2021.09.06
料理家も絶賛!「魔法の調味料」5つは便利すぎだ|日本人なら簡単「最高の時短ごはん」が作れる!
安部氏が開発した「魔法の調味料」の1つ「甘みそ」さえ用意すれば、15分で簡単に作れる「ザ・和風ハンバーグ」(撮影:佳川奈央)
この記事の画像を見る(7枚) ※外部サイトに遷移します
食品添加物の現状や食生活の危機を訴え、新聞、雑誌、テレビにも取り上げられるなど大きな反響を呼んだ『食品の裏側』を2005年に上梓した安部司氏。『食品の裏側』は70万部を突破する大ベストセラーとなり、中国、台湾、韓国でも翻訳出版され、いまもなおロングセラーになっている。
発売後、安部氏が全国の読者から受けた「何を食べればいいのか?」という質問に対する答えとして、このたび『世界一美味しい「プロの手抜き和食」安部ごはん ベスト102レシピ』を上梓した。
15年の間に書きためた膨大なレシピノートの中から、たった5つの「魔法の調味料」さえ用意すれば、誰でも自宅で、簡単に、時短で作れる「プロの手抜き和食」だけを厳選した1冊だ。
いまもなお「日本の食」が崩壊の一途をたどっていることに警鐘を鳴らす安部氏が、「料理家も絶賛する5つの『魔法の調味料』」について語る。
『世界一美味しい「プロの手抜き和食」安部ごはん ベスト102レシピ』 クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします
「簡単・便利・安価・安全」そして「おいしい」!
私は、2005年に私たちの日々食べる食品にどれだけの食品添加物が使われているか、そしてそれがいかに日本の食文化を侵食しているかについて訴えた『食品の裏側』を出版しました。70万部のベストセラーになるなど出版の反響は大きく、私は多くの講演会、食育セミナーに全国を飛び回ることとなりました。
『世界一美味しい「プロの手抜き和食」安部ごはん ベスト102レシピ』 クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします
そこで初めて気がついたのは、「家庭で『手間のかかる料理』が作られなくなっている」という事実でした。
子どもを持つ保護者の方々から、「何を食べればいいですか?」「自分はまだしも、子どもたちには何を食べさせればいいのですか?」という質問を受け、そのたびに「ごく普通の手作りの和食を食べさせてください」と答えていたのですが、それでは答えになっていなかったのです。それは私にとって、少なからずショックなことでした。
「簡単」で「便利」で「安価」、そのうえ「安全」などというのは、市場に出回っているものにはまずありません。「安いもの」には“理由”があり、「高いもの」にも“わけ”があるのです。
そこで、私は自ら、「簡単に和食を作るためのレシピ開発」に取り組みました。そこでたどり着いたのが、5つの「魔法の調味料」です。これさえあれば、「簡単」「便利」「安価」「安全」、そして何より、とびきり「おいしい」という最高の付加価値がついてきます。
安部氏が考案した5つの「魔法の調味料」。 左から順に、「みりん酒」「甘みそ」「たまねぎ酢」「甘酢」「かえし」(撮影:佳川奈央)
ここでは、簡単に和食が作れる5つの「魔法の調味料」を紹介します。
1つめの「魔法の調味料」は「かえし」です。
「和食作り」は「かえし」からはじめるのがおすすめ
【1】和の味付けのベース「かえし」
「かえし」は、しょうゆと砂糖を合わせて、砂糖が溶けたら完成です。「和の味付け」はこれがベースになります。これを常備しておけば時短にもなり、驚くほど簡単に和食の味が決まります。
「和食作り」は、まずは「かえし」からはじめてみるのをおすすめします。「かえし」を用意するだけでも、私が考案したレシピでは、「絶対失敗しない豚肉しょうが焼き」「絶対無敵の和牛丼」「爆速 肉じゃが」「ド定番のブリの照り」など、実に多くの料理が作れるからです。
安部氏が開発した「かえし」さえ用意すれば、10分で簡単に作れる「絶対失敗しない豚肉しょうが焼き」(撮影:佳川奈央)
保存期間は、常温で3カ月保存可能です。しょうゆに砂糖が溶けたらすぐに使用できますが、1週間ほど寝かせると、より熟成した味になります。
しょうゆを選ぶときは、原材料の表示に「アルコール」「調味料(アミノ酸等)」などが書かれていない「大豆、小麦、食塩」のみのシンプルな表示のものをおすすめします。
【2】上品な甘味と風味「みりん酒」
煮物などに「上品な甘味と風味」を加えたいときに使うのが「みりん酒(ざけ)」です。砂糖とは違う「発酵調味料」ならではのまろやかな味わいは、まさに「和食の醍醐味」です。これさえあれば、同じく「料理上手のだし巻き卵」や「マジで簡単すぎる本格西京焼き」など、とても簡単に、失敗することなく作れます。
安部氏が開発した「みりん酒」さえ用意すれば、10分で簡単に作れる「料理上手のだし巻き卵」(撮影:佳川奈央)
みりんとお酒を煮立てるだけですが、煮立てすぎてしまうと風味を損なってしまうので、煮立てすぎないのがポイントです。保存期間は、冷蔵庫で1カ月保存可能です。
みりんは、伝統的な製法のみりんがおすすめです。「みりん風調味料」「発酵調味料みりんタイプ」などもありますが、似て非なるものなので注意しましょう。
