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2018.09.10

「投資信託はこの3本が良い」と言える理由|「グローバル=国際分散投資」とは限らない


初心者が投資信託を選ぶのは結構難しそうだが、「分散投資」や「手数料」の観点から選べば、意外に簡単に選べるかもしれない(写真:ふじよ/PIXTA)

初心者が投資信託を選ぶのは結構難しそうだが、「分散投資」や「手数料」の観点から選べば、意外に簡単に選べるかもしれない(写真:ふじよ/PIXTA)

私たちの事務所には、さまざまなおカネの相談が舞い込んできますが、どちらかというと、筆者のところには投資に関する相談が多くきます。最近は、iDeCo(イデコ)やつみたてNISAなどを検討している人も多いわけですが、この2つに共通する商品といえば、投資信託(投信)です。相談に来る人は投資初心者が多いので、現在販売されている約6000本の投信から「どれを選んだらよいのかわからない!」と迷ってしまうようです。

もし、投資で負ける可能性を減らして堅実に勝ちたいなら、キーワードは、やはり「低コスト」と「国際資産分散」です。その観点で商品を絞っていけば、選ぶべき投資信託はすぐに見つかります。

日本は低金利でも世界に投資なら年約4%のリターンも

投資で利益を得るための原則の一つは「安く買って、高く売る」ことです。しかし、言うは簡単ですが、実行するのは難しいものです。投資信託を選ぶ場合、例えば新興国と言ってもどこの地域なのか、あるいはどんな資産が一番発展・成長するかを見極めるのは、プロも含め100%ピタリと予測できる人はいないでしょう。

しかし、世界中で人間の生活が続く限り、世界のどこかの地域で発展は続き、世界全体としては豊かになっていきます。特定は難しいものの、世界全体の資産へ投資することに意味があります。IMF(国際通貨基金)によれば、2018年の世界全体の経済成長率の予想は年3.9%。すなわち、これはひらたくいえば、世界全体へ投資すれば、4%前後のリターンが得られる可能性があるということです。

資産運用の王道は「分散投資」と言われていますが、この分散投資の考え方は、値動きと上手に付き合い、損する回数を減らし、損する幅を抑え、堅実に利回りを稼ぐためには必要な手法です。つまり分散投資とは、「負けないための運用手法」なのです。

さまざまな「地域」や「資産」を組み合わせることが大切で、具体的には「日本だけ」でなく、先進国や新興国なども含めて国内外を対象とし、株式だけでなく債券や不動産を組み合わせると、より分散効果が高まります。

世界中に投資をしている投資信託を探す際、商品名に「グローバル(Global)」がついているかどうかを選択肢にあげる人もいることでしょう。確かに、グローバルは「世界的な・全体的な・地球全体の」といった意味の語です。ですから、この名前がついていれば、世界全体に投資しているように思えるかもしれません。しかし、実際に商品の中身をよく見てみると、すべて均等に投資されているというわけではありません。

ちなみに、投資信託協会「投信総合検索ライブラリー」では、投資信託名やキーワードから投資信託を検索することができます。また、「国内株式投信」「海外債券投信」など、カテゴリー別の検索やつみたてNISA対象商品のみの検索などもできます。

投信総合検索ライブラリー ※外部サイトに遷移します

グローバル投信は500以上あるが「アメリカ重視型」も

そこで、投資信託名に「グローバル」とつく投資信託を検索したところ、526件(8月末時点)がヒットしました。そのなかで、いくつかの投資信託の目論見書を見てみました。

たとえば、「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド」(毎月分配型)は、世界の高配当利回りの公益株(電力・ガス・水道など)に投資する投資信託です。目論見書(2018年5月11日)には「特定の銘柄や国に集中せず、分散投資します」とありますから、何となく世界中に投資をしているように思えます。

しかし、その一方で、「主な投資制限」欄には、「外貨建資産への実質投資割合には制限を設けません。」という記載も見られます。実際どうかというと、組み入れ上位5カ国のトップは「アメリカ」で構成比は45.9%、組み入れ上位10銘柄のうち5銘柄がアメリカ株。資産の約半分がアメリカ関連になっています。

また、かつて純資産総額が5兆円を超えるほどの人気を博したグローバル・ソブリン・オープン(毎月)は、世界主要先進国の債券を主な投資対象とした投資信託です。こちらも、目論見書(2018年8月17日)の「主要な資産の状況」を見ると、米ドル建ての資産が39.7%、ユーロ建ての資産が26.9%、円建ての資産が11.5%などとなっており、決して均等ではないことがわかります。

