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2021.08.13

「怒りやすい人」が知らずにしている3つの悪習慣|「怒りにくい体質」になるために見直すべきこと


そこまで「怒らなくてもいいこと」で怒るようになっていませんか(写真:PIXTA)

そこまで「怒らなくてもいいこと」で怒るようになっていませんか(写真:PIXTA)

長引くコロナ禍で不安やストレスがたまり、ちょっとしたことでイライラするようになってしまった、という人は少なくないでしょう。これまで100万人の怒りを鎮めてきた、アンガーマネジメントの第一人者である安藤俊介氏のもとを訪れる人は、過去10年と比べても圧倒的に増えているといいます。それだけ多くの人が怒りという感情を持て余し、その対処法に苦慮しているということですが、同氏によればちょっとした日々の習慣でこうした怒りをコントロールしやすくなるといいます。今回は同氏の最新刊『アンガーマネジメントを始めよう』からその方法を紹介します。

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受講者は20年間で30倍に膨らんだ

25万人。この数字を見てあなたは何の数字だと思いますか。これは日本アンガーマネジメント協会が開講する、年間のアンガーマネジメント講座の年間受講者数の数です。

日本アンガーマネジメント協会では2012年よりアンガーマネジメント関連講座の年間受講者数の統計を取っています。それによると2012年の年間受講者数は約8000人だったのですが、2020年にはその30倍以上に増えているということになります。年々増えている受講者数、累計すると100万人以上の人がアンガーマネジメントの講座を受講していているのです。

私はアンガーマネジメント協会の代表理事で、本場アメリカでのアンガーマネジメントを学び日本に導入してきました。それが2000年初頭のことですので、この20年間でアンガーマネジメントが一部の特殊な人が学ぶというたぐいのものではなく、普通の人々にとっても身近なものになってきているのだと感じます。

今はいろいろな意味で、社会の価値観や制度の大きな転換期にあります。そのことで働き方や生活習慣などいやが上にも変わりました。そうした環境に慣れることのストレスはとんでもなく大きくなっているのです。

人とは何かが変わるときには大きなストレスにさらされるもので、ストレスを抱えることでイライラしやすくなります。日常的にかかるストレスは日に日に大きくなっていく中で、そのことに気づかず、ある日我慢できずに爆発してしまうなんてこともけっしてありえないことではないのです。

アンガーマネジメントではそうした怒りとうまく付き合えるような、「怒りにくい体質づくり」を目指します。そこで大切なのが習慣となってきます。ただし特別なことをするわけではありません。小さくとも理にかなった、アンガーマネジメントの考え方に沿った行動を実践するだけです。

大切なことは、そうした体質づくりによって怒るべきことには怒り、怒る必要のないものに対してはうまくいなすことで、「決して怒らない」ということではないところです。

「怒らなくていいこと」に怒らなくなる

アンガーマネジメントとは1970年代にアメリカで生まれた心理トレーニングです。

アンガーマネジメントの本国・アメリカでアンガーマネジメントが普及した理由の1つは、「怒りの感情のコントロールができない人は大人として未成熟である」と評価されてしまうという点があるからです。アンガーマネジメントというトレーニングによって怒りの感情と上手に付き合えるようになるとは、言わば大人としての教養でもあったわけです。

また、アンガーマネジメントは、犯罪者に対する矯正教育の側面が強いものでした。それが、時代の変遷とともにより一般化されていき、今ではエグゼクティブのためのトレーニング、子どもたちの情操教育、カップルセラピー、ペアレンティング(親として受ける講習)、アスリートのメンタルトレーニングなど、幅広く応用されるようになっています。それが日本でも特別な人が学ぶスキルとしてではなく、一般教養としてアンガーマネジメントが普及しているのです。

繰り返しにはなりますが、アンガーマネジメントの目的は、怒らなくなることやイライラしなくなることではありません。怒る必要のあることに対しては上手に怒れて、怒る必要のないことに対しては怒らなくて済むようになることです。

そのために、アンガーマネジメントの理論や技術を日常の中で取り組めるようにかみ砕き、「怒りやすいなと感じている」「イライラして物事が手につかない」といったことで悩んでいる人の手助けになる方法をお伝えしているのです。その方法を実践することで、ぜひとも「怒りにくい体質」をつくってもらいたいと切に考えています。

「怒りにくい体質」をつくるために大切なことは、悪い習慣を断ち、いい習慣を取り入れることにつきます。あなたが続けているその習慣はあなたをイライラさせるだけの悪い習慣かもしれません。そんな悪い習慣を断ち切り、次はよい習慣を始めましょう。「意外と何も考えずにやっていること」として3つの悪い習慣を挙げたいと思います。

