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2022.12.07

最大5000円分超「節電ポイント」の賢いゲット方法|節電プログラムに申し込むだけで2000円分


節電プログラムに申し込まない手はない(写真:freeangle/PIXTA)

節電プログラムに申し込まない手はない(写真:freeangle/PIXTA)

12月1日から、7年ぶりとなる政府の節電要請期間が始まりました。ウクライナ情勢を受けて燃料供給が不安定になっていることなどから、特に電力需給のひっ迫が懸念される3月まで、企業や家庭に節電の協力を求めるものです。一部電力会社は「3%」の節電達成に応じてポイントや電子ギフトを付与するなど、節電を促すキャンペーンを行っています。

国の補助を受けた電力会社がキャンペーン中

今冬キャンペーンを行っているのは、おもに国の補助を受けた大手電力会社や新電力など78社(11月7日現在)です。大手の場合、プログラムに参加すると2000円分、1~3月に前年同月比3%以上の節電を達成すると1カ月につき1000円分のポイントなどが付与されます。

また、電力会社が指定する時間帯や需給ひっ迫注意報・警報が発令されているときに節電をすると1kWhあたり最大40円分など、別途のポイントも付与されます。

つまり、節電プログラムにエントリーするだけで2000円分、実際に節電をすると3カ月で3000円分など、最大5000円分以上のポイントがもらえるわけです。

これに加えて、自治体や電力会社が独自の上乗せポイントを付与するところもあります。東京電力の場合、前年同月比3%以上の節電をしたときには40ポイント以上、指定の時間帯に節電をすると別途節電量に応じ5ポイント以上がもらえるほか、東京都の補助として、期間中に5日以上の節電を達成すると最大2000円分の電子ギフトがもらえるなど、複数の特典があります。

節電プログラムの内容やポイント付与の要件は各社により異なりますが、エントリーで2000円分、前年同月比3%以上削減によるポイント付与は、大手ではどの電力会社でもほぼ共通しています。なかでもプログラムへの参加だけでもらえるポイントは節電量の実績を問わないため、気軽にもらえそうです。

では、3%の節電を達成するのは実際どれほど難しいのでしょうか。経済産業省が今般の節電要請に合わせて家庭向けに公表したリーフレットでは、エアコンの暖房時に設定温度を22度から20度に下げた場合の節電効果は2.7%、不要な照明をすべて消した場合は4.5%、照明の明るさを下げた場合は1.5%などといった目安が示されています。

しかしこれは一般的な家庭での概算値として提示されているのみで、何台、どれくらいの時間実行すればいいのかといった具体的なイメージがわきづらい印象です。

家庭の電気使用量の統計をまとめた環境省のデータを見ると、2人世帯の電気の平均使用量は12月で約340kWh、1月で約520kWhです。仮にこの3%を節電するなら、単純計算では1カ月あたり約10kWh~15kWhを節電すればよいことになります。これを実現できる電気機器の使い方を試算してみましょう。

エアコンの使用を工夫してみる

冬場の家庭で電気使用が特に多いのはエアコンです。6畳用モデルなら、現在製造販売されているエアコンの暖房時の定格消費電力は500W前後が中心です。製造年や部屋の広さ、運転のモードや強度などによって消費電力は大幅に変動しますが、かりに500Wで計算すると、3%節電のために削減すべき10~15kWhは運転時間約20~30時間分に相当します。

実際には気温などの条件も消費電力に影響しますし、厳密な計算方法は今般の節電ポイントの判定に用いられるものと異なるため一概にはいえませんが、運転時間をざっくり1日に1時間程度減らせば、3%の節電を達成できるイメージになります(※多くの電力会社は1日あたりの使用電力量の平均で判定します)。

照明を消す場合はどうでしょうか。こちらも商品のスペックにより個別差がありますが、LEDのシーリングライト8畳以下用の場合、消費電力は約30W程度です。電気使用量10kWhは、約330時間分の点灯に相当します。

1日に10時間、毎日点灯時間を減らせば、1台で1カ月の電気使用量を3%カットできる計算になりますが、あまり現実的ではないかもしれません。照明1台だけで節電するよりは、複数の照明の点灯時間を数時間ずつ消すとか、他の電気製品と組み合わせて節電をするのが取り組みやすいのではないでしょうか。

ちなみに環境省のデータによると、LED照明を使用している住宅は使っていない住宅よりも世帯の電気消費量が多い傾向があるようです。他の家電製品や部屋の広さなどの影響も十分にあるでしょうが、LED照明の消費電力が少ないからと漫然と点灯しつづけていると、思いのほか消費していることもあるかもしれません。

上記の試算はあくまでも一例で、実際の消費電力や家庭の電気使用量は気温や電気製品のスペック、使い方などによってかなり変動します。去年にどれほど電気を使っていたかによっても、今年の3%カットの難易度も変わってくるでしょう。

いずれにしてもほとんどの家庭では、寒いのに1日中暖房を全くつけられないとか、照明をつけずに真っ暗ななかで過ごさねばならないといったレベルではないはずです。まずは自宅で使っている家電製品で、必要以上に電源を入れているものがないかを改めて確認してみるといいのではないでしょうか。

来年春に4割増も、続く電気料金値上げ

電気料金はこのところずっと値上げ続きです。使用電力量が月に260kWhのモデル世帯・主要プランの場合、今年12月分の電気料金は東京電力で9126円と、昨年12月の7485円よりも1500円以上高くなっています。過去20年でこれほどの水準だったことはなく、家計に大きな痛手になることは間違いありません。

しかも値上げの波は全国的にこの先もおさまる気配がなさそうです。東北電力や中国電力、沖縄電力などは先月末、来年4月からの値上げを発表しました。モデル世帯で4割近く料金が上がる地域もあります。

このような状況では、最大5000円分とはいえ一度きりの節電ポイントは正直なところ焼け石に水かもしれません。省エネやポイントはもちろん大事ですが、家庭での努力にも限界があります。また、新電力などでは節電プログラムを行っておらず、値上げ対策をしづらいケースもあります。厳しい冬を乗り越えるために、国を挙げた一層の家計支援策が望まれます。

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提供元:最大5000円分超「節電ポイント」の賢いゲット方法|東洋経済オンライン

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