2021.09.10
iPhone機種変の前にやりたい「バックアップ術|「有料iCloud」不要で写真を無制限に保存する
すぐにいっぱいになってしまうiCloudを使わないバックアップ術をご紹介します(筆者撮影)
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例年どおりのスケジュールであれば、9月中旬から下旬に新しいiPhoneが発表、発売になる。新しいiPhoneにまつわるウワサやリーク、予想といった各種事前情報も徐々に増えているため、発売は近いと見てよさそうだ。新機種の登場を機に、何年か使って古くなってしまったiPhoneの買い替えを検討している人もいるはずだ。昨年のiPhone 12シリーズを見送った人にとっては、次のiPhoneが初の5G対応になる。買い替えるメリットは小さくないと言えるだろう。
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そのための準備として、あらかじめやっておきたいのがバックアップだ。と言っても、iPhoneにはiCloudというクラウドサービスがセットになっているため、設定さえ済ませておけば、特に何も考える必要なく自動的にバックアップが取られる。新しいiPhoneを購入したら、手順に従ってセットアップしていくだけで、すぐに前の状態が復元される。一方でiCloudは無料で使えるストレージの容量が5GBと小さく、写真や動画などが多いと、すぐにいっぱいになってしまいバックアップを取り切ることができない。
iCloudを有料プランにアップグレードするのも手だが、毎月の料金がかかるのは難点。容量は50GB、200GB、2TBの3種類だが、最上位の2TBを契約すると月に1300円もの料金がかかってしまう。無料で済ませたい人は、別の手を検討してもいいだろう。ここでは、そんな人のために、iCloudを使わないバックアップ術を紹介していく。機種変時に注意したいLINEのバックアップも、あわせてやっておきたい。
パソコンを使って無料バックアップ
iCloudへのバックアップは充電中に自動で実行されるため、手軽な反面、無料だと容量がすぐになくなってしまうのが難点だ。iPhone自体のバックアップにはそれほど容量は必要ないが、写真や動画などのデータは、別途容量が必要になる。次期バージョンのiOS 15からは、iPhone移行時のみ3週間限定でiCloudの容量が自動で増え、すべての設定やデータをバックアップできるようになるが、現行のiOS 14ではこれが利用できない。また、移行時のみだと端末を紛失・故障した際のバックアップとしては不安があるため、別の方法も併用したほうがいいだろう。
そこでお勧めしたいのが、パソコンを使ったバックアップ。Windowsのパソコンでも、iTunesさえインストールしておけば、簡単にiPhoneのバックアップを取ることができる。
iCloudの容量が足りないときには、パソコンへのバックアップがお勧めだ(筆者撮影)
iCloudのバックアップとは異なり、複数のバックアップを取っておけるため、間違ってデータを消してしまった後に再びバックアップを取っても、安心してそれ以前のデータからiPhoneを復元できる。アプリ本体はバックアップを取れないが、こちらはiPhoneに直接App Storeから再インストールされるため安心だ。
iTunesでバックアップを取る方法は次のとおり。まずiTunesを起動したあと、パソコンとiPhoneをケーブルで接続する。次に、iTunesの画面上部にあるiPhoneをかたどったアイコンをクリック。「バックアップ」欄にあるバックアップ先を、「iCloud」から「このコンピュータ」に変更したあと、「今すぐバックアップ」をクリックしよう。
ただし、これだけだとiPhoneに登録したアカウントのパスワードや、ヘルスケアデータのバックアップが取れない。これらをバックアップに含めたいときには、「ローカルバックアップを暗号化」にチェックをつける必要がある。暗号化にあたっては、パスワードを設定する必要があるので、忘れないようにしておきたい。書き戻したいときには同じようにiPhoneをつなぎ、「バックアップを復元」をクリックする。パソコンのストレージに余裕があるなら、コストもかからず、安心できるバックアップ方法と言える。
写真を無制限に保存できる「Amazon Photos」
