2021.08.31
開発15年!「世界一美味しい手抜き和食」の正体|「食品のプロ」が考案!「魔法の調味料」で超簡単
安部氏が開発した「魔法の調味料」さえ用意すれば、簡単に15分で作れる「おかわり必至の節約丼 ノンストップ鶏そぼろごはん」(撮影:佳川奈央)
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食品添加物の現状や食生活の危機を訴え、新聞、雑誌、テレビにも取り上げられるなど大きな反響を呼んだ『食品の裏側』を2005年に上梓した安部司氏。『食品の裏側』は70万部を突破する大ベストセラーとなり、中国、台湾、韓国でも翻訳出版され、いまもなおロングセラーになっている。
発売後、安部氏が全国の読者から受けた「何を食べればいいのか?」という質問に対する答えとして、このたび『世界一美味しい「プロの手抜き和食」安部ごはん ベスト102レシピ』を上梓した。
15年の間に書き溜めた膨大なレシピノートの中から、たった5つの「魔法の調味料」さえ用意すれば、誰でも自宅で、簡単に、時短で作れる「プロの手抜き和食」だけを厳選した1冊だ。
いまもなお「日本の食」が崩壊の一途をたどっていることに警鐘を鳴らす安部氏が、「食品のプロとして15年かけて考案した『世界一美味しい手抜き和食』の正体」について語る。
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「和食は面倒」家庭で作られなくなった現実
私は2005年に、私たちの日々食べる食品にどれだけの食品添加物が使われているか、そしてそれがいかに日本の食文化を侵食しているかについて訴えた『食品の裏側』を出版しました。出版後の反響は大きく、70万部を超えるベストセラーになり、その後、私は講演会、食育セミナーに呼ばれ、全国を飛び回ることとなりました。
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そこで子どもを持つ保護者の方々から、必ずといっていいほど聞かれる質問がありました。それは「では、何を食べればいいですか?」「自分はまだしも、子どもたちには何を食べさせればいいのですか?」というものです。
そのたびに、「ごく普通の手作りの和食を食べさせてください」と答えるのですが、必ずといっていいほど返ってくるのが、「和食は作るのが面倒なんです……」という言葉でした。
「だしのとり方がわからない」「洗いものが増えて、後片付けが大変」「献立が難しそう」「味付けの基本がわからない」という声を、実によく聞きました。そこで初めて気がついたのは、「家庭で『手間のかかる料理』が作られなくなっている」という事実でした。
「ごく普通の和食を作ってください」という私の答えは、答えになっていなかったのです。このことは私にとって、少なからずショックなことでした。
ある保育園の食育講座で、こんな衝撃的なシーンを目にしました。
その食育講座では「おかか入りのおにぎり」を作ったのですが、それを食べた5歳の子どもが「おにぎりって、こんなに美味しいんだね」と感動していたのです。保育士さんは「よかったね」と言って抱きしめて泣いていました。どうやらその子は、5歳で「手作りの温かいおにぎり」を食べたのが生まれて初めてだったというのです。
おにぎりもみそ汁も家庭で手作りされなくなり、コンビニや市販品に取って代わられている事実がそこにありました。「ごく普通の和食」さえ、日常的に作るのは難易度の高い料理となっているのです。
コロナ禍の影響で、ますます「手作り」が敬遠される
『食品の裏側』では、「食品添加物の危険性」を指摘しただけでなく、「日本の食が崩壊している」ことも訴えていました。
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あれから15年経って、日本の食が「安心・安全」にシフトしてきたかというと、まったくそんなことはない。ますます崩壊の一途をたどっていると言わざるをえません。
家庭ではますます「手作り」が敬遠され、コンビニや持ち帰りの弁当、出来合いの総菜がもてはやされています。コンビニのオリジナルブランドのレトルトの総菜は、一大ヒット商品となりました。
ポンと入れるだけでOKな「〇〇の素」や「レトルトの合わせ調味料」がもてはやされ、人気料理家も「だしの素」や「化学調味料(うま味調味料)」を使ったレシピを堂々と披露するご時世です。
