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2024.03.27

貯金ゼロから10年で資産7000万、37歳の「節約術」|買い物依存症、離婚を経てミニマリストに


10年で7000万円もの資産を作り、FIRE。自由な人生を送る「ミニマリストゆみにゃん」さんに、その節約術を伺いました(出所:ミニマリストゆみにゃんYouTube)

10年で7000万円もの資産を作り、FIRE。自由な人生を送る「ミニマリストゆみにゃん」さんに、その節約術を伺いました(出所:ミニマリストゆみにゃんYouTube)

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今回登場するのはミニマリストゆみにゃんさん(37)。ミニマルな生活や節約、投資についてYouTubeで発信しつつ、著書『ミニマリストゆみにゃんのお金のつくりかた』『オートで月5万円貯まる魔法の節約術』も手掛けている。

多くのものを持たないシンプルライフを送るゆみにゃんさんだが、昔は給料を毎月全部使い切るほどの買い物依存症だったという。さらに27歳で離婚、一時期は情報商材詐欺や不動産投資詐欺、さらに恋人にも騙されて約800万の損失を抱えるが、一念発起して節約と副業に励みお金を貯められるように。27歳で貯蓄0円だったのが、10年後の37歳で7000万円の資産形成に成功している(投資による「含み益」を含む)。

節約に成功し、人生が豊かになったという「倹者」に節約系YouTuberのくらま(「倹者の流儀」)がインタビューをする本連載。今回の記事では、ゆみにゃんさんが節約とミニマリズムに目覚め、資産を築いていく過程を聞いていく。

ミニマリストゆみにゃん ※外部サイトに遷移します

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残業時間月170時間超で買い物依存症に

仕事のストレスから浪費していたというゆみにゃんさん。理系の大学を卒業後は、新卒で憧れの大手ゲーム会社に就職したが、内定した年は2008年でリーマンショックのあおりを受けた。

節約系YouTuberのくらまがインタビューします!(編集部撮影)

節約系YouTuberのくらまがインタビューします!(編集部撮影)

「新卒採用が縮小され後輩がその後何年も入ってこない状況下で、さらに1000人規模の希望退職もあり、連日徹夜が当たり前、休みが月に2日みたいな環境でした。

170時間以上はサービス残業しているので、合計で月370時間くらいは労働している。たまの休日には反動で、給料全部を買い物で使っちゃうような生活でした」

給料は初年度で300万円台。その後、体を壊し休職したため年収は200万円台に下がるもなんとか復帰。数年後、残業代も出るようになり32歳で年収660万に。

しかし、給料が上がっても貯蓄に回ることはなく、その会社にいた9年間はボーナスも含めてほぼ使い切る生活だったという。

「ブランド品が大好きで銀座でたくさん買い物していたし、毎年ハワイ旅行に行っていました。あとは結婚式とかパーティーとか、何かあるたびにドレスや靴、バッグなどを新調していました」

仕事のストレスのはけ口を買い物に求める、買い物依存症のような状態だったそうだ。

そうした中で、私生活でも転機を迎える。学生時代から付き合っていた人と結婚をして、新居を購入していたが、別居することになり家を出た。その後、29歳で離婚。

「どちらかがゼロイチで悪いことはなくお互いの責任ですし原因はいろいろあるんですけど、彼はすごくモテる人で私の精神が不安定になる状態が続いていました。浮気しているかどうかは怪しいラインだったんですけど……。あと、学生の頃から長く一緒にいたのですが、環境が変わりお互いの価値観が変わってきたのも大きかったです」

貯金ゼロから一人暮らししていく。今までは世帯年収1000万超だったのが、1人で生活していくことになり、まずは真面目に家計簿を付け始めることから生活を見直していくことに。

資産形成はまず1000万円の壁を越えるところから

家計簿を付けたことで現実を直視し、節約貯金への意識が高まる。その後5年間で1000万円、その後の5年間で6000万円を貯め、10年間で7000万の貯蓄を達成した。

「最初の1000万を貯めるのが一番大変でした。元々かなりの浪費家なのでメンタル的にはゼロからというよりもマイナスからのスタートです。ものすごく自分が変わらないと無理なんですよね。でも、最初の1000万を貯めてからは、貯蓄が加速していく感じでした」

0から1000万円の壁をどう越えるか、これが最大のポイントだった。最終的に7000万貯めたが、一番重要だったのはこの最初の1000万だったという。ここを超えたら加速度的に資産が増えていくような感覚だったそうだ。

買い物依存症、離婚…波乱だった20代を経て、節約に目覚めた(出所:ミニマリストゆみにゃんYouTube)

