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2021.08.31

「頭皮がにおう人・におわない人」の洗い方の差|夏だからといって「1日2回の洗髪」は洗いすぎ


頭皮のにおいの原因はいったい何なのか?(写真:torwai/iStock)

頭皮のにおいの原因はいったい何なのか?(写真:torwai/iStock)

頭皮がにおう人と、におわない人はどこに違いがあるのか? 吉木伸子さんの新刊『美容皮膚科医が教える大人のヘアケア再入門』より一部抜粋・再構成してお届けします。

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においの原因は「皮脂」にあり

頭皮のにおいを気にする人がとても多いようです。頭皮のにおいのもとは、何でしょう。人体でもっとも皮脂が多いのは「頭皮」です。皮脂が空気で酸化されたり雑菌で分解されたりすると、においを発します。つまり皮脂が多い人の場合、その皮脂を長時間洗わずに放置すると、においのもとになります。

よく「汗くさい」といいますが、じつは、汗は無臭です。汗をだらだらかくサウナの中が、くさいということはありません。額に汗が流れたときに、それを手にとって、かいでみましょう。何もにおいはしないはずです。

しかしたとえば、運動して全身汗をかいたあとの、スポーツウェアなどは、におうかもしれません。それを「汗くさい」とよくいいますが、それはじつは、汗のにおいではなく、体から出た皮脂のにおいです。

運動して体温が上がると、背中などの皮脂腺が多いところから皮脂がたくさん分泌され、それがにおいのもとになります。

汗をかくと汗くさくなると思って、夏は1日2回洗髪するという人もたまにいますが、それでは洗いすぎです。洗いすぎれば、頭皮が乾燥して、かえってフケの原因になることもあります。

汗が気になったときはシャンプーを使わず、湯だけですすげばOK。汗は「水溶性」なので、湯だけで落ちます。シャンプーで洗うのは1日1回までにしましょう。

頭皮は常に皮脂が多い部位なので、脂性の人でなくても、常に地肌は皮脂でおおわれています。シャンプーして皮脂をとっても、通常は6時間もたてば皮脂は再び地肌をおおうので、そこに鼻を近づけてかげば、誰でもある程度のにおいはします。

また、指で頭皮をこすってそのにおいをかげば、脂っぽいにおいがするのが普通です。つまり頭皮がまったくにおわない人はいないし、どんなに洗っても完全に無臭にはなりません。

周りの人ににおわなければよい、と考えましょう。髪の根元がべったりするほどの皮脂を1日以上放置すれば周りにもにおうほどになりますが、そうでもないかぎりは周りの人にまでにおうことはないはずです。

においに神経質になって洗いすぎると、皮膚の善玉菌がうばわれることで肌の健康が失われ、フケやかゆみなどの原因につながります。

地肌は髪におおわれており、直接よく見ることができません。そのためもあってか、地肌をいたわる意識が低い人が多いようです。「シャンプーのときにごしごし洗い、ドライヤーの熱風を当て、そのまま」という人が大半でしょう。顔は洗ったあとに化粧水・乳液をつけたり、ときには保湿マスクを使ったりと熱心にケアしている人が多いですが、地肌はほとんどの人がノーケアです。

地肌も顔も、皮膚の構造は基本的に同じなので、どちらも数週間の単位でターンオーバーしています。つまり新しい皮膚が生まれて、表皮から角質になり、最終的に「あか」となってはがれます。洗いすぎると必要以上に角質をとってしまうことになり、そこを修復するためにターンオーバーが早まります。

ターンオーバーが早くなりすぎると、不完全な角質が作られるため、はがれやすくなり、パサパサとしたフケが出てきます(「ひ糠性湿疹」ともよばれます)。「フケが出るから不潔」と思って余計に洗ってしまうと、さらに状況を悪化させます。

もうひとつ考えなければならないのが、表皮の「皮脂膜」です。毛穴から分泌された皮脂が「善玉菌」と混じって「弱酸性」の皮脂膜を作り、地肌をおおっています。これを頻繁にとってしまうと、菌やpHのバランスがくずれるなどして、表皮環境を悪化させます。ひどい場合は炎症を起こしてかゆみが出ることもあります。

体を毎日ボディソープでごしごし洗って何もケアしなければ、乾燥してかゆくなりますね。地肌はドライヤーを当てる分、さらに過酷な環境にあります。

どうすれば「かゆみ」はおさまる?

対処法は以下の通りです。

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湯シャンなどを取り入れて洗いすぎを防ぎましょう。ドライヤーを当てる前に、地肌を保湿するのも一案です。地肌用の保湿オイルや美容液なども売られているので、それらを利用するのもよいですが、敏感肌の人であれば、顔用の乳液を使うのがおすすめです。普段、顔に使っているものでもOK。

顔用の乳液は、べたつかずのびがよいものが多いですし、敏感肌用など、いろいろなものから選べます。

髪が濡れた状態で、地肌に乳液をすりこんでからドライヤーを当てます。ドライヤーはあまり近くから熱風を当てずに、冷風をうまく使いながらゆっくり乾かすと、さらに地肌や髪へのダメージをおさえることができます。

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提供元:「頭皮がにおう人・におわない人」の洗い方の差|東洋経済オンライン

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