2021.09.10
元ホステスの占い師が見た「転落する人の共通点」|夜の銀座で見たトラブルに巻き込まれやすい人
銀座の人気ホステスだった占い師の藤島佑雪さんが、銀座で見た「転落していく人」に共通していたこととは(写真:recep-bg/iStock)
「占い」を客観的な視点でさまざまな角度から検証する本連載。今回は、銀座のホステスから占い師・開運アドバイザーに転身した藤島佑雪(ゆうせつ)さんに話を聞いた。ホステス時代からお客さま、同僚ホステス、ママの相談相手だったという藤島さん。夜の世界で悩む人たちの話を聞くうちに、開運の法則が見えてきたという。
「わけありの人」たちの相談に乗っていた
藤島さんは銀座の高級クラブの元ホステスだ。大学卒業後、会社勤めも経験したが、スカウトされてこの世界へ。キラキラした世界への憧れもあったという。
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「でも、この世界に入ってみると、働いている人の半分くらいはわけありの人。家族に借金があったり、パートナーの浮気や、暴力に悩んでいたり、健全なメンタルではない人も少なくありませんでした。この仕事を辞めたくても辞められない人が多い。ホステスとして働き始めてからすぐ、いろんな人から悩み相談を受けるようになりました。おそらく、この世界の中でとても“普通の人”だったからだと思います」
お客さんからは「隠し子を実子に会わせたいので付いてきてほしい」と頼まれたり、銀座の某有名ママからはお嬢さんの家庭教師も頼まれた。同僚ホステスからは「話を聞いてくれるだけでいい」と、さまざまな相談を受けるように。いつしか銀座の夜の「心の拠り所」となっていった。
「昼間のお仕事をされている方々には当たり前のことだと思いますが、わたくしは絶対に遅刻をしませんし、金銭トラブルもありませんでした。お客さんを横取りしたりもしない。でも夜の世界ではよくあること。クリーンなだけで『信頼できる人』になるんです」
銀座の高級クラブには成功者も多く訪れる。投資話も盛んにされていたようだが、怪しい話も多い。
「だます人より、だまされる人の方が目がおかしいんです。欲がそうさせるのでしょう。わたくしがさりげなく『あのお話は怪しいのでは』とささやいても『あの人は信頼できる人だから大丈夫』と聞く耳を持たない人も少なくありません。結局、1カ月後にお電話があって、やっぱりだまされたということもよくありました。まっとうなビジネスパーソンがほとんどですが、詐欺、横領なども驚くことではありません。
このようなことに巻き込まれる人、転落していく人には共通点があります。それは、マナーが悪い人。人に対して失礼な人。女性に対してひどいことをする人。稼げないホステスも同様。時間にもお金にもルーズで約束を守らない。運が悪いのではないのです。こういう人々を、たくさん見てきました」
こうして、藤島さんは運を開いていく法則を見出していった。
幸せになる道は想定外かもしれない
藤島さんのアドバイスは銀座界隈でも人気になっていく。あるとき、あるメディアから連載の依頼があった。現役銀座ホステスが発信するコラムは瞬く間に人気となり、本を出版するまでに。
「有名作家さんからも『連載いつも読んでいますよ』とお手紙をいただいたこともあり、反響の大きさに驚きました。ある時、ラジオでタロット占い師さんが話をしていたのですが、その言葉が心に沁み入ったのです。その方に学ぼうと講座を受け、同時に西洋占星術も勉強して、夜の世界は卒業して占い師になりました」
以来、さまざまなメディアでお悩み相談を続ける藤島さん。開運のためのメッセージは明快で、礼儀をわきまえ、自分に心地よく生きることが大切だという。
「占いは、大前提として人間が幸せになりたい、不幸から逃れたいという願いから生まれています。数千年という長きにわたり、人間が生きていく中で悩むことに対する知恵が蓄積されてきました。占い師は、その知恵を翻訳して届ける存在です。その言葉には、何かヒントがあると思っていただきたい。
人生は思い通りにならないことが多いのは当たり前なんです。それでも、よりよく生きるヒントは必ずある。タロットで、お客さまの望む答えが出ないこともよくありますが、別の選択肢で幸せになる道があるのですから、それを伝えていきたいと思っています」
現在は、各メディアでのお悩み相談に加え、個人鑑定は「ココナラ」で行っている。先日、占いカテゴリーで初めての「プロ認定」も受けた。
ココナラは個人のスキルを売買するマッチングサイトで、プロ認定とはユーザー(購入者側)が安心して利用できるように品質を保証するものだ。ココナラのCEO室のキュレーションチーム、近藤咲菜氏によると、占いはオンラインと好相性である一方、企業としてはかなり丁寧なルール作りを求められるという。
ココナラでの藤島さんのトップページ画面
「サービスは制作系と相談系に分かれており、占いコンテンツは相談系になります。2020年8月期の流通高は全体の約30%と、特定カテゴリーのシェアとしては高いと言えます。占いとオンラインは非常に相性がいいコンテンツではありますが、企業としては占いを扱うことでさまざまな制約がある。そこで法律事務所にも入っていただき、相当な工数を割いて細かいレギュレーションを作ってきました。それでも占いを扱うのは、私たちの背中を押してくれるサービスを応援したいという気持ちがあるからです」
「コーチング」のように利用するのもアリ
8月末執筆時でココナラの占いサービス出品数は51万6224件。プラットフォーマーとして占いの「品質管理」にも取り組んでいる。
「目視だけではなく、テクニカルの面でもエンジニアのリソースを割き、コンプライアンスを遵守する体制を構築し、トラブル防止に努めています」(近藤さん)
自身も自社のいくつかの占いサービスを購入してみたという近藤さん。
「今後のビジネス運などを何人かの占い師の方に聞いてみると、それぞれ答えが異なったりするのですが、裏付けを聞くと納得できる。コミュニケーションの方法も勉強になるし、自分はどのような言葉で励まされるのか、喜びポイントを知ることができたのは価値ある経験でした。コーチングのように利用するのもアリだと感じます」
占いは全知全能の神ではなく、人生の道しるべだと話していた藤島さん。背中を押してほしいことがあったら、相談してみるのもいいかもしれない。
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提供元:元ホステスの占い師が見た「転落する人の共通点」|東洋経済オンライン