2021.06.28
今さら聞けない?歯槽膿漏と歯周病の関係、あなたは知っていますか?
目次
1. 知っていそうで意外と知らない歯槽膿漏のこと
2. 歯槽膿漏が歯周炎と名を変えるまで
3. 歯周病の進行について
4. 歯周病を防ぐのは、毎日のケアとセルフチェック!
知っていそうで意外と知らない歯槽膿漏のこと
クラブサンスターでは、歯周病についてさまざまな情報を取り上げているので、みなさん、お口の病気や健康情報にはかなり詳しくなっているかもしれませんね。ではそんなみなさんに質問です。「歯周病と歯槽膿漏の関係について、ご存知ですか?」。サンスターでは、50代・60代の女性に、このふたつの関係を聞く調査を実施したところ、なんと7割以上もの人が「歯槽膿漏は歯周病より重篤であり、異なった症状である」という誤った理解をしていたことがわかりました。そしてなんと、「歯周病に含まれる症状」という正しい知識を持っていた人はたった1割という結果に…。
2019年7月 50・60代女性(n=70)サンスター調べ
健康への意識が高い50代・60代の女性でもこの結果ですから、ほかの年代だとさらに低い結果が出るのかもしれませんね。このように、「知っていそうで意外と知らない」のが歯槽膿漏。この結果を見て「え?違うの?」と思った方、「はっきりは答えられない…」という方に、今回は歯槽膿漏と歯周病の関係について、詳しくご説明していきましょう。
歯槽膿漏が歯周炎と名を変えるまで
歯周病は歯肉炎と歯周炎の総称です。歯周病の始まりが歯肉炎、症状が進んでいくと歯周炎になります。
では、歯槽膿漏とはなんでしょう?
現在でも歯槽膿漏という言葉は一般的に使われていますが、実は学術の世界では使われなくなっています。これには次のような背景がありました。
かつて欧米では、歯周疾患に対して、歯槽から膿が出るという症状から歯槽膿漏症と名づけ、その呼び方が日本にも広まりました。ところが、歯周疾患には膿が出ない症例も多くあったことから、「歯槽膿漏」は病名として不適当とする意見もあり、しだいに「辺縁性歯周炎」「慢性歯周炎」などといった言葉に置きかえられました。その後日本でも欧米に準じて、「歯槽膿漏」に代わって「歯周炎」という言葉が用いられるようになりました。
ですので、「歯槽膿漏」は歯周病(歯肉炎・歯周炎)に含まれる症状といえるのです。
歯周病の進行について
ではイラストと写真で歯周病の進行を見てみましょう。
1)健康な歯周組織
健康な歯ぐきはピンク色で弾力があり、歯と歯の間の歯ぐき(歯間乳頭)は引き締まった三角形をしています。歯と歯ぐきの境目の歯周ポケット(歯肉溝)は1~2mm程度です。
2)歯肉炎
歯周病のはじまりで、歯ぐきが炎症を起こして赤く腫れて盛りあがります。歯みがきなどの刺激で出血することがありますが、痛みや歯の揺れなどの自覚症状はありません。
3)歯周炎
歯肉炎が進行した状態です。炎症が歯を支えている重要な骨、歯槽骨にまでおよび、歯槽骨が溶け出すなど歯周組織の破壊が進みます。そのため歯ぐきが下がったり、歯がグラグラして最終的には抜けてしまう場合もあります。ここまで進行すると、日常の歯みがきでもとの健康な状態に戻すことはできず、歯医者さんでの治療が必要となります。
調査で「歯槽膿漏は歯周病より重篤」と思っていた人が多かったのは、「歯槽膿漏は歯ぐきから膿がでたり、歯が抜けてしまうほどの怖い病気」というイメージが伝わっていたからかもしれません。とはいえ、歯槽膿漏は30代以上の約7割がかかっている歯周病の1つの症状ですので、日ごろのケアを怠ってしまうと誰にでも起こりうる病気なのです。
まずはこの事実をしっかりと理解しておきましょう。
歯周病を防ぐのは、毎日のケアとセルフチェック!
歯を失うと、しっかり噛めずに好きなものが食べられなくなったり、見た目年齢に影響を及ぼしたり、ひいてはカラダ全体の健康にも影響しかねません。
そしてその大切な歯を失う原因の1位は、実はむし歯ではなく歯周病。歯周病はサイレント・ディシーズ(静かな病気)とも呼ばれ、痛みなどの症状がなく静かに進行していきます。そして気がついた時には、歯周炎になり、歯が抜け落ちてしまったり、歯を抜かなければならなかったりということが起こるのです。
いつまでも自分の歯で食べたい、暮らしたい!と願うなら、まずは歯周病の原因となる歯周病菌が潜むプラーク(歯垢)を、毎日の歯みがきでしっかりとケアすること。そしてもし歯周病になってしまったとしても、早めに気づいて早めに歯医者さんで治療をすれば、進行を食い止めることは可能です。そのためにも、定期的なセルフチェックを、ぜひ。少しでも気になることがあったら、迷わず歯医者さんに相談してみてください。そのスピード感が、きっとあなたの大切な歯を守ってくれるはずです!
こちらの記事もどうぞ>>
あなたは大丈夫?成人の8割がかかっている歯周病をセルフチェックしてみよう! ※外部サイトに遷移します
取材・記事 クラブサンスター編集部
記事提供:クラブサンスター
クラブサンスターは、株式会社サンスターが運営するお口とカラダの健康に関する情報サイトです。
【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します
40歳はターニングポイント!?この年齢からはじめたいオーラルケア
本気の歯周病予防、はじめます!40代のガム・ウェルプラスシリーズ体験座談会
提供元:今さら聞けない?歯槽膿漏と歯周病の関係、あなたは知っていますか?|クラブサンスター