2017.12.13
今さら聞けない医療保険~第2回~入院保障はいくらがベスト?
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「今さら聞けない医療保険」2回目は、入院保障はいくらがベストか。当然ですが、最良の保険を選んだかどうかは先々で振り返ってみないとわかりません。とはいえ、それでは解決しないので、ここでは実際に入院した人の平均値や、ライフプランを踏まえた保険の入り方を一緒にみていきましょう。
普通は、どのくらい入院するの?
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第1回で解説したように、最近は入院が短期化する傾向にあります。ただ、厚生労働省「平成26年患者調査の概況」によると、入院日数の平均は32日。つまり、傷病の種類や状態、年齢によって長短はあるものの、それを平均すると1か月程度が目安になるということが分かります。
大病をしたときの医療費はいくらかかるか?
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知っておきたいのが、「高額療養費制度」。健康保険の給付のひとつで、ご存知の方も多いと思います。簡単にいうと、ひと月の医療費の負担が一定額を超えたとき、超えた分を補ってくれる給付制度です。
例えばある月に、総額100万円の治療を受けたとします。健康保険適用の治療なら、3割負担の30万円となりそうですが、この制度のおかげで、自己負担は8万7430円で済みます。
つまり、100万円もの高額な医療費がかかったとしても、ひと月に9万円弱をおサイフから支払えれば保険に頼らなくてもいいのです。 ※(1)を参照
ちなみに医療費が総額200万円掛かった場合でも10万円でおつりがきます。 ※(2)を参照
さらに、このようなことが年4回以上起こったなら、4回目から負担のハードルが大きく下がり、4万4400円が上限になるので安心です。(現役世代 一般的な所得のケース)
<高額療養費制度の負担上限の計算式>
8万100円+(医療費総額―26万7000円)×1%
※現役世代 一般的な所得のケース
(1)医療費総額が100万円かかった場合の負担上限額
8万100円+(100万円-26万7000円)×1%=8万7430円
(2)医療費総額が200万円かかった場合の負担上限額
8万100円+(200万円-26万7000円)×1%=9万7430円
入院日額はこう考えたらどうでしょう?
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・・・とはいえ、相談者にそんな話をすると、不安そうな表情をされることもしばしば。
それならば、ひと月の負担上限9万円を平均入院日数で割った3000円程度で入院日額を契約するのも一つの考え方です。また、付き添い人の交通費や入院時の雑費なども含めるなら、日額5000円。さらに、健康保険が使えない個室費用をカバーするつもりなら、日額1万円。このように、漠然としたものからある程度の根拠をもった入院日額を想定して考えることができるようになるので、どうするのかを決めやすくなります。
自営業者は生活保障の観点からも
自営業の場合は、サラリーマンのように有給休暇がなく、病気などで欠勤が続いたときの公的保障(傷病手当金など※)もありません。その場合、医療保険に生活保障の意味合いを持たせ入院日額を高めに契約しておく方法もあります。自営業者は公的保障が手薄なため、医療保険も含めいくつかのリスク対策はしておきたいものです。
※傷病で就業できない状況が3日以上続いたときに受けられる給付制度で、収入の2/3程度が目安
ファイナンシャルプランナーとして一言
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ファイナンシャルプランナーとして保険を考える時にひとつだけ言いたいことがあります。それは、保険料が家計に見合っているかも含め検討してほしいということ。保障の充実に目が行き過ぎて、月々の貯蓄額より保険料が上回っているのは本末転倒。もちろん万一の備えも大切ですが、今の生活の延長線上にある未来の貯蓄(または資産運用)とのバランスが大切ということです。
もし上手くいってないようなら、そういった意味での保険の見直しも検討しましょう。
次回は、もっと具体的に知りたい人のための疾病ごとの治療費や入院日数。健康保険が使えない治療と備えなどをみていきます。
ファイナンシャルプランナー 白浜 仁子
FPオフィス フェアリンク。生活に関わるマネーの専門家。銀行を退職後、育児をしながらFP資格を取得。女性ならではの視点でコンサルティングを行う。その他、セミナー・講演、執筆活動など多数。
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