2024.01.12
なぜか「お金が逃げていく人」に共通する5つの癖|長年「貯まらない人の家計」を見えてきたプロが指摘
お金が逃げていく人の考え方には共通点があるといいます(写真:Graphs/PIXTA)
年初めに2024年の目標を立てた人もいるだろう。今年こそ家計簿をつけるぞ、積み立てをスタートするぞと意気込んだ人も多いのではないだろうか。
「今年は100万円貯める!」と壮大な目標を掲げるのももちろん自由だ。しかし、長年「貯まらない人の家計」を見てきた経験からいうと、”お金が逃げていく人の考え方”には共通点がある。次の5つに当てはまるものはないか、振り返ってみることから始めてはいかがだろう。
その1「すぐに答えを欲しがる」
誰でも魔法の杖が欲しいもの。さっと一振りすれば、お金がざくざく降ってくるようなおまじない付きならなおのこと。それと同じく、「これをすればすぐに貯まる」という答えを聞きたがる人は多い。しかし、それこそが貯まらない人をあぶりだす考え方だ。なぜなら、お金ほど人それぞれで違うものはないからだ。収入、支出、年齢、家族構成、ついでに勤務先の制度。原則としてお金は収入以上の額を貯めることはできないし、支出の額も皆違う。条件がすべて違うのに、答えだけが同じはずはない。
しかし、貯まらない人ほど手を抜きたがる。あなたの手取り収入はいくらで、支出はいくらかという質問に答えるのも面倒くさがる。実際、きちんと数字を把握していないことも少なくない。なのに、「貯蓄の目安は収入の10%。その金額を先取り貯蓄で貯めましょう」と言われると、そうかとすぐに飛びついてしまう。
その金額が貯められるだけの家計のつじつまが合っていればいいが、そもそも「貯められない人」とは支出の割合が多い人なのだ。無理に先取り貯蓄をしても、逆に赤字に転落するだろう。
その貯蓄メソッドを我が家に置き換えたらどうなるのか、10%も貯蓄する余裕があるのか、ないなら節約してその数字に近づけるのか、それとももっと低い金額に落とすのか。我が家に合わせた答えを自力で出せる人は貯まっていく。
しかし、「この方法は合わなかったので、もっといいメソッドがあるはず」と考える人は残念な結果になるだろう。
投資でもそうだ。「儲かる銘柄を知りたい、教えてほしい」という人ほど、自分では何も調べないもの。うまくいったとしても、失敗したとしても、何も学んでいないことになる。人任せのままでは、お金だけでなく経験も知識も貯まらない。それどころか金融詐欺に引っかかってお金を減らしてしまわないよう十分注意してほしい。
その2「他人だけが得をするのは気に入らない」
誰でも損はしたくないものだが、もっと気に入らないのは自分以外の誰かが得したと知った時だ。自分が気づいていなかった〇〇ペイのキャンペーンで知人が大量のポイント還元を受けたとか、カード会員割引でラグジュアリーなホテルに安く泊まったとか、貯めたマイルだけで家族旅行に行ったとか。そういうチャンスが来れば自分も得できたはず、と思えば余計に面白くない。同じような機会が巡ってきたら、絶対に利用しようと意気込む。そのため、たくさんポイントがもらえるキャンペーンをこまめに探して参加したり、割引クーポンが届いたら必ず使う。今度こそ得をしたと満足できるからだ。
一見そう見えても、そう思いたいがための消費になっていないだろうか。そもそも売り手側は、自社サービスの利用が多い客、金払いがいい客にこそよりサービスするものだ。こんなお得なことがありますよ、という「お知らせ」もちょくちょくやってくる。その対象に入るには、自分もまめにお金を使ってあげる必要がある。気づくと受け取れる「得」以上にお金を使ってしまうだろう。他人がどんな得をしようと、それは他人の財布の話。自分の財布の防御を固めなければ、お金は貯まらない。
その3「ケチな人とは思われたくない」