写真や動画は、iCloudの容量を消費する最大の要因と言っても過言ではないだろう。逆に言えば、このデータをほかのバックアップで補えれば、iCloudの容量を節約することができる。以前は容量無制限だったGoogleフォトへバックアップする手があったが、2021年5月末で、圧縮した写真や動画でも、容量がカウントされるようになってしまった。そのため、Google Oneに料金を支払っていない場合は、Googleフォトに保存できるのは15GBまで。しかもこの15GBはGmailやGoogleドライブと共用になる。
プライム会員なら写真を無制限で保存できるAmazon Photos(筆者撮影)
5GBのiCloudよりは無料でバックアップできる容量は大きいものの、写真の数が多いと、15GBは少々心もとない。そこでお勧めしたいのが、写真を無制限に保存できる「Amazon Photos」というサービスだ。
このサービスは、Amazonプライムの会員になっている場合、写真の容量が無制限になる。動画には5GBという制限があるため、別途パソコンなどに移しておく必要があるものの、写真であればサイズや容量を問わずにバックアップしておけるため、使い勝手がいい。
無制限という選択肢はiCloudにも、Googleフォトにもなく、写真の枚数が多い人にはお勧めだ。Amazonプライム自体は有料だが、年間プランなら料金は4900円で、1カ月あたり約408円で済む。ドコモのギガプラン(ギガライト、ギガホ)を契約している場合は、1年間この料金が無料になる。Amazon Photos以外にも、動画配信サービスの「Amazon Prime Video」を見ることができたり、Amazonの配送特典があったりと、多彩なサービスに対応しているため、こうしたサービスを利用するついでにAmazon Photosを使ってみてもいいだろう。
Amazon Photosでのバックアップは、iPhoneから直接行うのが手っ取り早い。アプリをインストール後、初回起動時にバックアップの方法を設定できる。ここでは、「自動保存」をオンにしておこう。データ容量が無制限のプランを契約している場合は、バックアップにモバイルデータ通信を使用する項目をオンにしておいてもいい。
LINEのトークを「自動バックアップ」する
機種変更時にうっかり忘れてしまうのが、LINEのバックアップだ。LINEの友だちやプロフィール情報といったデータに関しては、IDとパスワードを次に使うiPhoneで入力するだけで引き継ぐことができるが、トークの中身に関しては別。先に紹介したパソコンを使った暗号化バックアップなら、トークの中身も移行できるが、バックアップを忘れてしまったり、急に端末が故障してしまったときのことも踏まえて、別の方法でバックアップを取るようにしておきたい。
LINEには、iCloud上にトークをバックアップする方法が用意されている。しかも、充電中でWi-Fiに接続している場合に、あらかじめ決めた頻度で自動的にバックアップを取ることができる。一度設定してしまえば、手動でバックアップをする手間が省けるため、忘れずに設定しておきたい。頻繁にバックアップを取るようにしておけば、万が一の紛失・故障で端末が手元にないときでも、すぐにトークの中身を書き戻すことができる。
LINEはトークのバックアップ設定を忘れずに。自動でバックアップを取るようにしておこう(筆者撮影)
設定方法は次のとおりだ。まず、LINEを開いて画面下の「ホーム」タブをタップする。次に画面右上の歯車マークのアイコンをタップ。設定メニューが表示されるため、「トーク」を選択したあと、「トークのバックアップ」をタップする。バックアップの設定は、ここで行う。すぐに現状のトークをバックアップしたいときには、「今すぐバックアップ」をタップしよう。保存先はiCloudになるため、一定程度の容量は残すようにしておきたい。
自動的にバックアップを取りたいときには、この画面で「バックアップ頻度」をタップして、「自動バックアップ」のオンにしておく必要がある。
自動バックアップの画面で「バックアップ頻度」を選ぶと、「毎日」「3日に1回」「1週間に1回」「2週間に1回」「1カ月に1回」を選択できる。万が一のときに、直近の状態に戻せることを重視するなら、「毎日」を選択するといいだろう。バックアップはWi-Fi接続時に行われるため、モバイル通信のデータ容量などを気にする必要はない。次期iPhoneの購入を控えた今こそ、バックアップの方法を見直す絶好のタイミングと言えるだろう。
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提供元:iPhone機種変の前にやりたい「バックアップ術」|東洋経済オンライン