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2023.06.21

3人家族で4700万貯めた38歳「絶対NGな節約法」|お金をかけるべきところをケチってはならない


月々10万円の支出で豊かな暮らしを実現している太朗さん(左)をくらまがインタビューしました(東洋経済オンライン編集部撮影)

月々10万円の支出で豊かな暮らしを実現している太朗さん(左)をくらまがインタビューしました(東洋経済オンライン編集部撮影)

結婚と子どもの誕生を機にマイホームを購入したことから、本格的な節約・貯金生活を始めた太朗さん(38歳)。現在は専業主婦の妻と中学1年生の娘との3人暮らしだ。平日は一般企業の経理マンとして働きつつ、土日は副業としてYouTubeの撮影・編集を行い「太朗のおもてなし。」のチャンネル名で配信している。

前回の記事では、3300万の住宅ローンを8年で完済して4700万円の資産を築いた太朗さんの節約術と、収入を増やすための秘訣について話を聞いた。

今回も、節約系YouTuberのくらま(「倹者の流儀」)が引き続きインタビュー。太朗さんが「絶対ケチらないこと」や、太朗さんの考える「豊かな暮らし」について聞いていきたい。

「太朗のおもてなし。」 ※外部サイトに遷移します

「倹者の流儀」 ※外部サイトに遷移します

(前回記事:8年で住宅ローン完済、4700万貯めた「超節約術」) ※外部サイトに遷移します

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太朗さんの考える「ケチってはいけないこと」5選

太朗さんが、節約しつつも充実した生活を送るために「これはケチってはいけない」と考えていることを5つ教えてもらった。

(1) 健康を害するような食費の節約

「健康を害するような節約はしてはいけないと思います。節約しようと極端に栄養の偏ったものを食べたり、食費を削りすぎたりするのはやめるべきです。バランスのよい食生活を大切にしたほうがいいです」

生活満足度を下げるだけでなく、体調を崩してしまうと、仕事もできなくなるうえに医療費もかかってしまう。節約以前に、生計を立てるのも危うくしてしまう。健康がすべての土台である。

(2) 自分の知識やスキルへの投資

自分の知識やスキルアップへの投資は惜しむべきではないという。

「スキルアップのための書籍代などは、節約しないほうがいいと思います。昇進、転職による収入アップなど、自分次第で大きなリターンを生むことができます。特にカメラワーク関連の副業は、YouTubeやTikTokといった動画需要が高まっている今、動画編集などのスキルを獲得すれば収入アップにつながりやすいです。自己投資には、お金をかけるべきですね」

といっても、スキルアップを謳うものなら何にでも投資すべき、という話ではない。不安や欲望を極端に煽るような高額な情報商材には要注意だ。書籍は高くても数千円。YouTubeで無料で学ぶこともできる。

数万~数十万円単位での投資は慎重に調べ、本当に自分に必要かをよく考えて、判断すべきだ。

太朗さんがスキルアップのために購入した書籍(写真:太朗さん提供)

太朗さんがスキルアップのために購入した書籍(写真:太朗さん提供)

(3) 人付き合い(帰省代、プレゼント代)

太朗さんは、人付き合いは節約しないほうがいいと考えているそうだ。

「『DIE WITH ZERO(ダイウィズゼロ)』という本にも書いてあったんですけど“人生はどれだけ良い思い出を作れたか”が重要です。いい思い出には良好な人間関係が必要不可欠と思っています。自分が大切にしたいと思う人たちには、積極的に時間もお金もかけていきたいですね」

そんな太朗さんも一時期は帰省費用を節約していたそうだ。往復の新幹線代は家族3人で結構な金額になるからだ。

「でも祖父母は高齢ですので、会える時に会っておかないと、いざ会えなくなったときに絶対後悔すると思いました。だから帰省して元気な姿を見せたり、奮発してプレゼントしたり、一緒に過ごせる時間を大切にしていきたいです。大切な人のためにお金を使うと、自分も幸せな気持ちになれます」

