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2022.12.05

現代病「自分の本音がわからない」のすごい解決策|自分らしい人生を見つけるための26の方法


私たちは「自分はこれでいいのだ」「自分は何を望んでいるのか」ということがわからなくなり、冷静な判断ができなくなることがあります(写真:takeuchi masato/PIXTA)

私たちは「自分はこれでいいのだ」「自分は何を望んでいるのか」ということがわからなくなり、冷静な判断ができなくなることがあります(写真:takeuchi masato/PIXTA)

「明日のプレゼンはうまくいくだろうか」「昨日はあんなことを言ってしまった」など、私たちは日々、頭の中で話をしている。

このような「頭の中のひとりごと」(チャッター)はしばしば暴走し、あなたの脳を支配し、さまざまな問題を引き起こしてしまう。

一方、この「チャッター」をコントロールすることができれば、あなたは本来持っている能力を最大限に発揮できるという。

賢い人ほど陥りがちな「考えすぎ」から抜け出す方法とは何か? 今回、11月に日本語版が刊行された、40カ国以上で刊行の世界的ベストセラー、『Chatter(チャッター):「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法』について、『「繊細さん」の本』の著者で、HSP専門カウンセラーの武田友紀氏に話を聞いた。前編に続き後編をお届けする。

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前編 ※外部サイトに遷移します

「自分らしさ」が生む迷い

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現代の仕事の悩みで特徴的なのは、「自分らしく生きよう」というスローガンが耳に入ることによって、ただ頑張り続けることへの疑問が生まれやすい点だと思います。

SNSでさまざまな人のキャリアや暮らしぶりを目にして、「自分らしく生きる道があるようだ」と知っている。すると、「自分はこれでいいのか? もっといい仕事や生き方があるのではないか」と葛藤が起きるのです。

かつては、「仕事は苦しくてもひたすら頑張るものだ」という考えが主流だったかもしれませんが、今はそうではない。より自分に合った仕事や生き方を求めるなかで、自分の本心をみつめる機会がふえています。

そのとき、チャッター(頭の中のひとりこと)が生まれて、ぐるぐる考え続けてしまうんですね。多くの選択肢の中でベストを求めるがあまりに、迷ってしまう。情報にさらされて、本音がわからなくなることもあります。

あるとき、カウンセリングにいらっしゃった方が、「仕事を変えたほうがいいのかな」と悩んでおられたんですね。ですが、お話をよく聞いてみると、「今の仕事は自分に合っているし、好きだ」ということだった。

ただ、「同じ職場でずっと働く時代ではない」とSNSで繰り返し見聞きして不安になり、転職を考えておかなければと思った、というのです。

よりよい仕事、よりよい生き方など、外から情報が入ってくる分、「私はこれでいいんだ」と実感しにくい。「自分はどう感じているか」を意識しなければ、「もっと」と求め続けて疲弊してしまうのだと思います。

「自分らしさ」という言葉は、いい面がある一方で、迷いも生み出しています。「自分らしさ」をうまくつかめていないことにも気づいてしまう。現代ならではの悩みですね。

チャッターは判断力を損なう

チャッターは不安によって増殖します。チャッターに惑わされているときは、感覚がハイになっていて、思いついた方法に次々と飛びつきやすくなっています。

起業して独立したり、副業をする方も増えていますが、不安にかられて起業しようとすると、次々と起業セミナーに申し込んで続けられなくなったり、YouTubeやSNSにあふれる「起業のしかた」をどんどん視聴しては混乱していく、などがあります。

「これで稼がなきゃ」などのチャッターに巻き込まれると、落ち着いて選択する、じっくり取り組む、ということが難しくなるのです。

『Chatter(チャッター)』著者のイーサン・クロスさんも、脅迫状を受け取ったことがきっかけで、チャッターに惑わされます。侵入者がきやしないかと、野球バットを手に真夜中のリビングで警戒したり、「大学教師向けボディーガード」をネットで探そうとしたり。

