2017.02.11
がんのことみんな知ってる?-第2話 乳がん検診で早期発見!
よく耳にする「がん」という病気のこと、あなたはどれくらい知っていますか? 備えあれば憂いなし、まずはがんについて知るところから始めましょう。健康のことが気になるりんちゃん家族と共に、楽しく解説します! 第2話目は、女性なら誰もが気になる乳がんに関して。乳がんのピークは40代後半と、意外と早く訪れます。しかし、検診すれば早期発見が見込めるがんなんです。早期発見を啓蒙する、ピンクリボンフェスについての情報も見てみてください!
若い女性も注目! 乳がんは早期発見がポイント。
若い女性のがんは増加傾向にあります。実は仕事を持つ世代は、男性よりも女性の方が、がんになる人が多いのです。
30代女性は男性の約3.3倍、40代は男性の約2.4倍。これには理由があります。女性特有のがんである子宮頸がんのピークが30代後半、乳がんのピークが40代後半にあるためです。
では、なぜ女性のがんは若い人に多いのか。今回は乳がんに絞って、すこし詳しく説明します。
乳がんの大半はエストロゲンという女性ホルモンの刺激で増えます。乳がんの発病しやすい年齢が40代後半なのは、女性は50歳くらいで閉経を迎えエストロゲンが少なくなり、50代以降は乳がんを増やす刺激が少なくなるからです。
また、妊娠・授乳中は女性ホルモンのバランスが増えるため、乳がんが増殖しにくい期間とも言えます。つまり少子化が進む日本では、自ずと乳がんになる人も増えているのです。
また食生活の欧米化も原因のひとつ。肉食によって血液中のコレステロール値が高くなり、コレステロールを材料に合成される「性ホルモン」の分泌も盛んになります。その結果、乳がんになる人も増えているのです。現在、日本人女性の16人に1人が乳がんになっています。
では、どう対策をすればいいのか。進行が早く見つけづらい膵臓がんなどと違い、乳がんは検診すれば早期発見が増え、死亡率を減らすことができるがんなのです。ところが、日本人のがん検診率は先進国最低です。アメリカは8割以上の女性が受けていますが、日本では3割程度。欧米で減っているがんの死亡が日本で増えている理由は、この検診率の低さも関係しているのです。まずは検診を受けることからはじめてみましょう。
——参考文献『がんのひみつ 最新版』中川恵一著(朝日出版社)
著者プロフィール:中川恵一
なががわ・けいいち/1960(昭和35)年東京生まれ。東京大学医学部附属病院放射線科准教授。東京大学医学部医学科卒業後、スイス、ポール・シェラー・インスティチュートに客員研究員として留学とした経験をもつ。著書に『がんのひみつ』『がんの練習帳』など、癌にまつわるもの多数。
提供元:がんのことみんな知ってる? 第2話 乳がん検診で早期発見!|Linkx(リンククロス)編集部