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2021.10.29

自販機や通販も…「駅弁」生き残りへあの手この手|お取り寄せ、冷凍弁当、新たな手法が続々登場


富山インター店前に設置された「ますのすし」「ぶりのすし」自販機(筆者撮影)

富山インター店前に設置された「ますのすし」「ぶりのすし」自販機(筆者撮影)

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駅弁マークを掲げる「日本鉄道構内営業中央会」会員の駅弁業者は、国鉄分割民営化の1987年当時は349社あったが、現在では86社とその数は減る一方だ。

観光客の来ない観光地で、また、ツアーなど大手の発注がなくなった駅弁が、今まで通りのスタイルで売れるはずもない。そこで、「来ないならこちらから行けばよい」という発想で、最近では駅弁のお取り寄せができる駅弁業者が増えている。

大人気の弁当は「お取り寄せ」で確実に

たとえば三重県松阪駅にある創業明治28年(1895年)の「あら竹」。個人的に大好きな「モー太郎弁当」はメディアでも多く紹介され、すっかり人気だが、他の駅弁もお取り寄せ可能だ。こちらはいつも伊勢参りに行くたびに購入していたが、お取り寄せは家に居ながらにして食べられる喜びがある。

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新潟県新津駅前にある明治30年(1897年)創業「神尾弁当」の「えんがわ押し寿司」もおすすめだ。好きすぎて、今まで何度食べたかわからない。現地に行って、さらに予約しないと買うことができない、これも絶品の「数の子ずし」なども、お取り寄せすれば向こうから来てくれるのだ。これを使わない手はない。

もちろん他にもお取り寄せできる駅弁は全国に数多くある。今まで取り寄せ不可だった駅弁で、現在可能になっているものも多い。食べてみたい地方の駅弁業者のホームページをチェックしてみるとよいだろう。

一歩進んで駅弁を自宅で作ってもらおうという調製元もある。伊豆の修善寺駅にある「舞寿し」は「あじ寿司」が有名だが、これを家で簡単に作れるセットとして販売している。

米は自分で炊くのだが、あじの切り身はすでに味付けしてあり、ご飯にのせるだけ。わさびは生わさびが1本付いてくるので、食べる直前にすって香りも楽しめる。駅弁として売られるときの箱も付いてくるから、盛り付けるとまさに駅弁そのものができあがる。これは楽しい。

通常のお取り寄せ駅弁は、到着したその日中の賞味期限のものがほとんど。それを見事にクリアしたのが、「冷凍駅弁」だ。北海道・長万部「かなやのかにめし」で有名な「かにめし本舗かなや」は冷凍駅弁の第一人者と言えるだろう。

かなやの担当者から話を聞いた。「かにめしを家で食べたいとの遠方からのお客様の声が多く届き、1年間ほど冷凍や真空パックの技術を研究し、2009年から通信販売を始めました。現在もすべて自社工場で製造しています」。

私も実際に冷凍かにめしを食べたことがあるが、レンジで手軽に温めるだけで、あのホワホワのカニとシャキシャキのたけのこの食感がよみがえり、現地で食べる駅弁に勝るとも劣らないおいしさである。

「冷凍かにめしの需要は2009年には年間1万6000食でしたが、ここ4年でずいぶん伸びて、今年は現時点で6万2000食、年間で7万食に到達する勢いです」。

冷凍駅弁へのニーズが増え、他の駅弁業者も続々と取り組み始めている。今ある駅弁をただ冷凍すればよい、というものではなく、冷凍として販売するにはさまざまな試行錯誤があることを知っておきたい。

「シウマイ弁当」の大進化

冷凍駅弁といえば「シウマイ弁当」でおなじみ「崎陽軒」もすごい。「おうちで駅弁シリーズ」と称して、昨年から自社の「チャーハン弁当」「ピラフ弁当」などの冷凍駅弁の通信販売を始めた。これらもいつも食べている味そのまま、むしろできたてが味わえるありがたみを感じる。

つい先日は「おうちでジャンボシウマイmini」という冷凍商品を取り寄せた。ジャンボシウマイとは結婚式などでケーキの代わりに大きなシウマイをカットするという変わり種で、切ると中から「昔ながらのシウマイ」がたくさん出てくる、見た目にも楽しいシウマイだ。

そのジャンボシウマイの小型版として、この商品を今年7月に発売開始したところ大人気。私も発売初日にサイトにアクセスしたが、サーバーが落ちていた。ようやく買い求め、先日1人で食したが、1人ではなかなか胃に余った。そういえば、いつか結婚式を挙げることができたらジャンボシウマイカットをしようと思い描いていたのに、うっかり1人で実現させてしまった。

そして今、私が注目しているのが「自動販売機」だ。

もともとレトロ自販機が好きで、自動販売機で売られているものに惹きつけられがちではあったが、なんとつい先日、富山の「ますのすし」で有名な「源」が、自販機で駅弁を売り始めたというから聞き捨てならない。

自販機を「ますのすし」に合うように半年ほどかけて改造し、自社の富山インター店前に設置している。営業時間内は販売スタッフから買うことができるが、早朝や夜間など、24時間いつでもほしいときに自販機で「ますのすし」を買うことが可能となった。いずれ他インター店前にも導入予定とのことである。

先に書いた「かなやのかにめし」も実はすでに6年ほど前から津軽海峡フェリー内の自販機で冷凍かにめしを販売している。しかも、そばに設置されている電子レンジで温めて、その場で食べることができるという。つまり人員不足などの理由で軽食コーナーがなくなった代わりに、船内で食事ができるよう自販機が活躍しているのだ。「今年からシルバーフェリーの苫小牧―八戸航路の自販機にも同様に入荷されました」(かなやのかにめし担当者)。

駅弁が鉄道車内で復活する?

コロナ禍で、人との対面を避けられる自販機での販売は時代に合ったニーズと言える。また、鉄道でなくフェリーで、そして高速道路で駅弁が販売されているというのも興味深い。

かつて2階建て新幹線「MAX(マックス)」には駅弁の自販機があった。これは階段で車内販売が困難なために設置されたもので、活躍する期間はそう長くはなかったようだ。自販機、そしてマックスと、時代が逆行しているようにも思えるが、車内販売もなくなった今、もしかしたらこのご時世と相性のいい自販機が、鉄道車両内でお目見えする将来があるかもしれない。希望を持って待ちたいところだ。

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提供元:自販機や通販も…「駅弁」生き残りへあの手この手|東洋経済オンライン

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