カウンセリングの経験上、チャッターが多くなるのは、自分の中の不安や、「嫌だ」「疲れた」という心の声を、自分自身が聞けていないときです。ですから、ゆっくりと息を吐いて落ち着き、自分自身に対して傾聴できると、チャッターは静まっていきます。

悩みがゼロになるわけではありませんが、悩みがあっても、落ち着いて解決策を考えられるのです。0か100かではなく、中間地点を探れる。

仕事においては、「仕事がつらい、今すぐ辞めたい」「食べていくためには辞められない」の両極端で揺れ動いていた方が、まずは有給をとってみよう、いい転職先に出会うまではとりあえず今の会社で働こう、となるなど、落ち着いて考えられるようになります。

衝動的に会社を辞めてしまうのでも、転職をあきらめるのでもなく、いったん保留にしてじっくり考える、という判断ができるようになるのです。

自分が何を望んでいるのかを思い出す

カウンセリングでは、転職を考えだした相談者さんには、休暇をとったり、遊んだりすることをおすすめしています。仕事に関係なくても行ってみたかったイベントに行くなど、自分の「こうしたい」をかなえることで、自然体の自分を回復させるのです。

チャッターに惑わされてあれかこれかと求人情報を眺めても、どれもピンときませんし、これからの生き方が見えないまま転職すると、「『今の職場は忙しいから嫌だ』と思ったのに、また、忙しいところに転職してしまった」など、同じことをくり返してしまいます。

ですから、まずは、有給を消化したり、自由に過ごしてみて、「ああ、自分は穏やかな暮らしがしたいんだな」「今の仕事はもうやりきった。新しいことを学んでいきたい」など、自分の望む生き方をクリアにする時間をとりましょう。

焦りのチャッターが静まり、「こんなふうに生きていきたい」と腑に落ちた状態で転職先を探すほうが、自分に合う会社を選びやすいのです。

私のところへご相談にいらっしゃる「繊細さん」は、相手に共感する力が強いため、「他人の話や愚痴を聞く役目になってしまう」という悩みを抱えることがあります。

「上司が愚痴っぽい。私が聞いてあげないと、上司の話を聞いてあげる人が誰もいなくなってしまう」「友達に相談されることが多い。聞いてあげなきゃと思うけど、愚痴を聞き続けると自分までどんよりしてしまう」などです。

本当は愚痴を聞きたくないけど、相手の気持ちを考えて聞いている、ということですね。相談者さんに、会話がどのように始まるのか聞いてみると、友達に会ったときに、開口一番「前回悩んでたあの件、どうなった? 大丈夫?」とネガティブな話を促したり、「最近どう?」など、聞く姿勢をみせていることがあります。

ネガティブな気持ちにストップをかける

聞くのがつらいときは、こうした「自分から聞くアクション」をとらないようにしてみてください。「愚痴は聞きたくない」という本音を大事にしましょう。自分からネガティブな話題に触れなくていいし、相手の話を待たずに自分が「今日はこういうことがあってね」と話し始めてもいいのです。

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もしも愚痴を聞く際は、相手の様子をよく見てください。相手が話しながら次第にネガティブになっていく、愚痴が止まらない、興奮していくなど、感情が荒れてくるならば、話を聞きすぎです。

ひたすら受け止めるようにして聞いていると、不安のチャッターが増幅して相手がどんどんネガティブになっていくことがありますから、途中で止めてあげるのも大事です。

「頑張ってるんだね」と認めるのもチャッターを止めるのにいい方法ですし、「そんな大変な状況でも乗り越えられたのはなんで?」と質問して、相手の強さや頑張りに焦点をあて、問題からのズームアウトを促すこともできます。

『Chatter(チャッター)』に書かれている26の方法は、カウンセラーの目からみても役立つものばかりです。自分のチャッターに気づき、上手につきあえるようになれば、本音をつかみやすくなり、さまざまな課題にも落ち着いて対処できるようになるでしょう。

(構成:泉美木蘭)

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提供元:現代病「自分の本音がわからない」のすごい解決策|東洋経済オンライン

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