悪い習慣1:「コスパ」で考える

私は「もったいない」は、ムダにイライラをつのらせる大きな原因になると考えています。何に対してもったいないと思うかは、よく考える必要があると思うのです。

たとえば、遊園地にも入園料があります。もし、それが開園時間の10時から閉園時間の20時までの料金だとしても、目一杯その全時間帯にいなければもったいないとは、あまり思わないのではないでしょうか。

費用対効果という言葉があります。使った費用に対して、どれくらいの成果、満足度を得るかという考えです。コストパフォーマンス(コスパ)と言ったりもします。

私は、どうもこのコスパで物事を考えることは、イライラを生む原因ではないかと考えています。費用対効果で考えるのではなく、時間対効果で考えたほうが、よりその場を楽しむことができるのではないかと思っています。

慣れないものを使う習慣を作ると…

悪い習慣2: 使い慣れたものばかり選ぶ

人によっては、長年使い慣れているものを好んで使う人もいると思いますが、私はどちらかというと、新しいもの好きでしょっちゅう買い替えています。

今使っているものでも、別に不便はありませんが、あえて替えてみるのです。替えてみることによって、新しい使い方だったり、自分の非効率さに気づいたり、よりよい使い方などがわかることがよくあるからです。

確かに新しいものを使うとき、ちょっとした操作の違い、勝手や造作の違いなどにストレスを感じて、イラッとすることがあるかもしれませんが、普段から積極的に新しいものを試す習慣ができていると、使い慣れないものを使ったとしても、特段イラッとすることがなくなります。ストレスフリーに使うことができるようになるのです。

つまり安定的な平穏よりも、ちょっとしたイレギュラーを楽しむという方向に思考をシフトチェンジしたほうが、ストレス耐性が高まるのです。身の回りのもので新しいものを積極的に使うというチャレンジもその一環と言えます。

悪い習慣3: ジムで1人で鍛える

続けることが難しい代表的なものの一つがトレーニングジムでしょう。ジム通いを続けることが難しい理由として、いちばん大きなものはモチベーションが上がらなくなるからだと思いますが、ではそうなってしまうのはどうしてでしょう?

それは、何をどこまでどのようにすればいいのかわからないために、自分でもジムに行っていることに意味があるのかどうか、よくわからなくなってしまうからだと思います。結局フェードアウトしてしまったり、契約料だけ払っているだけの状態であるならパーソナルトレーナーをつけたほうがいいと思います。そのことで目標と手段が明確に定まり、積極的に通いたいと意識が変わるはずです。

これはジムだけにかぎったことではありません。「自分への投資」において、自分の糧にするという姿勢がなければいつまでたってもフラストレーションは溜まるばかりです。モヤモヤしながら試行錯誤し、イライラをつのらせるような悪習をなくすことがとても大切なのです。

怒りの種を連鎖させないためには

習慣とはよくも悪くも、人生に多大な影響を与えます。悪い習慣を断ち切れたら、次はよい習慣を始めたいところですね。私が怒りの感情の専門家として、繰り返し言っていることは、ポイントを絞ってしまえば「いつでも、どこでも、どんな環境になっても、何があってもいちいち振り回されない心を作る習慣をつけておくこと」です。イライラしないいい習慣を身につけて「怒らない体質」をものにしていただきたいと思います。

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習慣化のコツは、毎日やり続けることです。ですから「えぃっ」と、心の中で声を掛けなければできないようなものは、無理にやらなくても大丈夫ですし、いいなと思った習慣が続けられて、やがてイライラしない習慣が身につき、ムダにイライラしない人になっていたというのが望ましい状態だと思います。

かつての私も非常にストレスフルな環境にいたり、働き方をしていたりしました。だからこそイライラさせる悪い習慣から抜けだすことの大切さは身に染みてわかっています。何よりイライラして、その感情を誰かにぶつけるような行為は、自分だけにとどまらないところが本当にやっかいです。自分がイライラすれば周りの人もイライラし、周りの人がイライラすれば自分もイライラする……怒りの感情は、とても強い感情なので伝染しやすいのです。

家庭で自分がイライラすれば大切な家族をイライラさせることになります。自分がイライラすると、自分だけでなく周りの大切な人たちにも悪影響を与えてしまうのです。イライラしない習慣を身につけ、自分だけでなく、周りの人とも平和にストレスなく生活、仕事ができるようになるヒントとなれば幸いです。

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【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します

怒りっぽい人が「人生で大損する」納得の理由5つ

仕事中「なぜか機嫌がいい人」がしていないこと

自律神経を乱す、「考え方の悪いクセ」の正体

提供元:「怒りやすい人」が知らずにしている3つの悪習慣|東洋経済オンライン

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