このように、「グローバル」と名がついていながら、実際はアメリカの株式市場や債券市場などに多く投資しているという投資信託はたくさんあります。中には、7割~8割がアメリカ市場という投資信託もあるようです。 もちろん、よりよい成果を得るための投資先を探した結果、アメリカ重視になったということですから、このこと自体は悪くはありません。

しかし、アメリカ重視ということは、それだけアメリカの影響を色濃く受けるということです。アメリカの政治や経済を大きく揺るがすような事態が発生したときには、値動きが大きくなる可能性があります。なので、もし世界全体に均等に投資をして、その可能性を回避したいのであれば、もう一度、よく中身を確認してみることが大切です。

世界全体の成長を得るなら、投資信託は「この3本」

そこで、今回は最後に、「世界全体の成長を得ながら勝つための投資信託」を3本選んでみました。

選ぶ基準は、(1)投資対象・地域が世界に分散されている、(2)運用コストが低い、(3)一定以上の成長をしているか、(4)純資産総額は一定規模以上(少ないと効率よく分散投資できないため)、(5)運用コストを控除した運用実績が堅調推移している(リスクに見合ったリターンが得られているか)などを判断して、選びました。最重要指標はもちろん「運用コスト」です。

●楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天投信投資顧問)
●eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)(三菱UFJ国際投信)
●セゾン資産形成の達人ファンド(セゾン投信)

「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」は「全世界株式型」と呼ばれるインデックスファンドです。先進国の株式に加えて、新興国の株式にも投資しています。インデックスに用いられる指数は、「FTSE Global All Cap Index」です。 これは、日本を含む先進国・新興国合わせて47か国の大・中型・小型株 約7800銘柄の時価総額から算出される指標です。アメリカの割合は約50%あります。

「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の良さは、何と言っても信託報酬が年率0.2296%(税込)とかなり低いことです。これ一本で、低コストで全世界の株式に投資することができるのは魅力です。

一方、「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」は、国内・先進国・新興国の株式と債券、国内・国外のREIT(不動産投資信託)の合計8つの資産に12.5%ずつ投資するファンドですが、組み込まれているファンドはインデックスファンドです。やはり信託報酬は、年率0.17172%(税込み)と低コストであり、これ1本で、全世界の株式、債券、不動産に投資することができるのは魅力です。

バランスファンドは、リスク分散の観点から、自分自身でバランスを考えて複数の投資信託を購入しなくても、これ1本を買うことで広く分散投資ができ、値動きが安定します。運用中に当初の配分比率が崩れても、自動的に元の配分に調整してくれますので、手間が省けて便利です。

アクティブ型で「セゾン」を勧める理由とは?

最後はベンチマーク(運用目標)となる指数を上回る成績を目指すアクティブファンドですが、「セゾン資産形成の達人ファンド」を選びました。独立系運用会社の「セゾン投信」が運用しています。

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『投資信託 勝ちたいならこの7本! 』 ※クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

特徴は、それぞれの地域に強みをもち、安全性や長期的な収益力を基準に、選別投資をおこなうファンドへ投資する「ファンドオブファンズ」であること。国内を含む世界中の株式に分散投資をしています。なお、株式市場の過熱により有望な投資先がない場合は、債券にも投資する運用方針となっています。

短期的に利益を狙うのではなく、投資対象となる銘柄の価値を重視し、長期的な視点に立って値上がりを目指しているところが特徴です。10年以上も運用実績のあるファンドであり、順調に基準価額、純資産総額も増加。10年の累積リターンを見ると、TOPIX(東証株価指数)やモルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナルが提供するMSCI-KOKUSAIなどの指数をしっかり上回っています。

ただ、信託報酬は年率1.35%±0.2%(税込)であるので、できれば「もう少し低くなると良いかな」というのが願望です。税抜きで1%を切れば一段と魅力が上がります。なお、セゾン投信は積極的に、全国で長期投資に関する初心者向けセミナーも随時開催しています。顧客を大事にしている運用会社であることが、今回の3本に選んだ要因の一つでもあります。

今回は「国際・資産分散」の観点で、投資信託の選び方をお伝えし、読者に最後に3本を紹介しましたが、ほかにも良い投信はまだあります。読者の長期的な資産形成にお役に立てれば幸いです。

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【あわせて読みたい】 ※外部サイトに遷移します

「100のうち97の投資信託」がダメな理由

投資信託は、本当に「長期保有」が正しいのか

武者氏「米中貿易戦争はアメリカ完勝になる」

提供元:「投資信託はこの3本が良い」と言える理由|東洋経済オンライン

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