また、純米みりん、本みりんであってもメーカーによって原材料に違いがあります。原材料が「米焼酎、もち米、米麹」のシンプルなタイプが「伝統的本みりん」です。
お酒は、醸造アルコールを添加せず、「米、米麹、水」だけが原料の「純米酒」がおすすめです。米の旨味や深いコクをいちばん味わえるからです。
3つめの「魔法の調味料」は「甘酢」です。
「甘酢」はお酢を先に加熱するとやさしい味に
【3】大人も子どもも好きな味「甘酢」
「甘酢」を入れると、大人も子どもも大好きな「甘酸っぱい味」が料理に加わります。こってりした料理に少し加えるとさっぱり食べられるので、箸がどんどんすすみます。「味わいマイルド ソース焼きそば」など、子どもが好きな料理にも大活躍の調味料です。
安部氏が開発した「甘酢」さえ用意すれば、10分で簡単に作れる「味わいマイルド ソース焼きそば」(撮影:佳川奈央)
米酢と砂糖を加熱して作りますが、同時に加熱するのではなく、お酢を先に加熱して、お酢のツンとしたにおいを飛ばしてから砂糖を溶かし込むと、やさしい味に仕上がります。保存期間は、常温で3カ月保存可能です。
お酢は、安価な穀物酢は醸造アルコールが原料に添加されているものが多く、時間をかけて造ったお酢とは、風味がまったく違います。料理には、米酢などの「穀物酢」がよく使われます。ドレッシングなどに使う場合は、りんご酢などの「果実酢」が向いています。
【4】肉料理の隠し味にもなる「甘みそ」
「甘みそ」は、みそのこっくりした旨味と渋味が、料理に深みを出します。
そのまま使うのはもちろん、肉料理などの「隠し味」にも最適です。いろいろな料理に使える万能調味料です。「ザ・和風ハンバーグ」や「後口が上品! お好み麻婆豆腐」「黄金コンビのうまコク肉なす」などのほか、「かえし」と一緒に使えば「コクうま! みそ煮込みうどん」「うどんの香ばしじゃじゃ麺」などの麺類にも、ささっと使えて、コクが出ます。
安部氏が開発した「甘みそ」さえ用意すれば、10分で簡単に作れる「黄金コンビのうまコク肉なす」(撮影:佳川奈央)
材料は、みそと砂糖のほかに「かえし」や「みりん酒」も使用します。焦がさないように加熱するのですが、紹興酒を入れると風味がよくなり、より深い味わいになります。保存期間は、常温で3カ月保存可能です。
みそには「米みそ」「麦みそ」「豆みそ」などの種類があり、地域性が強い「発酵食品」です。また、「減塩みそ」というのもありますが、つい使う量が増えがちなので要注意です。添加物などが入っていない、原材料がシンプルなものを選びましょう。
最後の「魔法の調味料」は「たまねぎ酢」です。
【5】ドレッシングのアレンジ抜群「たまねぎ酢」
「たまねぎ酢」は、材料を合わせて、寝かせるだけで簡単にできます。
みじん切りにしたたまねぎを使うので変色しにくく、たまねぎの辛味も活きてきます。通常は上澄みを使いますが、料理の種類やお好みで、たまねぎのツブツブごと入れてもおいしいです。
たまねぎとりんご酢を合わせるだけですが、りんご酢を少し減らして、その分みりんを加えるとやさしい味わいになります。保存期間は、冷蔵庫で1カ月保存可能です。
安部氏が開発した「たまねぎ酢」さえ用意すれば、5分で簡単に作れる「お手軽イタリアンドレッシング」(撮影:佳川奈央)
「ドレッシング」なら、たまねぎのツブツブも利用すれば、和・洋・中なんでもOK。
「お手軽イタリアンドレッシング」なら、この「たまねぎ酢」だけで簡単に作れます。
「かえし」「甘みそ」なども組み合わせれば、いろんなドレッシングが簡単に作れて、アレンジが広がる万能調味料です。
「魔法の調味料」は「和食」を身近なものにしてくれる
「和食」ほど日本人の食や暮らしに添ったものはないと私は思います。毎日、ごはんとみそ汁と卵でも飽きることがありません。「飽きない=カラダに合っている」ということだと思います。
「和食=手間がかかる」ということはありません。板前さんが作る日本料理と家庭料理がメディアを通じ、ごちゃまぜになり、「和食」のハードルが上がってしまっているように思います。
5つの「魔法の調味料」は、料理の手間を省いてくれて、「和食」をずっと身近なものにしてくれます。5つとも5~10分程度で作ることができ、保存も可能です。
一般社団法人ホールフード協会代表理事で料理家のタカコ ナカムラ氏も「世の中には、他にも合わせ調味料、作りおき調味料は存在するが、もっと複雑で作るのが面倒なものが多い。たとえばポン酢でも、かつおと昆布で出汁を取り、お酢を足して、しょうゆ、砂糖、みりんを入れて追いかつお。賞味期間は1週間なんてものもある」「でも、この『魔法の調味料』は本当に簡単に、すぐ作れる。あれば便利で料理の幅も広がり、実際に使ってみて、本当に驚く」と絶賛してくれました。
ぜひ、みなさんも自宅で活用しつつ、日本が世界に誇る「和食」を、もっと「手軽に」「時短で」日々の食事に取り入れ、次の世代へつないでいただきたいと願っています。
【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します
提供元:料理家も絶賛!「魔法の調味料」5つは便利すぎだ|東洋経済オンライン