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2023.03.29

4年で1200万貯めた29歳「即やめるべき節約法」|極端な電気代節約、ポイント集めは意味がない


年収350万円の会社員時代から4年で巨額の貯金に成功した、ふゆこさん(写真:YouTubeチャンネルより)

年収350万円の会社員時代から4年で巨額の貯金に成功した、ふゆこさん(写真:YouTubeチャンネルより)

29歳にして、477万円の奨学金を返済しながら1200万円の貯蓄に成功した、節約系YouTuberのふゆこさん。「節約オタクふゆこ」のチャンネル名で節約や貯金、投資情報をYouTubeで日々発信している。

前回の記事では、浪費家だったというふゆこさんが節約生活を始めたきっかけや具体的な節約方法について紹介した。今回も節約系YouTuberのくらま(「倹者の流儀」)が、ふゆこさんにインタビュー。節約をするうえで、ふゆこさんが“絶対にやらなかったこと”について紹介したい。そして「節約を通して価値観が180度変わった」というふゆこさんに、マインド面での変化についても聞いた。

「倹者の流儀」 ※外部サイトに遷移します

(前回記事:「借金477万、4年で1200万貯めた」彼女の家計簿) ※外部サイトに遷移します

ポイントを貯めることで陥る“盲点”

ふゆこさんが節約にあたってやらなかったこと、それは実際の生活が不便になるような行きすぎた節約術だ。極端な電気代節約や、いくつもポイントサイトを経由するような“ポイ活”はしなかったという。

「もちろん電気代が高騰している中で無駄遣いは禁物ですが、『コンセントを都度抜く』『家中の電気を消して回る』などストレスを感じるレベルまで極端にやることはないでしょう。私はあまりエアコンを使わないようにしていますが、年齢が上がっていくほど冬場のヒートショックなどのリスクもあるため、健康を第一に考えたほうがいいと思います」

買い物をしているECサイトで貯まるポイントは有効活用しているが、ポイント目的でパズルのようにいろいろなサイトを経由して増やすようなことはしていない。

「1つのポイントサイトなら1回の手間だからできましたが、何個もポイントサイトを経由するほどの手間はかけられませんでした」

また、ポイントがあることが逆に無駄遣いにつながることもあるという。タダでもらえたような感覚になって普段買わないようなものを買ってしまったり、5000ポイントを使おうと思って5500円の品物を購入し、500円分余計にお金を使ってしまったり……。

「ポイントは商品の値段に反映されていることもあります。だからこそ、ポイントを追い求めることで無駄遣いにならないように気をつけています。どうせポイントだからと考えると、余計なものに手が伸びたりします。だから私は最近、ポイントでもらった分は、スーパーやドラッグストアなどで使う普段の必要経費にあてるようにしています」

今回もくらま(写真右)がふゆこさんに「節約の極意」を聞きました(東洋経済オンライン編集部撮影)

今回もくらま(写真右)がふゆこさんに「節約の極意」を聞きました(東洋経済オンライン編集部撮影)

浪費していた頃に抱えていた「モヤモヤ」

節約を通して1200万円の貯蓄を達成したことは目覚ましい成果だが、それに加えて価値観の変化も大きかった。「180度変わった」とふゆこさんは言う。社会人1~2年目で浪費をしていた頃のふゆこさんは、精神的にもモヤモヤを抱えていたそう。

「お金だけでなく仕事面でも『こんなに頑張っているのになんで報われないんだろう』という気持ちを抱えて、日々なんとなくイライラしていました。でも、転職した先がすごくいい職場で日々のストレスから解放されました。その経験を通して、自分で行動を起こせば、いい方向に改善できるんだなと痛感したんです」

それから、不安や不満は自分で解消していくこと、対策することを意識するようになったという。その対処法のひとつが「節約・貯金」だ。もちろん世の中には自分では解決できないこと、どうにもならないこともたくさんあるが、自分次第で変えていけることもたくさんあるだろう。

「今の日本では、極端に命や生活を脅かされるようなことは少ないですよね。戦国時代でもないし、この時代の日本に生まれた時点ですごく幸せなことだと思います。浪費していた頃は考え方もネガティブで、今が地獄だと思っていましたが、全然そんなことはありません」

