2021.07.27
楽してやせたい人ほど「22時」に寝るべき理由|筋トレのプロが「代謝の上げ方」を解説!
やせるためには「22時」に寝たほうがいい(写真:kali9/iStock)
やせるためには、なぜ「22時」に寝るべきなのか? スポーツトレーナーとしてプロ野球選手、ラグビー日本代表など、さまざまなトップアスリートのパフォーマンス向上に貢献してきた弘田雄士が解説。新書『最速で体が変わる 「尻」筋トレ』より一部抜粋・再構成してお届けします。
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「代謝」とは何か?
「異化」とは、カタボリズムとも言われ、エネルギーを得るために、グリコーゲンや中性脂肪、たんぱく質などの大きな固まり(分子)を小さく分解すること。
「同化」とは、アナボリズムとも呼ばれ、組織や器官を作り維持するために、アミノ酸、グルコース、脂肪酸などの小さな固まり(分子)から大きな固まりを合成すること。
異化で細かくしたものを、同化で必要な形に再合成する。この2つの働きを合わせて代謝というわけです。
代謝に関わるホルモンは、大きく異化を刺激するホルモン(カタボリックホルモン)と同化を刺激するホルモン(アナボリックホルモン)の2つのグループに分けられます。テストステロンは同化を促すホルモンの代表選手です。
ほかにも、筋トレによって活性化されるホルモンはたくさんあります。いくつか紹介していきましょう。筋トレで筋力を強くしたり、太くしたりするうえで、より活性化されてほしいアナボリックホルモンの代表格には、テストステロンと並んで成長ホルモンがあります。
成長ホルモンは脳下垂体から分泌されるホルモン。筋肉に直接作用する場合もありますが、おもに精巣で分泌されるテストステロンとは違って、肝臓やそのほかの組織に働きかけ、間接的に筋肉を発達させるサポートをします。自分でシュートも打てるけれど、精度の高いセンタリングを上げてくれるキラーパサーという役割なんですね。
この成長ホルモンに関して、面白い性質がわかってきました。代表的なアナボリックホルモンであるにもかかわらず、体脂肪に関しては異化作用のあるカタボリックホルモンであることが明らかになったのです。
成長ホルモン欠損症が体脂肪の増大を促すこと、成長ホルモン欠損症患者に成長ホルモンを投与すると、体脂肪が減少することなどが次々にわかってきました。
成長ホルモンは、メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手のように「合成する/分解する」のどちらにも関与する二刀流であったわけです。
なぜ「午後10時」に寝るべきか
成長ホルモンは深い眠りであるノンレム睡眠時に分泌されますが、ノンレム睡眠後30分で最大となり、一般に午後10時から午前2時頃に最大になるとされています。そのため、成長期の子どもはもちろん、40〜50代のビジネスパーソンにとってもできるだけ夜早めの時間に眠りに就くことが重要です。筋肉の合成を促し、体脂肪の分解を促してくれるのですから、これを利用しない手はないんです!
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もう一つ、ちょっとドキッとしますが、筋肉作りには敵となるカタボリックホルモンの代表選手として、コルチゾールも紹介しておきましょう。
副腎皮質から分泌されるホルモンの一種ですが、心身がストレスを受けると急激に分泌が増えることから、「ストレスホルモン」とも呼ばれています
コルチゾールは肝臓で糖を作り出す、脂肪を分解して代謝を促進する、免疫抑制、抗炎症作用を持つなど、とっても有益なホルモンです。ただ、高いストレス状態となると、「筋肉のたんぱく質を分解してエネルギーに変える」という働きをし始めるのです。……これは困りますよね。
対策はシンプル。まずトレーニングのしすぎを避けること。体が受けるダメージが回復のスピードに追いつかなくなると、筋トレをすればするほど体が細く弱くなっていきます。
唾液でも測定することができるテストステロン-コルチゾール比(T-C比)という測定方法において、値が低くなればなるほど(コルチゾールの比率が高まるほど)、体内ではカタボリックな作用(分解)が強まっていることになります。適度な運動と休息が必要だということが、コルチゾールホルモンの分泌からもわかりますよね。
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提供元:楽してやせたい人ほど「22時」に寝るべき理由|東洋経済オンライン