とはいえ、人付き合いに無限に時間とお金をかけられるわけではない。太朗さんは会社の付き合いや飲み会への参加を見直した。娘の幼少期に仕事が多忙で家族との時間を取れなかった経験があるからこそ、今は飲み会を基本的には控えて、家族と夕食を食べる回数を増やすことを大事にしているのだという。

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手作りの食事を並べ、家族で囲む食卓は「豊かな時間」の1つだ(写真:太朗さん提供)

手作りの食事を並べ、家族で囲む食卓は「豊かな時間」の1つだ(写真:太朗さん提供)

(4) 新しい体験

新しいことを体験することには、お金を惜しまないほうがいいと太朗さんは考えている。何事も経験することで発見が得られることもあるし、いい思い出として記憶にも残るからだ。

新しいお店へ行ってみる、漫才やプロレスを観戦してみる、気になった漫画を買ってみる……そうやって新たに体験することが発見や喜びを生んでくれるのだという。

「もちろん失敗することもありますが、やらないよりはやってみたほうが得るものがあると思います。僕は節約しすぎて、新しい体験を何もしない時期がありました。旅行などの体験にお金を使うようになって、貯めるのと並行してお金を使う喜びも改めて認識しました。『貯める・使う』のバランスが大事ですね」

太朗さんの考える「豊かな暮らし」とは?

(5) 自分が本当に欲しいものはケチらない

「『貯める・使う』のバランスの話と繋がりますが、本当に欲しいものにはお金をかけるべきだと思います。例えばすごく欲しかったチェアを買って、毎日腰かけたり、見たり触ったりしていると、それだけで嬉しくて毎日のモチベーションが上がりますよね」

本当にいろいろ考えて、悩んで、選び抜いて買ったものは、長く使えるし、活躍の頻度も多くなる。そうなると、充分元が取れるし、買ってよかったと思えるようだ。

太朗さんがずっと欲しくて手に入れたというチェア(写真:太朗さん提供)

太朗さんがずっと欲しくて手に入れたというチェア(写真:太朗さん提供)

太朗さんの「ケチらないこと」を聞いて、お金や時間の使い方に対して、自分や家族が心地よく過ごせるスタイルを確立されているなと感じた。vlog「太朗のおもてなし。」を見ると、作っている料理はおいしそうだし、自宅でのコーヒータイムは素敵だし、家族でお弁当を持って出かける様子も楽しそうだ。「豊かな暮らし」をされていると感じる。

そんな暮らしが、家族3人で月10万円、年間予算を入れても月20万円で実現できているのを見ると、“豊かさ”とは何だろうと改めて考えさせられる。太朗さん自身は、豊かな暮らしをどのようなものだと考えているのだろうか?

「豊かな暮らし=リッチな生活と感じている方が多い印象なんですけど、僕はお金よりも時間があることが豊かだと感じています。外食に行かなくても家でご飯を作ってゆっくり家族と食べる時間、カフェに行かなくても家でコーヒーを入れて本を読む時間、あとは居酒屋に行かなくても友だちとZoom飲みをするなどが贅沢な時間だと思うんです」

あとは、ストレスを溜めないことも「豊かな暮らし」を送るうえで重要だという。普段から散歩したり、ゆっくりお風呂に浸かって温まったり、ぐっすり眠ったり、自分なりのストレス解消法を見つけていくことが大切だと話す。

普段の生活を節制しつつも、お気に入りのものに囲まれる日々を贅沢に感じている(写真:太朗さん提供)

普段の生活を節制しつつも、お気に入りのものに囲まれる日々を贅沢に感じている(写真:太朗さん提供)

