2023.03.17
手取り25万、4年で2000万貯めた男の驚く節約人生|借金300万から「節約と貯金が趣味」に変化の訳
節約して「人生が変わった」と話す、くらまさん。その徹底した節約法を伝授します(写真:YouTubeチャンネル「倹者の流儀」より)
借金300万円、就職活動に失敗――。その後、ニート生活を経て、手取り25万円の会社員となった、節約系YouTuberのくらまさん(29歳)。そこから1年で250万円以上を貯め、現在の資産は2000万円になるといいます。節約は人生を大きく変えるものと語るくらまさんに、その具体的な節約方法と貯金を増やすためにしている副業について聞きます。
くらまさんのYouTubeチャンネル「倹者の流儀」はこちら。 ※外部サイトに遷移します
私は節約と貯金が趣味の会社員で、週5日会社で働きながら副業でYouTubeをしています。YouTubeでは自分の節約生活やお金に対する考え方・情報を発信しています。
会社員としての手取りは月25万円くらいで、その約8割を貯金に回しています。副業収入も合わせて4年半で貯金額2000万を達成しました。生活費は月に4~5万です。叶えたい夢があるので、5000万まで貯金するのが直近の目標です。
私が節約と貯金を始めたきっかけは、無職で300万の借金があったどん底時代にあります。なんとかその状況を脱したい、そんな強い気持ちから始めました。節約と貯金をして本当によかったことは、借金があるときは乱れがちだった心が、穏やかになり生きやすくなったことです。
私がどのような経緯を経て今に至るのか、自己紹介を兼ねてお話ししたいと思います。また、よく質問される貯金のコツや副業の選び方についてもお伝えします。
お金がないことで「性格が悪くなった」
300万の借金は大学時代に借りた奨学金でした。在学中も卒業してからも、頭の中は常にお金のことでいっぱいでした。友人と遊んでいても「自分は卒業後に奨学金を返していかなくてはいけないんだな」と、モヤモヤ考えてしまいます。
人を僻んだり妬んだりするようになりました。お金がなかった頃、私はとにかく性格が悪かったです。人を思いやったり優しくしたりする心の余裕がなくて、自分のことしか見えていない状態でした。
さらに、見栄っ張りでもありました。お金がないのにもかかわらず“お金があるアピール”をして、持っているものはブランド物がいいとか、チェーン店には行きたくないとか、そういうことを言っていました。人から良く見られたい感情が強くありました。
挙句の果てには、他力本願で、お金持ちの女性と付き合ってお金の問題から救ってもらいたいとさえ思っていました。本当に最低の思考回路です。
結局自分の人生は、自分で変えていかないと絶対に変わらないですよね。お金がないからこそ、節約してきちんと生活基盤を作らなくてはいけないのに、逆にすべてを諦めてしまっていました。「何をやっても無駄だ」と思い込んでしまい、何事も頑張り切れず、生活習慣もグタグタで悪循環の中にいました。
そんな感じで就職活動もほとんどせず、大学卒業後は無職になりました。でも大学の友人には見栄を張って「内定決まったよ」と大企業の名前を出したりして……。もちろん就職先は一切決まっていません。そんなふうに嘘をついているので、合わせる顔もなく、大学の卒業式にも行きませんでした。
その後は実家に帰って引きこもりのニート生活です。家から出るのは、両親と一緒にスーパーに行ってお菓子を買うときくらいでした。
ニートを半年した後に、このままではいけないとフリーターになりました。介護施設やコンビニでアルバイトをしながら、東京に出て面接を受けるの繰り返しでした。それでもなかなか就職先は決まらず、そんな生活を2年間続けていました。
なぜ2年も就活をして就職できなかったかというと、名だたる大企業ばかりを狙っていたからです。ここまできてもまだ見栄を張っていました。「失った時間を取り戻さなくては」という気持ちもありました。
一念発起した就活、重視したポイント
そんな中、とうとう両親からも「ずっとここに置いておけないよ」と言われました。そりゃそうですよね。「このままの生活を続けたら本当に詰むな」と考えて、やっといろんなものが吹っ切れました。見栄やプライドをすべて捨てて就活に取り組めるようになりました。
就活で重要視したのは、貯金できる会社だということ。社宅や住宅手当といった福利厚生があるか、ある程度の給料額はあるか、副業ができるか、といった観点で選んだのが今の会社です。
就職した後は、本業の他に時給1500円以上の割のいいアルバイトの副業もして、社会人1年目で250万円以上の貯金に成功して、奨学金を完済しました。借金がなくなり貯金ができたことで、心に余裕ができて自分に自信が持てるようになってきました。そうしているうちに、見栄やプライド、他力本願な考えもまったくなくなっていました。性格が変わったと思います。これは貯金をして一番大きなことでした。
仕事に対する考えも変わりました。もし今無職になったら、どんな仕事でもやるし、泥水をすすってでも生きる覚悟があります。
そしていまや節約・貯金が趣味となっていますが、初期の頃は本当にストイックに節約をしていました。それが最近、だんだんとスタンスも変わってきたのです。今は人生を豊かにすることにも興味が出てきて、お金を使うところも大切に意識していきたいと考えています。
