2018.05.22
消費者のためのわかりやすいFinTech(フィンテック)~第1回「お金とITの融合」~
chombosan/iStock/Thinkstock
私たち消費者が賢く生きていくためには、「FinTech」の概念を理解し正しくお金と向き合うことが大切! そう教えてくれるのは、デジタルライフクリエーターでありファイナンシャルプランナーでもある伊藤志保さん。これからの私たちの生活と切っても切れない関係にある「FinTech」について、シリーズでわかりやすく教えていただきます。第1回めは「FinTech」の基本概念と、それによって生活がどう変わったかを解説します。
タイトルの「FinTech(フィンテック)」って何のこと?
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まずはじめに、FinTech(フィンテック)とはどのようなことを意味するのかについてお話ししましょう。FinTechは「Finance(金融)」と「Technology(技術)」を組み合わせた造語で、”技術革新によって金融のあり方に変化をもたらすこと”を意味しています。
わかりやすくいうと、ITの力によって銀行のネット取引や電子マネーなどのサービスがより使いやすく、より便利になることを意味しています。FinTechとは、”ITを活用した便利な金融サービス”のことと覚えておけば良いでしょう。
具体的には、例えばおサイフケータイやネットバンキング、ネット通販のオンライン決済などは広義のFinTechによりもたらされたサービスであるといえます。
お金の認識が"現金"から"電子データで表された数字"に変化
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FinTechという言葉自体はここ数年で使われるようになった用語ですが、実はこうしたITの力を使った便利な金融サービスはかなり前から数多くあったのです。
1970年代くらいまではサラリーマンの給料は現金で支給されていましたが、技術の進歩により銀行振込が主流となり、給与が支給明細となり"数字"で表されるようになりました。以降、”お金の移動”から”数字の移動”で行われるようになり、消費行動は"現金を支払う"ことから"電子データの数字を動かす"こととなりました。
ネットで買い物をすればクレジットカードの請求額が増える、電車に乗ればICカードの残高が減るといった具合です。
便利になればなるほど、財布の紐はゆるんでしまう!?
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このようにお金の形が変化することで、財布の中のお金が減ることなく買い物ができるようになります。特に電子マネーなどのサービスが使いやすくなったこともあり、都心部を中心にキャッシュレスでの生活が可能となりました。
ここで気をつけたいのは、お金のやり取りが便利になればなるほど、逆にお金を使うことに抵抗が無くなってしまうこと。そんなに使った覚えはないのに、気がついたら「今月も家計がギリギリだなあ」ということになりがちです。WAONやモバイルSuicaのような電子マネーになると、オートチャージ機能のついたタイプもあるため、残高不足で物が買えないということも減ってきています。つまり、便利さからついつい財布の紐が緩んでしまうような時代になっているのです。
FinTechがもらたすライフスタイルの変化
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FinTechにより、私たちのライフスタイルも大きく変わっていきます。高速道路ではETC利用により渋滞が緩和され、駅の改札では大きな荷物と小さな子供を抱えた女性が片手でタッチして通過できるようになり、銀行口座と連携させた家計簿アプリにより、家計簿に手書きする面倒さもなくなりました。
また、ビットコインという外国で多く使われている”仮想通貨”も今後は国内でも増えていくでしょう。特に多くの外国人が来日するであろう2020年までに、こうしたビットコインで買い物ができる店も整備されていくことになりそうです。
お金とITが融合することで、私たちの生活はますます便利になる一方で、便利だからこそ使いすぎてしまう可能性があることもわかりました。次回は、FinTechにより生み出された新しい金融サービスを中心に解説していただきます。
デジタルライフクリエイター 伊藤 志保
ファイナンシャルプランナー兼デジタルライフクリエーターとして、デジタルで生活を快適にする方法を女性に向けてわかりやすく指南。2013年に「アプリCafe」をスタート。毎週水曜日にセミナーを開催。西日本新聞にコラム連載中。
記事提供:ウェブマガジン「mymo」
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提供元:消費者のためのわかりやすいFinTech(フィンテック)~第1回「お金とITの融合」~|mymo