新型コロナの影響で「家での食事」が増えるにつれて、この傾向はますます顕著になっていると感じています。
ネットで拡散される「時短レシピ」の多くは、「〇〇の素」を使って電子レンジでチンするものばかり。その電子レンジ調理の中には、「食器」を使うのではなく「ジッパー付き保存袋」で済ませるものもあるというのですから驚きます。ジッパー付き保存袋も、近ごろはちゃんと「自立するタイプ」があって、そのまま食べれば「食器いらず」だというのです。
危機感を覚えた私は、自ら「手抜き和食」のレシピ開発に乗り出すことにしました。
「手抜き」「時短」でも本格的な「和食」が作れる
【1】「手抜き」でも「プロの味」
「手抜き和食」を考えるにあたって、どうすれば「手抜きでも本物の味を再現できるか」が最大のポイントであり、最大の難点でもありました。しかし私には「秘密兵器」がありました。それは、ほかならぬ私自身の「舌」です。
食品添加物の商社時代には、添加物そのものだけでなく、「添加物を使った加工食品」も開発し、有力な商品として販売していました。自ら「日本の食文化の崩壊」に手を染めていたわけで、いまとなっては消し去りたい過去ですが、このときの経験が生きました。
「味の組成」「レシピのポイント」が完璧にわかるので、その味を1つひとつ「家庭で作れるもの」に置き換えることができるのです。
こうやって開発したのが、私が「魔法の調味料」と提案する、「かえし」「みりん酒」「甘酢」「甘みそ」「たまねぎ酢」の5つです。
この5つの「魔法の調味料」は、入れるだけで、プロのような「ひと手間かけたような複雑な味わい」と「長時間調理したような深み」を出すことができるのです。
安部氏が考案した5つの「魔法の調味料」。 左から順に、「みりん酒」「甘みそ」「たまねぎ酢」「甘酢」「かえし」(撮影:佳川奈央)
【2】「和食」でも「時短料理」
とはいえ、「昔ながらの手間のかかる作り方」では、誰も振り向いてくれません。手間暇をかければ本当に美味しいものはできるけれど、それは「職人の技」の世界になってしまうし、家庭料理には不向きです。
しかし、この5つの「魔法の調味料」は、「プロのような味」が出せるだけでなく、すべて10分以内で準備ができて、保存もききます。5つの「魔法の調味料」さえあれば、和食はいっきに「時短料理」に早変わりします。
忙しい日でも、美味しくて体によく、満足感のある「本格料理」が作れるのです。いわば「究極のインスタント和食」です。
また「魔法の調味料」があれば、余分な調味料を買わずに済むだけでなく、普段、冷蔵庫にあるようなもので本格料理がさっと作れますから、食材の無断をなくす「フードロス解消」につながり、「お財布にもやさしい」と、いいことづくしです。
「魔法の調味料」の最もすごいところは、手軽で手抜きながら「無添加」調味料だということです。
【3】食品添加物なし!最強の「無添加」調味料
この5つの「魔法の調味料」は、自宅で、簡単に「無添加」で作ることができます。これさえ準備しておけば、誰でも驚くほど簡単に失敗なく、美味しい「和食」が作れます。いわば、「無添加+超時短和食」です。
また、これらの材料となるみそ、しょうゆ、お酢、みりんなどの調味料は「発酵食品」です。「発酵食品」は、料理にうま味や深みが加わるのはもちろん、「健康維持」や「免疫力アップ」が期待できると注目されている食品です。
「手抜きしつつ、でもプロ並みの味」「食品添加物の味でごまかされない『ホンモノの味』」をきちんと楽しめる、世界一美味しい「プロの手抜き和食」が作れるのが、5つの「魔法の調味料」だと、私は自負しています。
この5つの「魔法の調味料」こそ、私がこの業界に入って48年の経験から作り上げた最高の調味料です。
「料理」を「食事」と同じくらい楽しむ
「料理」は「頑張るもの」でも、「ノルマ」でもありません。家族が笑顔で「美味しい」と言ってくれることが、「よろこび=幸せ」につながります。「ありがとう」の感謝の言葉になります。料理を「食事」と同じくらい楽しんでみてください。
「魔法の調味料」を知ることで、日本の伝統調味料や「和食」のすばらしさを知っていただくとともに、みなさまの「健康維持」や「豊かな食生活づくり」に、ぜひ役立てていただければ幸いです。
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提供元:開発15年!「世界一美味しい手抜き和食」の正体|東洋経済オンライン