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2018.05.24

SNS初心者が知らない「炎上プロセス」の正体|なぜ「ネット炎上」はなくならないのか


炎上がどうやって起きるか知っていますか?(写真:Greyscale / PIXTA)

炎上がどうやって起きるか知っていますか?(写真:Greyscale / PIXTA)

大学や専門学校で、在校生にSNSの使い方を指南する「ソーシャルメディアガイドライン」を策定するところが増えている。
たとえば聖心女子大学は2012年、先駆的にSNSガイドラインを導入。投稿前に自問する7つのチェックリストをはじめ、リスクを分かりやすく解説している。また、明治大学では「法令遵守と権利の尊重」など5つの指針を掲げ、「明大SNSスタイル」という啓発用の漫画を作成し、不適切な投稿が発信者の意図しない問題を引き起こさないよう呼び掛けている。
一方で、こうした先進校(特に先行して見本となるガイドラインを作成し社会的評価の高い学校)の物まねでガイドラインを作っている学校も少なくない。実態は「作った」というだけで、学生もその存在を知らず、その効果が発揮されていないガイドラインとなっているわけだ。

「ネット炎上」の正しい知識が必須

本当に学生を「炎上」から守るためには、新入生歓迎のオリエンテーションや、できれば必修講義でしっかり啓発教育を行っておくべきである。ガイドラインとあわせて、ネット炎上がどうして起き、どう広がっていくかについて、学生はあらかじめそのプロセスをよく知っておくことが必要だと思う。
まずネット炎上とは「サイトに想定を超える批難・批判・誹謗中傷などのコメントが殺到すること」である。ソーシャルメディアがない時代、炎上しているか否かを図るバロメーターはブログだった。
ブログとは日記みたいなものだという誤解から(そもそも日記は公開しないものである)、内容を精査せず公開して炎上したのである。それが今ではブログは少数になり、ツイッターを筆頭とするSNSに炎上の舞台が移った。

炎上とセットで使われる言葉に「祭り」がある。これは主に2ちゃんねる(現在は5ちゃんねる)を舞台として起きるもので、匿名掲示板であるがゆえに、実名では語れない話題で盛り上がることを指す。祭りになる過程で、短時間でスレッドが多数立ち上がり、書き込みが殺到する。
書き込む側の心理は、許せない、懲らしめようというものであり、徹底した個人攻撃、そのための個人情報の特定が行われるのが特徴である。
個人の特定から勤務先が割り出されると、勤務先に対して批判や非難が殺到し、学生だと所属する学校に非難が殺到する。そして学長や社長が謝罪に追い込まれるというのが1つのパターンになっている。

ネット炎上を防ぐにはどうすればいいか

誰でもがネット炎上する危険を持っている。昔は有名人が多かったが、いまでは普通の一般人がネット炎上に巻き込まれるケースが増えている。特に学生の場合は、わきが甘いためにネット炎上のリスクとつねに隣り合わせである、といってもよいほどだ。
SNSへの投稿に際し注意すべき点は、前回の記事「炎上する大学生がわかっていない、SNSの作法」で示したとおりだが、簡単におさらいすると、①第三者の権利の尊重と保護、②誹謗中傷の禁止、③いったんネットに出た情報は消えないという特性の理解、の3点だ。

前回の記事「炎上する大学生がわかっていない、SNSの作法」はこちらから ※外部サイトに遷移します

こうしたことに該当しそうだと思ったら、そこで手を休めて投稿する前に一呼吸置こう。読んだ他人が不愉快に思わないか、という視点で考えるとよいだろう。最近はとみに自慢話が多いと思うし、自分では意識がなくても、人がうらやましいと思うような場所やシチュエーションを披露していたりする。
無自覚の自慢であり、表向きはいいね!とボタンを押しても、心の底では嫌悪する人がいるのもネットの世界である。よって十分注視ながら慎重に対応していくことが望まれるだろう。

万が一ネット炎上が起きたら、以下のようなプロセスで「祭り」となっていく。

1.失言(文字)や失態(写真・動画)の探索が行われる
2.情報が複製(コピペ)されて拡散し、話題が形成される
3.コメントが殺到し、祭りとなり、炎上が表面化する
4.投稿者が属する会社や学校、団体などにメール、電話が相次ぐ
5.不買運動・会社訪問などに発展する
6.マスコミの知るところとなり、ニュースになる
7.所属団体が謝罪に追い込まれる

祭りになると、メディア関係の仕事をしている人の目に留まり、たとえばテレビのワイドショーなどマスコミでも取り上げられるようになる。こうなっていくと、投稿の拡散スピードは加速し、炎上が拡大していく。いわゆる負のスパイラルに突入するわけである。

思わぬ発言が炎上につながることも

こうしたネット炎上の怖さを正しく理解した上でSNSを利用すれば、不適切な投稿を行うことは減るだろう。とはいっても、まともなことを書いても言いがかり的に批判が寄せられるのが昨今のネット炎上だ。
自分の投稿の公開範囲を不用意に広げない、コメントの受付を制限するなど、さらなる対策を講じるのも手だろう。これが絶対という正解はない。1つの参考にしていただければと思う。

記事画像

【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します

世界最大の「Twitter炎上事件」投稿者の末路

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提供元:SNS初心者が知らない「炎上プロセス」の正体|東洋経済オンライン

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