“ゲーム感覚”で楽しむのが節約継続の秘訣

しかし、いくら充実しているとはいえ、節約をずっと続けるのには根気が必要である。太朗さんは、「節約継続のコツは、ゲーム感覚で楽しめている点が大きい」という。

「冷蔵庫の余りものを使い切って料理を作るとか、スーパーの見切り品だけでの夕飯作りとか、すごく面白いです。あとは部屋の掃除をして、いらないものはメルカリなどで売ってすっきりする楽しみとか。家計簿も、お金を管理するゲームのように楽しんでつけていますし、『今月はノーマネーデーを1日増やそう』とか、自分なりに楽しむのが一番継続につながっています」

目にも華やかなシールを使い、「ノーマネーデー」の日を手帳に記録(写真:太朗さん提供)

目にも華やかなシールを使い、「ノーマネーデー」の日を手帳に記録(写真:太朗さん提供)

節約生活をお金と賢く付き合うためのゲームと捉え、ゲームのアイテム集めのような感覚で貯金や買い物をすると、「楽しい・面白い」と思える瞬間が多くなるのかもしれない。

さらに、太朗さんは目標を“直近1年”と“将来”の大きく2つに分けて設定している。それに向かって努力することも続いている理由だという。

直近1年の目標は、家族と年2〜3回旅行に行って、今しか作れない思い出をつくること。現時点での将来の目標は、48歳で資産1億円を達成し、サイドFIREすることだ。

「48歳にしている理由は、ちょうどその頃に娘が大学を卒業する年齢になっているからです。彼女が22歳のときに48歳なので、そこまでは何とかサラリーマンを続けて見守りたいなと」

節約とはクリエイティブであり、小さな幸せの発見

太朗さんにとって節約とは、“クリエイティブ”だという。お金を使わない方法を考えたり、お得な情報を仕入れて実践したり、安い食材でいかに美味しい料理を作るか工夫したり、制限のある中で楽しみや喜びの可能性を広げていく過程がクリエイティブで楽しい。さらに、節約生活がYouTubeの撮影・編集など、創作意欲を満たしてくれる趣味にもつながった。

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安い食材から“クリエイティブな料理”を生み出すのが楽しい。下の写真は、鶏むね肉や蒸し大豆を使った「筋肉スープ」(写真:太朗さん提供)

安い食材から“クリエイティブな料理”を生み出すのが楽しい。下の写真は、鶏むね肉や蒸し大豆を使った「筋肉スープ」(写真:太朗さん提供)

そして、節約を通して、日常に感謝したり、小さな幸せをしみじみと感じたりするようになったという。

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「幸せを感じる基準が下がるというか、小さなことに喜びを見いだせるようになりました。スーパーで安い食材を買えただけですごく嬉しいし、たまに行く外食がすごく楽しく感じます」

こういった幸せや喜びは、目の前のことに忙殺されていたり、心に余裕がなかったりすると、なかなか気づけないものなのかもしれない。

最後に、太朗さんにお金を貯めたい人へのメッセージをもらった。

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太朗さんの著書『家族3人月10万円暮らし。年間450万円貯蓄する経理マンの幸せにお金を貯める100のリスト』(KADOKAWA) クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

「何もアクションを起こさなければ、お金はなかなか貯めることができません。今の資本主義の世の中では、いろんなものに欲望が刺激・増幅されてお金を使ってしまうようになっています。だからこそ、惑わされず流されず、自分軸を見つけて今すぐに貯金を始めて欲しいなと思います」

具体的には、夢や目標を洗い出し、逆算していくら必要か考えてみることも効果があるという。明確な目標や目的があれば、節約貯金も続けやすく挫折しにくくなる。

「今はネットで調べればいろんな情報が手に入る時代です。主体的に調べて、行動して、自分に合った習慣を継続して、また何か目標を持って新しいことに挑戦してみる。その中で失敗や成功もあるはずですが、そういった過程こそ、高い充実感を得られると思います」

(構成:横田ちえ)

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提供元:3人家族で4700万貯めた38歳「絶対NGな節約法」|東洋経済オンライン

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