例えば、前は旅行は交通費宿泊費込みで1万円以内など、とにかく節約していました。今は、できる限り節約はするけれど、もう少し予算をかけて楽しみたいと思います。思い出を作ることを大事にしたいです。
あと、正直なところ恋愛も節約の邪魔になると思い、人付き合いや出会いの場を避けていました。これからは交流の輪も適度に広げていきたいです。
やはり何事もバランスです。好きな人や友人、家族など、人間らしい部分にちゃんとお金を使っていこうと思っています。
これは節約を通して借金を完済し、貯金できるようになって自分に自信がつき、心にゆとりができたからこそ、こういうふうに考えられるようになったのだと思います。だから超ストイックな節約をした一時期があって、今の心の平穏があります。
節約をしたいなら「固定費を削る」べし
具体的な節約の話もしていきましょう。私がもっとも重視したのは固定費を削ることです。固定費とは毎月支出が一定なもので、家賃、光熱費、通信費、教育費、車などです。
特に家賃は一番大きかったです。家賃が人生の出費の中で非常に大きな割合を占めているので、私は家賃さえ下げられれば、最悪手取りが低かったり下がったりしても貯金ができると考えています。私は会社の福利厚生で家賃が5000円なので、非常にこれに助けられました。
昔は「家賃は手取りの3割」などと言われていました。はっきり言って、これではお金を使いすぎです。この目安で考えていると、給料が上がった分だけ家賃も上がり、所得に比例して上がり続ける税金みたいになってしまいます。それを続けていると、永遠に経済的ゆとりは得られません。
もちろん、家にお金をかけたい、それが幸せだという方にとっては大切な出費かもしれません。これはその人が何を重視しているか、といった価値観に関わってくるので人それぞれではあります。
お伝えしたいのは、固定観念で考えるのはよくないということです。「家賃は手取りの3割」「収入が上がったら家のグレードを上げる」といったよく聞く言葉(=他人の価値観)ではなく、自分自身の価値観でしっかり判断してほしいです。
節約系ユーチューバーとして活動していると、「子どもがいるとなかなか貯金ができない」という悩みを相談されることがあります。私は子育てを経験していないので何かアドバイスをするのは恐縮ではありますが、お子さんがいらっしゃるときはお金を使う時期だと思います。
基本的に節約ができる時期は、「独身」「夫婦2人だけ」「子が巣立った後」です。逆に言えば、お子さんがまだ巣立っていないときはどうしてもお金がかかってしまうので、そこはお金がかかるものだと割り切ったほうがいいと思います。
ただその中でも、収入の1%でもいいから貯金は続けていてほしいと思います。まったくの0にせず継続していくことが大切です。貯金をしていれば家計自体は黒字なわけです。そうすると、子どもが巣立っていざ老後資金を貯めようというときに、貯金習慣もついているので資産形成しやすいし、少しずつでも貯めていた分がそこに乗っかってくるのでお金に困りにくいかなと。
これからの時代の一番の“子ども孝行”は、結婚資金やマイホームの援助ではなく、その分を老後資金にして、自分のことは自分で完結することではないかと思います。今の世の中や経済状況で、親から「老後はお前に頼んだ」と言われるのは大分難しい状況です。だから、自己完結できるように貯金しておく。自分たちのための老後資金が、子どものためにもなるので、そこを意識していただければいいのかなと思います。
副業は「時給労働のアルバイト」でOK
もしお金を貯めるために副業を考えているなら、私はアルバイトをおすすめしたいです。時給労働は即金性、確実性があります。
副業というとランサーズやクラウドワークス、YouTube、ブログなどが話題に上がりがちですが、こういったものはお金になるのにある程度時間が必要です。私自身YouTubeを副業にしていますが、収益化には1年かかりました。
最初の段階での確実な一歩はアルバイトだと思います。私も就職してからすぐにアルバイトを始めて、月5万~10万円稼いでいました。学べることはすごく多いです。ラーメン屋やコンビニ、清掃など、いろんなビジネスの仕組みを知れるし経験も積めます。その知見は本業にも生きると思います。
いろいろお話ししてきましたが、私がご紹介した節約方法は、やりやすそうなものや取り入れやすい部分だけ参考にしていただければと思います。以前の私のように、借金に苦しんでいろんなことをあきらめたりしてしまっている方に、一歩を踏み出すきっかけにしてもらえたら嬉しいです。
お金を貯められる人の長期視点は、「どっしり構えて、自分がこれなら継続できると思う心地いい水準を見つけて、習慣と行動に落とし込んでいくこと」です。
だからこそ、「あの人が節約できるのはおかしい」「自分のほうがこれだけ節約ができている」「あの人は食費が高すぎる」、そういった他者比較もやめましょう。ナンセンスです。
私は節約で人生も性格もガラリと変わりました。だからこそ、節約には非常に大きな可能性を秘めていると思っています。
(構成:横田ちえ)
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