ろうとしても、あまり効果はありません。私たちの身体は、環境の変化によって自然と入ってしまった力を抜くことは難しいからです。

ですが、自分で意識的に入ってしまった力であれば、簡単に抜くことができます。その方法は、一度あえて自分で力を入れて、自分で一気に脱力することです。力んでいると思ったら、肩をすぼめて1秒ほど力を入れてください、そして一気に脱力してみてください。これは簡単にできる「筋弛緩法」でもあります。

大事な仕事や試合で、力が入り過ぎて身体が硬くなってしまうことがありますが、ちょっと力が入っているなあと思った時に実践してみてください。勝負の場にリラックスして挑めるようになるはずです。

以上シンプルではありますが、厳選してご紹介させていただきました。

大事なのは「引きずらない」こと

目指すのは「セルフメンタルコントロール」です。やる気がずっと続く人はなかなかいません。誰でもやる気や気分が落ちてメンタルが下がってくることはあると思います。そこで大事なのは、引きずらないことです。下がった気持ちをリセットして、前を向いて歩んでいけるかどうかです。

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スポーツの世界でも、会社の世界でも同じくらいの能力なのに結果が変わってくることがよくあります。それは、「メンタルのムラ」が大きな原因です。

東京2020オリンピックでも、それが顕著に現れました。誰もが金メダルを疑わなかった選手が、大きなプレッシャーや義務感を感じてミスを連発し、メダルを逃す。その一方で、 周りの影響を受けずに、普段通りにプレーできた人や涼しい顔や笑顔で挑んだ人が予想外のメダルを獲得する。そんな瞬間が多数見受けられました。

オリンピックに限らず、明らかに10年ほど前とは心のあり方が変わってきたように思います。これまでの「努力」「反省」が優先される文化から、「自分なりに」「楽しく」という方向にシフトしてきたように感じています。それこそ、この時代に必要な精神だと感じています。

1人でも多くの方が、普段の言葉遣いを変えて心の調子をキープし、気楽に日々の生活を送ることができれば、これほどうれしいことはありません。

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提供元:「気が弱くて失敗する人」が使いがちなNG言葉4つ|東洋経済オンライン

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