2022.12.19
節約したのに貯まらない人が知らない貯金の基本|毎月支払額が決まってる固定費削減がオススメ
お金を貯めるには、出ていくお金(支出)を抑えなければなりません。まず、支出の内容には「固定費(固定支出)」と「変動費(変動支出)」の2種類があるということを覚えましょう(写真:years/PIXTA)
岸田政権が「貯蓄から投資へ」の大綱を発表し、金融教育の開始やつみたてNISAの見直しなどが進められています。しかし、安易に投資に手を出すと、お金を増やすどころか、お金を減らすことにもなりかねません。まずはお金の基礎力である「貯める力」を身につける必要があります。
本稿では、『90日で「貯める力」をつける本』より一部を抜粋のうえ、支出を抑える方法をご紹介します。
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ケチケチ節約術より固定費カットが早道
お金を貯めるには、出ていくお金(支出)を抑えなければなりませんね。まず、支出の内容は2種類あるということを覚えましょう。毎月支払額がきっちり決まっている「固定費(固定支出)」と、月に応じて支払額が変わる「変動費(変動支出)」です。
◦固定費:家賃、生命保険料、携帯代、など。
◦変動費:食費、光熱費、など。
残念なことに、ほとんどのみなさんは固定費を気にしません。毎月一定の金額がごっそり消えていくのに、減らせるなんて思ってもみないのです。
逆に、やりくりで低く抑えられるかもしれない変動費にばかり目がいきがちです。よく雑誌などに載っている節約ややりくり術というのは、食費や光熱費などの、金額が毎月変わる変動費部分に取り組むことなのです。やりくりの出来に左右されるのですから、安定した効果は望めませんよね。
一方、固定費は毎月決まった金額だけに、一度そぎ落とせば、その分は安定した結果が伴います。裏を返せば、固定費はカットしないかぎり、あなたから永遠にお金を搾取しつづけるものだともいえます。
ちなみに、使わなくても必ず支出が発生する携帯代とか、インターネットの使用料も、固定費として意識する必要があります。
使わないお金を増やして収入アップするには、固定費からカットすることが先決です。それには、まず固定費とは何なのか、どうして支払っているのか、その背景に何があるのか、自分できちんと納得しなければなりません。
便利なモノやサービス、情報があふれる現代社会。私たちはそれらの便利さ、手軽さに当たり前のようになじみ、生活しています。一度知った便利さへの欲求は尽きることなく、世の中の進化は劇的なまでのスピードで加速していますよね。
ただその加速感は何かを引き連れているように感じられます。それはどちらかというと、即座には信用できないというか、本質が見えづらいもの。色でたとえると、グレーな雰囲気のものです。
それこそが、私たちにお金を使わせるおおもとなのです。私たちがふだん目にしているモノや情報には、必要としている「便利さ」だけではなく、何らかの「仕掛け」が施されています。
「おトクに!」「キャンペーン」のフレーズには注意!
例えばそれは、「おトクに!」「キャンペーンとして」「今だけ限定サービス!」といったフレーズであり、サービス利用に関しての付加条件であり、高額商品の分割払いであったりします。
(図表:『90日で「貯める力」をつける本』)
つまりは「固定的な支払い」を伴っていることが多いのです。
モノやサービスを売ろうとする側からすれば、そういった仕掛けは当然のことであり、まさにビジネス上の仕組みづくりです。悪いことではありません。
モノやサービスを提供する企業からすれば、一度に大きな金額が入らなくとも多くの利用者から安定して売上が毎月入ることがありがたいのです。逆に利用者からすれば一度に高額の支払いは無理だけれど、毎月小額ずつ負担するのなら何とかできるので、つい払ってしまいます。
しかし、その仕組みに当たり前のようにつきあっていると貯金どころか家計がうまく維持できなくなるのも当然です。
これまで何も考えずにぜい肉のように身につけてきた支払い習慣を、今後の貯金の妨げとしないために、まずは毎月の固定費を疑ってみてください。固定費とは、企業と利用者の利害がマッチングした縮図にはまり込んでいる状態であり、そのせいで私たちが見落としがちになることを意識しましょう。
収入に占めるそれぞれの費用の理想割合は?
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毎月一定額出ていく固定費が、貯金の最大の敵ということがわかりましたね。でも、だからといってゼロにできるものでもありませんよね。では、どれくらいまでなら使ってもOKなのでしょう?
家計は、収入や家庭環境、価値観などにより異なります。
例えば、独身の方の場合。比較的たくさん使ってしまう通信費(携帯代・インターネット料金)は、多くても月収の3%まで。そして住居費(家賃)も、27%程度に抑えたいものです。
手取り収入が20万円の場合、通信費は6000円以内、住居費は5万4000円程度でというのが、支出の理想的なバランスからの結果となります。
(図表:『90日で「貯める力」をつける本』)
この割合に当てはめて考えると、意外とお金をかけられないことがわかります。この割合を参考に、自分の支出バランスを考え直してみましょう。もし、表の割合とは異なり、お金をかけたいところがあれば、減らしてもかまわない支出の割合を減らして、その分をかけ、満足度の高い暮らしができるようバランスをとっていきましょう。
ぜひ、理想割合を知ったうえであなたの収入がどのように使われているのかを算出してみてください。
毎月の予算立てがしやすくなることでしょう。
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提供元:節約したのに貯まらない人が知らない貯金の基本|東洋経済オンライン