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2020.11.20

コロナ後も「お金を増やす超基本」は2つだけだ|あなたは「自分の本当の資産」知ってますか?


投資会社の新入社員姫野が大先輩ケイさんに聞く、シリーズ第6回。今回は「ポスト・コロナにおける正しい投資スタンス」についてレクチャーします(写真:タカス/PIXTA)

投資会社の新入社員姫野が大先輩ケイさんに聞く、シリーズ第6回。今回は「ポスト・コロナにおける正しい投資スタンス」についてレクチャーします(写真:タカス/PIXTA)

コロナ禍もやや落ち着きを見せる日本。Go Toキャンペーンなどでコト消費にも戻りが出はじめ、来年にはワクチン普及も期待されている。コロナウイルスとの長期戦が予測される中、私たちはどのような考え方を軸に資産形成を考えればよいのか。そのカギは「見えない資産」と「自分と世界への投資」にあった──。投資会社の新入社員姫野が大先輩ケイさんに聞く、シリーズ第6回。
世界株式アナリスト、ファンドマネージャーを歴任し、世界30カ国を渡り歩いてきた加藤航介氏。このたび『世界を見てきた投資のプロが新入社員にこっそり教えている 驚くほどシンプルで一生使える投資の極意』を上梓した加藤氏が、「大先輩ケイさん」として、投資会社の新入社員(姫野)に、「ポスト・コロナにおける正しい投資スタンス」についてレクチャーする。

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ポスト・コロナ時代でも「資産形成の基本」はたった2つ

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姫野:

ケイさん、こんにちは。

最近はコロナ禍での生活にも慣れてきました。私もたまには感染対策を心がけて外食したり買い物したり、メリハリをつけて生活しています。まだまだマスクは手放せませんけど!

ケイ:

アメリカの大統領選も終わったし、そろそろコロナで激変した2020年以降の未来に向けた資産形成を考えるにはいいタイミングだね。

姫野:

はっ! 投資や資産形成もポスト・コロナ時代を見据えなきゃならないですよね。大事なポイントはズバリ何ですか?

ケイ:

本当に大事なことは、コロナの前でも後でも変わらない。

(1)「自分自身を磨く」こと

(2)「世界の自由経済の仕組みに『株主』として参加する」こと

これに尽きるよ。1つずつ説明していこう。

ケイ:

まず「(1)自分自身を磨くこと」から考えよう。自分を磨くって当たり前に聞こえるかもしれないけど、実は、自分自身を「人的資産」として認識したうえで、その管理や自己投資を決めている人は多くない。

姫野:

人的資産はざっくり言うと「これからいくら稼げるか」ってことですよね。たしか新人の私でも1.5億円になるっていう!

「目に見えない人的資産」現役世代なら億単位!?

ケイ:

人的資産は最も身近で、かつその金額は相当に大きい。「お金の投資」を考える前に大切なのは、「人的資産の運用」、つまり「自分自身の価値を高める」ことなんだ。

姫野:

若い現役世代なら億単位、リタイア世代でも年金があるから数千万円になりますよね。でも、これって意識していないとその存在にすら気づかない……。

ケイ:

そうなんだ。目に見えにくいけれど、「自分自身が資産」ということを忘れないでほしい。実際の金融資産だけでなく、「働くことで自分の資産を高めていくこと」そして「年金など自分自身に紐づいている資産を理解すること」がとても大切だ。

姫野:

普段は意識しない、目に見えない資産の価値を知っておくことがポイントですね。

ケイ:

そのとおり。スキルアップのために勉強をしたり、人との交流を広げたり、健康に気を配ったり、自分をグローバル化することが、「自分への投資」といえる。それが、「自分の価値」や「生涯賃金」を高めていくことになるんだ。

若い人なら自分にしっかり投資をして「投資→成長→豊かさ」のサイクルを日常の習慣に取り入れることを意識しよう。

姫野:

そうですね。

ケイ:

今回のコロナに限らず、世の中は不安定で、絶えず変化をしていくものだ。でも、不安定さは社会が豊かになる過程でもあるから、僕らはその変化を楽しみながら機会に変えていかないといけない。

姫野:

「自分自身を成長させながら、社会の変化には臨機応変に」ってことですね。

ケイ:

老後について不安に思っている人も多いだろうけど、将来を考えるときに大事なのは「年金」なんだ。現役世代もリタイア世代も、いくら年金をもらえるのか、そしてその年金はどう運用されているのかを理解することが、正しい人的資産の理解につながる。

姫野:

私も年金のこと、ちゃんと知っておかなきゃ。でも年金の仕組みって難しいですよね。「私たちの世代はもらえなくなるかも」なんて話を聞いたこともあるし……。

ケイ:

年金制度は、経過措置などによって複雑化しているし、専門的な用語が出てくるので、全体像をきちんと把握するのは簡単じゃない。でも、「自分に関することだけ」を知るのは、それほど難しくない。実際、公的年金については「ねんきん定期便」で知ることができるしね。

姫野:

「ねんきん定期便」、ちゃんと見たことなかったかも……。

日本の年金が「簡単に破綻しない」理由

ケイ:

いちばんダメなのは「年金が危ない!」とか「年金破綻!」とか、恐怖をあおる話を鵜呑みにして、年金保険料の納付を止めたり、あやしい金融商品に手を出したりすること。これは、本当に気をつけてほしい。

日本の年金基金の保有資産は約160兆円、これは世界の年金基金の中でもダントツに大きいことを知っている?