身分ですべてが決まる時代でもない。だからこそ、自分の身の振り方次第でさまざまな可能性がある。その第一歩として、自分でできる範囲の節約や生活の対策をして、自衛していこうと主体的に考えるようになった。

一方で、社会人1~2年目の頃にしていた浪費は、その当時の自分にとっては必要なことだったと振り返る。ストレス解消にデパコスを買い、外食して満たされることで、また次の日を頑張れた。だからこそ、みんなが節約をするべきだとは思わない。ただ、ふゆこさんの場合は節約を通して自分を充足させる手段を見直していくことになった。

「コスメを買いあさるのは、その時は気持ちがよくて満たされるのですが、数日経つとどうでもよくなっちゃう感じでした。浪費による快感はドーパミンが分泌されて得られるようです。だから次第にエスカレートしていく。もう少しセロトニンやオキシトシン的な幸福が必要だと思うようになりました」

それに気づいたふゆこさんは、好きな山を眺めたり、ぼーっとしている時間を得ることで自分を癒やせるように変わっていった。瞬発的にハイになるようなドーパミン的な充足から、しみじみと満たされるようなセロトニン、オキシトシン的な充足、そういう自分の癒やし方を見つけたのだ。

ふゆこさんの「年間家計簿」の中身(写真:YouTubeチャンネルより)

ふゆこさんの「年間家計簿」の中身(写真:YouTubeチャンネルより)

節約は「自分を掘り下げる」作業

お金を使わなくても、満足できる生活を送れるようになった。むしろ、お金の不安から解放されたふゆこさんは落ち着いていて、より生活が充実しているように見える。

「節約と聞くと“我慢する”といったイメージがありますけど、私は今の生活に満足しているんですよ。節約を通して、自分の好きな物や欲しい物に対する感情を、どう切り分けて、自分が本当は何が好きなのか深掘りしていく作業をしました。自分に向き合う時間でした」

結果、自分がなぜそれを好きなのか、論理的に納得できるようになったそうだ。例えば、大好きだったコスメは、自分がどこに価値を感じているか掘り下げていくことで、色を使ってメイクすることに楽しみを覚えていたことに気づいた。だからこそ、デパコスでもプチプラでも自分の満足度に大きな変化がないことを改めて発見できた。それが「我慢をしない節約」へとつながった。

「その過程の中で自分の軸を持てるようになり、人と違うことを恐れないようになりました。例えば、以前は広告で『できる女はみんなこれをやる』みたいのが出てきたら『私もやったほうがいいのかな』とすぐに揺らいで振り回されていました。軸ができると、『別にそれ要らないです』と自分で判断できるようになりました」

節約は“自分探し”でもあると実感したそうだ。

問題意識があることは、節約への大きな一歩

「自分探しという回りくどいことを言ってしまいましたが、第一歩として節約は軽い気持ちでやったほうがいいと思っています。物価上昇や老後不安といったニュースを受けて、節約しなきゃと思っている人が多いと思います。

でも、以前の私もそうだったのですが『節約しなきゃ』みたいな義務感や強迫観念で日々食費を削ったりすると辛いですよね。かといって、『節約を楽しもう!』みたいにポジティブに押し付けられても困惑すると思います。そういう人におすすめなのが、継続のための技術や習慣化について学ぶことです」

小さな一歩や軽い気持ちで始めたことでも、コツコツ継続して習慣化していけば、大きな節約につながる。身に付いた習慣は、無理せず楽に継続できるようになる。

「そもそも、この記事を読んでくださってお金について知ろうと思っている方はすごいと思います。意欲があって問題意識がある時点で、すでに節約の道へと踏み出しています。浪費時代の私は、不安やモヤモヤを抱えながらも、調べてみようとさえ思っていませんでした。

だからこそ、その時点で大きな一歩なのだと思います。今回私が紹介した中でも、すべて実践するのは大変だと思うので、自分に合うものだけ取り入れてみたり、ちょっとだけやってみようと試したり、そんなふうに参考にしていただけたら嬉しいです」

(構成:横田ちえ)

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提供元:4年で1200万貯めた29歳「即やめるべき節約法」|東洋経済オンライン

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