2017.10.30
個人投資家の教科書!「会社四季報」の読み方教えます
投資家デビューをする際に見逃せないのが、書店で見かける「会社四季報」。あの分厚い姿に引いてしまう人も多いかもしれませんが、実は株式投資に欠かせない情報がたくさん詰まった教科書のようなものなのです。見るべきポイントを押さえておけば、初心者でもラクラク♪ぜひ会社四季報の見方を覚えておきましょう!
会社四季報は、先を読むために使うもの!
出典元:BrianAJackson/iStock/Thinkstock
「会社四季報」とは、東洋経済新報社が年4回(3、6、9、12月)発行している、全上場企業のデータブックです。
パラパラとめくると会社ごとに細かい数字や文字がぎっちりと並んでおり、最初は?かもしれません。しかし見慣れてくるとなかなか興味深いもの。将来有望な株を見つけるためのヒントが満載なので、個人投資家の必須アイテムとして広く支持されています。
インターネットが普及している今、年4回の発行では情報が古いのでは?と感じるかも。しかし実は会社四季報の価値は先読みにあります。株の売買で最も必要なのは今後の動向予想。会社四季報には、企業が出すオフィシャルな業績予想と、業界担当記者が取材をして打ち出した独自の業績予想の両方が掲載されています。そのため、そのふたつの予想の違いが、企業の今後を見極めるうえで、最も注目すべき点となっているのです。
会社四季報では、ひとつの企業の情報が3段構えで掲載され、大きく12項目に分けられます。それぞれ重要な項目ですが、なかでも、必ずチェックすべきポイントを段ごとに見ていきましょう。
「月足チャート」と「株価指標」はさらっと目を通せばOK!
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まず一番上には「月足長期チャート」と「株価指標」があります。月ごとのローソク足が並んでいる月足チャートは、長期のトレンドを確認するうえで重要なチャートです。長期間株を保有するつもりなら必ずチェックして、今どのような局面なのかを確認しましょう。
株価指標は、株価が割安なのか割高なのかがわかります。「PER」とは「株価収益率」、「PBR」は「株価純資産倍率」のこと。どちらの数値も、低い方が株価は割安であることを示しています。日本の株価の平均PERは15倍といわれているので、実績・予想PERともに15倍以下であれば、割安な有望株といえそうです。ただし、業界ごとに平均値も違いますので、同業他社との比較は必須ですし、チャートと合わせて確認することも大切です。
ひとことで会社を表す「見出し」にも注目!解説記事がおもしろい
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中央の社名欄のすぐ横には、業績や材料についての解説記事があります。取材をもとにした独自情報も多く、業績予想の根拠となる内容が書かれているので、投資家の注目を集めている欄です。特に見出しに【絶好調】や【最高益】などと書かれている場合は、良い材料と捉えられることが多いので、見出しも見逃さないようにしましょう。
その横に並ぶ「株主構成」は、誰が会社を所有しているのか、また「役員」の欄では、経営を委託されているのは誰かがわかります。じっくり眺めると新しい発見があるかもしれません。
「財務指標」の欄では、自己資本比率やキャッシュフロー・収益性の指標などから、その会社が安全かどうかがわかります。「資本情報」の欄では、増資や減資など資本の移動についてや、同じ業種内での時価総額順位などもわかります。
見るべきは「営業利益」。ニコちゃんマークを探そう!
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一番下段には、配当の実績値がわかる「配当」と「業績数字」が並びますが、この業績数字の予想部分が、実は会社四季報の一番のウリ。
最下行は企業が正式に出している予想で、網掛け部分は会社四季報の予想値です。この予想値の営業利益がポイントなのです。営業利益とは、企業が本業で生み出す利益のこと。ここが毎年伸びて順調に成長している会社もあれば、反対に売上高が良くても営業利益を下げている会社もあります。
よって、企業の営業利益の予想値と、会社四季報の予想値に大幅に乖離がある場合、一目でわかるように枠外にニコニコや泣きのマークが入ります。このマークや矢印(四季報前号との予想営業利益修正サイン)を見逃さないようにしましょう。
最近では、口座を開設すると、オンラインで会社四季報が読める証券会社も増えています。ネット証券などは手数料や管理料がかからないところがほとんどですから、投資家デビューを考えているのであれば、まずは口座を開設してみるのもいいかもしれません。会社四季報の見方の詳しい解説などもありますよ!
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