2021.05.13
LINEの既読「気になる人」「気にならない人」の差|どうすれば不安や怒りから解放されるのか?
LINEの「既読」が遅いことに悩む人の特徴とは?(写真:アン・デオール/PIXTA)
LINEの既読が遅いことに対してイライラする人がいた場合、どう付き合えばいいのか? 心理カウンセラーの大嶋信頼氏の新刊『「悩みすぎる」人のトリセツ あなたとまわりの不安を一瞬で0にする』から一部抜粋・再構成してお届けします。
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メールの返信やLINEの「既読」が遅いだけで、何度もスマートフォンやパソコンを開いてはチェックして「あー、また来ていない!」と気にしてしまう方がいます。
「そんなの気にしたら、どんどん気になって相手の気持ちに振り回されちゃうから、もうやめたほうがいいよ」とアドバイスしても「でも、だって」と聞く耳を持ちません。
むしろ、そんなことを言えば言うほど「ちっとも私の気持ちをわかってくれない!」といじけて、LINEの既読を数分ごとにチェックするようになり、メールの再読み込みボタンを頻繁に押すようになってしまいます。
「既読の遅れを恐れる人」の心理
これは「相手の気持ちを考える」ということで、ちょっとでも相手の返信や既読が遅いと不安になったり、苦しくなったりしてしまうからです。
「え? 相手の気持ちを考えるなんて普通でしょ?」と思いますよね。でも、こういう人は、ちょっとした既読の遅れで「私は嫌われているかも」とか「私の文章で相手が怒っているかも」と、相手の否定的な感情を想像してしまいがちです。
「嫌われた」とか「怒っている」や「自分が相手にされない」と、勝手に相手の気持ちを想像すると、今度は「なんで私が嫌われなきゃならないの!」とか「あんなことで怒るなんて最低!」や「何を偉そうに!」などと怒りが湧いてきます。
そして「相手のことなんてどうでもいいや!」と、一旦は怒りで相手を断ち切ろうとするのですが「やっぱり私が悪かったかも」と、不安と罪悪感が襲ってきて「チェックするのがやめられない!」と、そのことから目が離せなくなってしまうのです。
人間の脳は「相手の脳の状態を真似する」という機能があります。だから、相手の不安や怒りが近くにいると、うつってきて「近くでLINEをチェックされていると落ち着かない」とか「なんだかだんだんイライラしてきた!」と、LINEをチェックし続ける人のことが気になってしまいます。
そこで、相手の不安を和らげるために声をかけても、相手は既読や返信をチェックし続けます。こちらは時間と労力を無駄にされている感じになって「ムカつく!」と、LINEをチェックする相手の不安に振り回されてしまうのです。
でも、多くの人は「この怒りや不安は、相手の脳の真似をしている」なんて想像もしません。だから「自分がおかしい」と不安になって、振り回されてしまうのです。
返信や既読が気になるという人への対応は「あーあ、相手の気持ちを想像すればするほど不安になるんだな」と、放置しておくのがいちばん効果的です。そういう人は、勝手にLINE相手の気持ちを想像して「独り相撲」をとっています。
「ああでもない、こうでもない」と、相手の気持ちを考え、怒りと不安のあいだを行ったり来たり繰り返しているだけです。独り相撲なので力が均等だから「いつまで経っても勝敗がつかない!」と、ずっと続けることができてしまいます。
その土俵に上がってしまったら「あれ? 自分がいつの間にか対戦相手になっちゃった!」と相手の怒りを買ったり、不安を請け負わされたりして負けてしまいます。
相手の頭の中の相撲なので、絶対にこちらは勝つことができません。それで時間を無駄にされて、ものすごく疲れてしまいます。
だから「勝手に相手の気持ちを考えることで独り相撲をとっているのね」と、国技館の升席から相撲を眺めているつもりで、土俵に上がらないのがいちばんなのです。
でも「どうしてもLINEを気にする人にイライラしたり、心配になってしまうんですけど!」という場合は「何も感じていない」と、呟いてみると効果的です。
悩みすぎる人の感情は、LINEの既読や返信が遅いことで「相手はどう感じているんだろう?」と想像し、相手の気持ちなんてわからないのに「相手はこう感じているのに違いない」と決めつけてしまうことから始まります。
どうすれば不安や怒りから解放されるのか
もし、自分がLINEのメッセージを読む側だったら「既読に時間がかかる、かからない」は、あまり意識しないはず。相手から「なんで読んでくれないんですか?」と、責められるように言われたらイラっとして、初めて「面倒くさい」と感情が湧きます。
それまでは「何も感じていない」が正解なのです。何にも感じていない相手の気持ちを勝手に想像するから、まるで白いキャンバスの上に絵を描いていくように「いくらでも絵が描ける」ことになって、いろんな感情を勝手に想像してしまうのです。
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だから、相手の気持ちを「ああでもない、こうでもない」と想像しているときは、じつは「何も感じていない」ときなのです。
本来は「何も感じていない」のに、感情はミラーニューロンを通じて、相手の中に勝手に作られます。だから、LINEの既読をチェックして、不安でいっぱいになっている人のことも「何も感じていない」と思って見てみると「あ! この人、本当に何も感じていないかも!」という現実が見えてきます。
不安や怒りを感じているように演じているけど、本質は「何も感じていない」で静か。そんなふうに「何も感じていない」と思って、相手のことを見ていると、こちらの脳は心配や苛立ちから解放されます。すると、その心配や怒りから解放された状態を、相手の脳が真似するので「あれ? LINEの既読が気にならなくなったかも!」となるからおもしろいのです。
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提供元:LINEの既読「気になる人」「気にならない人」の差|東洋経済オンライン