買い物依存症、離婚…波乱だった20代を経て、節約に目覚めた(出所:ミニマリストゆみにゃんYouTube)

ゆみにゃんさんが5年で1000万を貯めるために実践した節約術を、5つ教えてもらった。

ミニマリストが1000万貯めた節約術5つ

(1)家計簿を付ける

現実を直視するためにも、家計簿を付けるのが第一だという。ゆみにゃんさんもここから着手した。

「自分では月の生活費が20万くらいのイメージだったのに、家計簿を付けてみたら40万とか60万も使っちゃっているときがありました。ダイエットでもそうですよね。やせたいといいながら自分が思っている以上にお菓子を食べていたり。数字で明確化するのは大事です」

家計簿を付けることで、自覚が高まる。それからは真面目に家計簿をつけて自分の稼ぐ範囲内で生活ができるよう意識するようになった。

(2)不用品を売ってみる

ゆみにゃんさんは本や家電、中古の犬の服……と、いらないもの、使っていないものをフリマアプリで売っていった。結果、売り上げは約10万円に。売っていく中で、自分の中で本当にいるものといらないものの判断ができるようになってきた。この断捨離体験が、ミニマリストになるきっかけに。

「お金になったとはいえ元の値段は何倍もするので、自分の労力やお金をどれだけ無駄にしてきたのか、これ買わなかったらもっとお金があったのにって痛感しました。散財を見直して、今後は無駄な買い物をしないようにしようと決意しました」

不用品を売ったことで、家の中がすっきりして気持ちよく生活できるように。ストレス軽減にもなった。さっぱりした気持ちで、もう家にいらないものは増やしたくないと、物欲が抑えられた。物が減ったため住まいも見直して家賃節約にも。

「一時期は33平米ぐらいのところで一人暮らししていましたが、物が減ったので約半分の17平米の物件に引っ越して、家賃も半分になりました」

家の不用品を売ることで、現金を得られるだけでなく、自分のお金の使い方を見直し、無駄遣いを抑制し、快適な住環境にもつながった。一つの行動で多くの効果が得られた。

不用品を売ることは、お金の使い方を見直すことにつながる(出所:ミニマリストゆみにゃんYouTube)

不用品を売ることは、お金の使い方を見直すことにつながる(出所:ミニマリストゆみにゃんYouTube)

(3)転職を考える

転職して年収660万から890万に。

「1000万円を貯めるには種銭も必要なので、今の給料に納得していないなら転職を考えてみるのは大事ですね。私も最初の会社では、50人くらいのチームをまとめて毎月何億円も稼ぐプロジェクトのリーダーとして奮闘していましたが、残業も多くてストレスフルなのに自分の納得する年収ではありませんでした。業界的にその立場ならもっともらえるだろうと思って転職活動をしました」

転職活動をしてみたら、年収が200万円以上増えて890万円に。転職先は人間関係も良く、残業もなく、ストレスがないのに、お金も時間もあるいい環境に変わったそうだ。ストレスでの散財も減り、お金を貯めやすくなった。

転職は「今よりいい条件の会社に行くのは難しいかも」と尻込みする人は多いかもしれないが、やってみて年収が上がらなかったら転職しなければいいだけなのでチャレンジしてみる価値はあるとゆみにゃんさん。さらに、転職の成功の秘訣は時期の見極めにもあるという。

「雇用統計や失業率、ニュースなどを見て、今需要が高いときなのかどうか考えます。私が転職した時は、すごく売り手市場でした。あと、ちょうど私が関わったゲームタイトルが表彰されたり注目されたりしていたので、そこの責任者ということで転職して年収を上げられました」

大事なのは、転職したいと思ったらコミットする姿勢だという。

「現状維持装置が働いてしまうので、頭ではわかっていても、みんな定年まで文句言いながら勤めてしまう。最後までズルズルしちゃうことが多いですよね。そうじゃなくて環境を変えるには、決断して決めて進めていくことが大事です」

成功体験を身につけるための「ポイ活」

(4)ポイ活

「途中でくじけずに1000万貯めるためにも、お金を作る成功体験を少しづつ積み上げてモチベーションを上げたいとポイ活をやりました。クレジットカードを作ったり、保険や不動産の勧誘を受けたりすると1万くらいもらえる案件があります。そういったもので、約10万円貯めました」