貯蓄できない人からたびたび聞いたのが、「人に誘われると断れない」との言葉。たとえ懐に余裕がなくても、声がかかると必ず付き合うという。お金を理由に断るなんてもってのほか、絶対にケチな人間と思われたくない。それで、ついつい無理をするらしい。
人間関係はもちろん大事だが、もし見栄のために付き合っているなら、それこそお金をムダにしている行動でしかない。どんな誘いも断らず付き合い続ければ続けるほど、周囲からの評価は「絶対断らない人」となり、“誘われアリ地獄”にのみ込まれていくだけだ。一回数千円かかる交際費が積み重なれば、むろん手元にお金は残らない。
人の目が気になるのは当たり前のこと。しかし、そもそもケチという烙印は、払うべき金額を渋って払わないとか、お祝い金を小額で済まそうとする人にこそ向けられるはず。本当にお金が必要な時に躊躇なく出せる人になるためにも、浪費にしかならない小さな見栄を張るのをやめたほうがいい。お金が貯まる人とは、第三者の都合に左右されない自分の軸で判断できる人なのだから。
その4「しない言い訳をたくさん思いつく」
貯まらない人には、腰が重いというか、受け身の人が多いようだ。例えば専門家のアドバイスを同時に受けた人が2人いたとする。そのうち、すぐに行動できる人は結果も出せるが、話を聞いただけで放置している人には当然何も起きない。
むろん、代わってやってくれる人もいないので、気づくとそこには大きな差が生まれることになる。片方はそれなりの蓄財に成功し、片方はそれまでと変わらず貯蓄がないままだ。そこで、「ああ、自分も早くやればよかった」と悔やめる人には次にチャンスがあるだろうが、そこで言い訳やしくじりの理由探しを始める人もいるだろう。「どうせうまくいかなかった」「あの人は堅実な性格だし、自分とは違う」「今さら始めても遅い、仕方ない」――どうせ・自分と違う・仕方ない、のネガティブワードがぽんぽん出てくる人は、また同じことを繰り返す。
貯蓄を増やすために固定費を見直す、不要な支払いを解約する、浮いたお金を積み立てに回す――こうしたシンプルな家計の見直しは、地味なわりに手間がかかるものだ。その手間を惜しめば、貯まらない状況もずっと変わらないまま続く。自分に代わって夜中に働いてくれる“妖精さん”はいないのだから。たとえ見直しを試した結果、うまくいかなかったとしても原因がわかれば次の手も打てる。最初の行動をしないと、その先もない。
その5「いざとなったら一発逆転で」
通帳にまとまったお金がない場合、多くの人は必ずこう考える。今はないけれど、一発逆転できる方法がきっとあるはず――と。新年早々夢を砕いて恐縮だが、そんな魔法はないし、あったら間違いなく金融詐欺案件だろう。
一発逆転を願う人は、すぐに結果を求めるあまり、大きめの数字に惹きつけられがちでもある。対象の店でキャッシュレス決済をすると20%のキャッシュバックがあるとか、定期預金で年0.5%もの金利がつくとか、50%オフになる買い物クーポンとか、そういうものに。
しかし、大きな数字にはたいてい条件があり、キャッシュバックやポイント還元には上限があるし、高金利定期は適用期間が1カ月だけだったりする。大きな数字はあくまで打ち上げ花火で、そんなに儲かりはしないのが現実。それでも一発逆転できる方法がどこかにあると信じ、景気のよさそうな数字に飛びついて、思うような結果を出せないうちに1年が過ぎていく。
宝くじだって、1000万円以上を手にした高額当選者の約7割は、10年以上コツコツと買い続けた人だという。買い始めて1年未満で当たったという人は5%ほどしかいない。初夢を見るのは自由だが、目が覚めて宝くじを買いに行くより、2024年の貯蓄プランを具体的に固めたほうが早道に違いない。
【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します
提供元:なぜか「お金が逃げていく人」に共通する5つの癖|東洋経済オンライン