姫野:

えっ! そうなんですか?

ケイ:

世界2位のノルウェーの運用基金と比べても1.4倍、3位の中国の運用基金と比べても1.6倍という規模の、とてつもない原資があるんだ。

しかも世界に幅広く分散投資されて、とてもバランスのいいポートフォリオになっている。もちろんその巨額な資産が日本人の年金支払い以外に使われることはない。

たしかに少子高齢化はマイナス材料だけど、それはどの先進国も同じ。はっきり言って、「日本の年金制度を心配するなんてナンセンス」だと思うよ。

姫野:

公的年金の受給権は「人的資産」の大きな柱になるんですね。安心しました。

お給料から天引きされるのは嫌だーって思っていたけど、老後資産の一部と思えばいいわけですね。

ただ、掛け金と受給額は個人差があるから、自分のことは「ねんきん定期便」をチェックして理解するようにします。

ケイ:

今度は「(2)世界の自由経済の仕組みに株主として参加すること」を説明しよう。

ケイ:

大事なのは「みんなの社会参加が世の中を豊かにする」ってこと。
社会の豊かさは、われわれの3つの社会参加で決まる。1つ目は「働くこと」、2つ目は「選挙に行くこと」。そして3つ目が「お金での社会参加」なんだ。

世の中の人がこの3つに無関心だったら、そんな世の中が豊かになれるはずはないからね。

姫野:

1つ目と2つ目はなんとなくわかりますが、どうして3つ目の「お金での社会参加」が大事なんですか?

世の中は「民間企業」に支えられている

ケイ:

僕らが暮らす社会や経済は、その多くが「民間の会社によってつくられている」からだ。

モノやサービスを提供しているのも、多くの人を雇用しているのも民間企業だよね。もちろん公的機関も大事な役割を果たしているけど、民間だけでは賄えないライフラインの維持が中心だ(上下水道の運営やゴミ収集など)。

では、民間企業がよいサービスや商品を提供していくために、僕らができることは何かな?

姫野:

えっ? その会社の商品を買ったりすること……でしょうか?

ケイ:

それも悪くないけど、一般市民が企業を応援したり、モニタリング(監視)したりするための効率的な仕組みが「株式を持つ」ことなんだ。株を保有することが、企業を応援したり、モニタリングしたりする土台になる。

姫野:

なるほど。より多くの人が株を持って応援やモニタリングをすることで、企業の経営がうまくいって、世の中が豊かになるわけですね。たしかに選挙だって、投票率が高くてみんなが政治に関心を持ったほうがいい結果になるはずだし。

ケイ:

株式投資というのは、「企業の経営者を選ぶ活動」ともいえるからね。そして株式を買うときは、大切なポイントがあるんだ。

姫野:

どんなことですか?

ケイ:

『投資のプロが断言「日本の経営者、ここが問題」』でも話したけど、経営者と株主が「同じ船に乗る」(=同じ立場に立つ)ことがとても重要なんだ。

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ケイ:

事業がうまくいけば両者とも利益を得て、失敗したら「その痛みを分かち合う」ってことだ。その前提があるからこそ、市民の応援やモニタリングが機能して、「会社」という船が正しく前に動き出すわけだ。

姫野:

それに世界の株式会社では、経営者の給料の大部分が自社の株で支払われているから、株主と一心同体なんですよね。

でも、日本企業の場合は株でもらう比率が低すぎて、経営者と株主が同じ船に乗れていない。ここが大きな違いですよね。

世界の株式は「経営者と同じ船」に乗れる

ケイ:

うん。例えば多くの人が「同じ船に乗りたい!」と思うような、今をときめく世界的な成長企業があったとしよう。

でも、それが日本企業だったら、その成長の恩恵は経営者と社員という限られた人しか受け取ることができないということになる。もちろん株主になることはできるけど、その立場は経営者と公平ではないという欠点がある。

姫野:

なるほど。

ケイ:

一方で、これが国外企業であれば、一般市民も経営者と同じ恩恵に与かれるよう公平に扱われる。株式投資の本当の姿とは、社会に広く開かれた、大変に公平な仕組みの上に存在しているんだよ。

姫野:

残念だけど、日本での株式投資は公平なシステムとはいえないんですね。

ケイ:

しかも、市民が株主になって同じ船に乗るためのハードルの高さも、国内外ではずいぶん違いがあるんだ。欧米では1株を買えば株主になれるけど、日本では100株単位と決められている。有名な日本企業の株主になるには、何百万円もの乗船料が必要なことさえある。

姫野:

参加するハードルが100倍だなんて! 今の私じゃ乗船料は払えません!

ケイ:

だから、今のところ「お金の社会参加」をするなら、経営者と同じ船に乗ることができる世界の株式なんだ。

姫野:

そうなんですね。

(1)「自分自身を磨く」こと

(2)「世界の自由経済の仕組みに『株主』として参加する」こと

ケイさんが言っていたこの2つのポイントの意味、改めてよーくわかりました。

ケイ:

結局、ポスト・コロナの世界でも、僕らがやるべき資産運用の方向性は大きく変わらない。「自分磨き」と「海外の株式投資」をしっかりやっていこう。それが本当の意味での「投資の極意」なんだ。

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提供元:コロナ後も「お金を増やす超基本」は2つだけだ|東洋経済オンライン

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