2018.08.27
「LINE Pay」と「Kyash」おトクなのはどっちか|「裏ワザ」で利用額の3%以上の還元も?
Kyashのリアルカードは使い方によっては利用額の3%以上の還元もあるという。LINE Payカードなどと比べどんな使い方をするのがオトクなのか?(写真:chachacha/PIXTA)
読者の皆さんは、今年5月末、「LINE Payカードショック」が勃発したことをまだ覚えておいででしょうか(詳しくは「『LINE Payカードショック』は残念なのか」を参照ください)。LINE Payについてはこの8月からは「マイカラー制度」が改正。その前の6月にはKyash社が運営する同名の送金アプリ「Kyash」から決済の2%がキャッシュバックされる実物カードの発行もスタートしました。読者の皆さんは、もしかしたら自分が持っているカードの運用に悩んでいる方も多いかもしれません。
実際、わが家でもこの数カ月でようやくパターン化できたように思うので、今回は皆さんにLINE PayやKyashについての私のケースを詳しくご紹介してみます。
『LINE Payカードショック』は残念なのか ※外部サイトに遷移します
ついに下から2番目の「レッド」に転落!
まず6月から適用されたLINE Payのマイカラー制度について改めてご説明しましょう。毎月利用度に応じて判定される「カラー」(色)によって、ポイントの付与率が変わります(ホワイト→レッド→ブルー→グリーンの順に付与率が高くなる)。当初、カラー判定については相対評価だったり、ポイント付与についても「月間10万円の支払いまでが対象」だったりしたため、困惑したユーザーも多かったのではないでしょうか。
実は私も「QRコード決済にもポイントがつくかもしれない」と考え、前向きにとらえようと思っていましたが、詳細が発表されると愛用する決済手段としては難しくなるかもしれないなと感じました(実際、2018年8月1日~2019年7月31日の1年間は、QRコード決済のポイント付与についてはある程度期待していたとおり「3%上乗せ」になり、この点はやや朗報なのかもしれません)。
8月からの制度改正でカラー判定基準は明確になりましたが、月間5人以上のユーザーに送金しなければ最上位のグリーンになれない等、LINE Payは、送金機能に比重を置いた内容になりました。私も6月、7月はなんとかグリーン(付与率2%)を維持していましたが、8月はレッド(付与率0.8%)に転落。これを機に、本格的にカードの運用を見直すことにしました。
カードの運用を見直すにあたっては、やはり6月初旬に送金アプリKyashが発行を始めた「リアルカード」の存在感は大きいものでした(還元率が3%以上とのふれこみなどがあったため)。一方、このリアルカードについてはいくつかの制限があり、「どう使いこなすのが良いのか?」と迷っていました。
私が気にしていた制限は次のようなものです。
・24時間あたりの購入限度額は3万円以下
・1カ月間での決済利用上限は12万円まで
・5年の有効期限内の利用上限額は100万円で超えるとカードを更新
・モバイルSuicaへのチャージは6000円未満だとキャッシュバック対象外
(※ほかにもいろいろな制限がありますが、私が使いづらさを感じたのは、主に上記の制限です)
固定費は王道クレジット系、変動費はKyashやLINE系で
実際、「1カ月決済限度の上限12万円」は結構窮屈なのではないかと感じていましたが、いくつかの理由から「月12万円まではこのKyashリアルカードを優先して支払い、12万円超の部分はほかのカード」という運用でも良いと考えるようになりました。
Kyashリアルカードでは、公共料金の支払いについてはキャッシュバックの対象外ですが、元々LINE Payカードも毎月支払いが発生する固定費には使えないことが多かったため、使用感はあまり変わりません。「固定費は王道クレジットカード、変動費はKyashリアルカードやLINE Payカード中心」という運用ルールが変わらず使えそうです。
「王道クレジットカード」という言葉はなじみがないかもしれませんが、私は「年会費が無料で、還元率がどこで使っても1%以上になり、貯まったポイントも使いやすいカード」のことをこう呼んでいます。具体的に言えば、リクルートカード、楽天カード、Yahoo! JAPANカード、P-oneカードなどのことを指します。
Kyashリアルカードのうれしいところは、チャージの方法にクレジットカード(VISAかMastercard)を選べることです。カードを何枚も保有すると、引き落とされるタイミングが複数になるため、管理がしづらくなります。そのため、カードの枚数は絞り込むのが良いとされます。
しかし、たとえばKyashに、王道クレジットカードを使って自動的にチャージ(チャージ額は通常クレカ一括払いと同様の扱いで金利や手数料はかかりません)される設定をしておきます。そのうえで、店頭の操作としてはKyashリアルカードを使うだけであれば 、引き落としそのものは王道クレジットカードの月1回にまとめることができます。王道クレカをそのまま使うのではなく、Kyash実物カードを経由させているだけという感覚の使い方になります。
この仕組みであれば、ポイントも集約できます。Kyashリアルカードで決済した分の還元は残高としてキャッシュバックされるため、それはそれで貯めると良いでしょう。日々の生活で特に判断をしなくても、月12万円までは、いつでも還元率3%以上を獲得することができそうです。
「○○の日はこのカードを使う」、という運用は避ける
ちなみに、わが家が主に使っているスーパーマーケットはイオンのため、イオンでの買い物については、イオンカードセレクトにオートチャージしたWAONを使っています。
通常時のイオンカードセレクトはWAONのチャージで0.5%、WAONの利用で0.5%、合計1%の還元を受けることができます。還元率から考えると、ここでもKyashリアルカードを使うのが正しいようにも見えますが、特定の日(たとえば毎月20日と30日)にWAONを使うと「5%」など比較的高い割引を受けることができるため、WAONに統一しています。さらにイオンの個別株を持っていると、半年に一度買い物額の3%以上のキャッシュバックを受けられるのですが、この対象がWAON等で支払った額のみというのも大きな理由です。
意外に思われるかもしれませんが、実は私は「割引のある日」や「ポイントアップデー」などはあまり気にしていません。「○○の日だからこのカードを使う」、といったルールが細かくなると続けにくくなりますし、実際には割引が大きな日に無駄なものを余分に買いだめしてしまうことも避けたいからです。
最終的に私がパターン化した「支払いルール」は次のとおりです。
・固定費は楽天カード(王道クレジットカード)
・イオンでの買い物はWAON
・イオン以外の変動費はKyashリアルカード(チャージは楽天カード)
※モバイルSuicaも1万円単位でKyashリアルカードでチャージ
※月に12万円を超えたり高額決済をする場合は楽天カード
・ローソンとアクアシティお台場ではLINE Pay QRコード決済を使うかも(※LINE Pay QRコード決済対応している店舗のうち、比較的よく使うお店)
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実際には、夫婦で使う固定費か、私自身が使うお金の固定費かでもう少しカードが分岐するのですが、少し話が細かくなってしまうので、今回はお話をここまでにとどめようと思います。
もし、こうしたルールがすでに面倒に感じる人は、無理をせず、王道カードに集約させて利用するのでも良いでしょう。
私の場合は「このお店ではこのカード」くらいまでであれば、「マイルール」を無理なく続けられそうです。Kyashのリアルカードが、結局、楽天カードの引き落としにまとめられる点も大きいです。
自分がよく支払いをしているシーンを振り返り、どのくらいのルールまでであれば苦痛を感じないかを検討してパターン化する。そうすれば、「自動で還元を享受する快適な仕組み」をつくることができそうです。
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提供元:「LINE Pay」と「Kyash」おトクなのはどっちか|東洋経済オンライン