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2021.03.19

全人類が「不安から逃れられない」科学的根拠|「今すぐ不安を和らげる方法」もあわせて紹介


人はなぜ「不安」を感じるのか?(写真:AKIRA/PIXTA)

人はなぜ「不安」を感じるのか?(写真:AKIRA/PIXTA)

仕事で大きなミスをしたり、上司や同僚から叱責されたりすると、夜も眠れなくなるほどの不安を感じることがあります。一体、なぜ人は「不安」を感じてしまうのか? そのメカニズムから不安を和らげるための方法までを一挙解説。明治大学法学部教授の堀田秀吾氏による『図解ストレス解消大全』より一部抜粋・再構成してお届けします。

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人間は、なぜ不安を感じるのでしょうか。

進化心理学的には、人間の心のメカニズムは石器時代から変わっていないと言われています。ホモサピエンスの誕生に端を発する何十万年の人類の長い歴史からすると、文明の発達など、数分前に起こったことのように最近の話。生物の進化は、長い時間をかけて起こるものです。

現代文明発達の歴史程度の短い期間では、進化が追いつけるわけがなく、私たち人間は、実は狩猟時代の心と体のままとも言えるわけです。石器時代の人間は、現代から見ればなんでもないことで命を落としかねない時代でした。

なぜ不安は「夜」に感じやすいのか?

鉄筋コンクリートに守られた家屋や電化製品もなく、現代の日本から見れば、ちょっとしたことで命を落としかねない……そのため、命を守るためには、日常のわずかな変化や違和感にも注目し、それが危険かどうかを見極める必要がありました。ですから、ちょっとしたことに対しても不安になるくらいがちょうどよかったのです。

進化心理学では、現代の人間も心のメカニズムはほぼ太古の昔のままなので、不安になりやすいと考えられています。ガスの元栓や、玄関のドアの鍵が気になると、家に帰って確認したくなるのも、不安で心配性であるほうが危険に対処しやすく、生存競争で有利だった先人たちのDNA――、“遺訓”とも言えるわけです。

夜になると不安を感じやすくなることも同じです。はるか昔から、暗闇は不安を呼び起こすものであり、夜のとばりが落ちることで現代人の我々が急に寂しさや不安を感じるのも不思議なことではないのです。むしろ、生きている証拠。

一方で、そのまま不安に押しつぶされないか心配になってしまう人もいると思います。不安を感じることは当たり前、その上で上手に不安と付き合う方法があるにこしたことはありません。夜、漠然と不安を感じるのであれば、「何かを抱きしめる」というアクションを試してみてください。

「ハグ」の世にも不思議な効能

そもそもハグには驚くべき効果があります。南カリフォルニア大学のライトらの研究では、パートナーからの頻繁なハグで幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンが増加することが判明しています。

また、カーネギーメロン大学のコーヘンの研究では、406人の健康な成人に、各自2週間にわたって毎日の活動の内容やハグの有無、人間関係のトラブルがあったかなどをインタビューし、そのうえで被験者を人為的に風邪のウイルスにさらし(すごい実験を行うものですね……)、病気への耐性がどれだけあるかを調べました。

その結果、人間関係のトラブルの有無は、罹患リスクと無関係だったのですが、ハグをした人は罹患リスクが減少していることがわかりました。さらに、隔離された被験者たちが、その後の4週間でインフルエンザの症状を発症するかどうかを調査したところ、「頻繁にハグ」をしていたオキシトシンレベルの高い被験者たちは、重度の症状には至らなかったというのです。

驚くことに、自分1人でもできる“ものへのハグ”にも効果があるといいます。

国際電気通信基礎技術研究所(ATR)のスミオカらの研究によると、離れたところにいる見知らぬ相手と電話で話す際に、たとえば「抱き枕」ような“ ハグできるもの”をハグしながら話すと、ストレスホルモンであるコルチゾールの値が低下し、幸せホルモンのオキシトシンが増加することが観察されています。見知らぬ相手でも効果があったのですから、家族や友人と電話をする際には、さらに効果を生むことでしょう。

夜、不安になったり、気持ちを落ち着けたいときは、クッションやぬいぐるみなどを抱きしめるだけでストレスが和らいでいきます。些細なことかもしれませんが、「備えあれば患いなし」です。

また、「ふて寝」に代表される、イヤな気持ちを断ち切るために眠って忘れようとする行為にも落とし穴があります。陰うつとした気持ちも、眠りさえすれば、翌朝は和らいでいるに違いない……そう思いたいところですが、実は“ふて寝”のようにマイナスの感情を抱えたまま眠ることは、さらなるストレスを生み出しかねないのです。

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北京師範大学のリウらの研究では、男性被験者73人を対象に3回にわたる睡眠にまつわる実験を行いました。リウらは、被験者たちに動物の死骸や拳銃を向けられるシーンなど嫌悪感を覚える52枚の写真と、それに関連する男女の表情の写真を2日間にわたり見せて覚えさせ、次の4つのグループに分け、睡眠が記憶に与える影響を調査しました。

【グループ1】

写真を見終わった30分後に、嫌な写真のことをどれだけ覚えているかをテストしたグループ。

【グループ2】

写真を見終わったあとに、そのまま睡眠をとり、翌日テストを行ったグループ。

【グループ3】

写真を見終わったあとに、美女の写真を見せるなど気分転換を行い、その30分後に嫌な写真をどれだけ覚えているかをテストしたグループ。

【グループ4】

グループ3と同様に気分転換を行ったあと、睡眠をとり、翌日テストを行ったグループ。

すると、【グループ1】と【グループ2】には差異は見られなかった一方、【グループ3】と比べて【グループ4】は、嫌な記憶が3分の1に減少していたことがわかったのです。寝ているあいだに記憶が定着するというのはよく知られていますが、嫌な記憶もしかり。ゲームでも読書でも構いませんから、自分が楽しいと思えることをしてから寝ることが大事というわけです。

不安は人間しか持たない「武器」のようなもの

不安はあらゆる行動原理に通じます。考えすぎるのも、悩むのも、口コミに頼るのも、行列に並ぶのも、ブランドが好きなのも、権力になびくのも、世間体が気になるのも、ありとあらゆる行動が、「不安」を解消したいという気持ちが原動力になっています。

ですが、ちょっとしたことに対してでも不安になるくらいが、ちょうど良いのです。冒頭で触れたように、不安で心配性であるほうが危険に対する準備がしやすく、生存競争で有利になることができます。

不安は必ずしも「ネガティブ」なものと捉えず、「武器」として捉え、上手につき合っていくことも大切です。不安は誰もが感じます。とりわけ、夜ともなれば大きな不安にかられることもあるでしょう。だからこそ、受け入れた上で、和らげていくためのアクションを取り入れるようにしてみてください。

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提供元:全人類が「不安から逃れられない」科学的根拠|東洋経済オンライン

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