ポイントサイトはハピタスやモッピーなどの大手が、ポイントを貯めやすくておすすめ。それに加えて、普段の買い物は楽天を利用してポイントを貯めている。

「大学生の頃から楽天を使っているので、累計で楽天ポイント200万円ぐらい貰っているかもしれません」

副業より、ハードルの低いポイ活は、お金を作る成功体験を得る手段になるという(出所:ミニマリストゆみにゃんYouTube

副業より、ハードルの低いポイ活は、お金を作る成功体験を得る手段になるという(出所:ミニマリストゆみにゃんYouTube

(5)飲み会に行かない

「節約するなら飲み会に行っている場合じゃないです。1次会で5000円、2次会も出ちゃうとプラス3000円とかで8000円。さらに終電がなくてタクシーを利用したらまた5000円とか、一日ですごいお金が飛んじゃいます。

特に20代の頃は精神的に未熟で、寂しさが強い時期だと思うんですよね。私も寂しがりやで人と離れるのが怖いから飲み会によく行くし、行ったら帰らなくてすごくお金を使っていました。でもそれを続けていると貯金はできません。さらに飲み会でいろんな人と知り合うと人間関係がどんどん広がってランチや飲み会の機会がさらに増えてまたお金を使うことになるし、人間関係のしがらみも増えるから余計ストレスたまるんですよ」

飲み会やパーティーに参加することは、ファッションや美容への浪費にもつながっていたという。

「見栄を張るから、パーティーがあれば洋服、バッグは新しいのを用意する。周りでは行きすぎた子だと美容院に毎回行ったりして。マウンティング戦争がはじまっちゃう」

「節約しようと思ったらまずは飲み会に行かない、お酒を飲まないと固く誓ったほうがいい。私は会社がお金を出してくれる飲み会以外基本行かないし、行っても1時間で絶対帰るし、行ってもお酒を飲まないで帰ってきたら寝るまでの時間に副業をしていました」

ゆみにゃんさんの家計簿内訳

こうして1000万の貯蓄に成功し、その後5年でさらに6000万を貯め、7000万の貯蓄を達成したゆみにゃんさん。37歳の現在はセミリタイアして、YouTube発信は続けつつも自由な生活を楽しんでいるという。現在の家計簿を教えてもらった。

月収:50万円前後
支出:18.115万

<内訳>

家賃:6.2万
水道光熱費:1.5万
通信費:0.9万
食費・交際費:4万
雑費:1万
交通費:0.3万
運動:0.65万(ヨガ)
洗濯:0.32万(コインランドリー)
美容:0.5万
犬費用:1.2万
医療:1万
サブスク:0.545万(hamaru,YouTubeプレミアム,リベシティ、オーディブル、dアニメ)

数百円単位で管理されていることがわかる。ゆみにゃんさんの、きっちりした性格がうかがえる家計簿だ。

ゆみにゃんさんの月の生活費(編集部作成)

ゆみにゃんさんの月の生活費(編集部作成)

なお、家賃は6.2万円。都内23区の駅近、バストイレ別で6畳の1Kなので、比較的手ごろな価格である。条件面では立地とバストイレ別にこだわる分、築年数で妥協したという。

「私は会社から近くないと満員電車で疲れちゃってストレスでお金を使ったりとか、帰りにコンビニ寄っちゃったりとかしちゃうので。立地はその時勤めていた会社から2駅で駅からも近いところにしました」

節約だけでなく「時短」の観点も考慮

洗濯費用でコインランドリーとあるのは、洗濯機を持たないで生活しているからだ。週に1回、日課であるヨガに行く際に教室前にあるコインランドリーを利用している。

「これは節約というよりは時短みたいな感じですね。洗濯物を乾かす、外にかけるのは天候にも左右されるし、梅雨時期はタイミングが難しい。節約するなら洗濯機が家にあるほうが安いのですが、私はストレスになるので持たないことにしました」

洗濯物を干すのが面倒なら、ドラム式洗濯機という選択肢もある。しかし、引っ越しの時に運ぶのが大変でお金もかかる。ゆみにゃんさんは、洗濯機、冷蔵庫、電子レンジといった大型家電を持たないで生活しているそうだ。

「大型家電がないと、引っ越しは友達とか後輩の車でちょっと運んでもらって終わりです。少し前に世界1周に出て家を解約した際も、引き払う手間が大きくなかったです。ミニマリストだと、フットワーク軽く動けるところが利点ですね」

こうして節約とミニマリズムに目覚め、貯金ができるようになったゆみにゃんさん。しかし、順調にどんどん貯められたわけではなく、情報商材詐欺や不動産投資詐欺で大きな損失を抱えた経験もあるという。次回の記事ではゆみにゃんさんが経験した詐欺について紹介する。 (構成:横田ちえ)

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