2022.09.22
20代相談/一括投資と積立投資ではどっちがお得?FPがおすすめを解説
目次
・資産形成のベースは積み立てがおすすめ
・一括投資のメリットとデメリット
・積立投資のメリットとデメリット
・一括投資と積立投資を比較しておすすめするのは
・あなたの「FPに聞きたいお金のコト」教えてください
監修・ライター
fpフェアリンク株式会社 代表取締役 白浜 仁子 ファイナンシャル・プランナーCFP®
Wallet+ユーザー様からいただいた「FPに聞きたいお金のこと」に、白浜がお答えします。
貯蓄から投資へという政府のスローガンができて久しいですが、反応が薄かった投資への行動が、徐々に加速しているように感じます。今回は20代女性Hさんから投資についての相談です。投資を始めるときに、誰もが一度は考える疑問かもしれません。
<20代女性Hさんの相談内容>
投資信託は積み立ての方がいいのか、一括で大きな金額を購入した方がいいのか分かりません。それぞれにどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか?
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資産形成のベースは積み立てがおすすめ
【画像出典元】「iStock.com/Dilok Klaisataporn」
Hさんが、どのような投資を目的としているのかによって判断の物差しが異なりますが、老後など将来困らないように資産運用を取り入れたい、でもできるだけリスクは抑えたい、ということでしたら「積み立て」がベストです。私も家族も資産運用のベースは積み立てです。
ではなぜ積み立てが良いのでしょうか?一括投資にメリットはないのでしょうか?一緒に確認していきましょう。
一括投資のメリットとデメリット
相場が右肩上がりに上昇し続けるのなら、断然一括投資がおすすめです。ただ、その反対が起こることもあるわけです。例えば、2013年アベノミクスが推進されたころの日経平均株価は、わずか1年で約56%も上昇しました。年初に100万円を投資した人は年末に156万円まで増えたということです。とても魅力的ですよね。
しかし反対に、リーマンショックがあった2008年は約42%の下落。100万円が半分程度になった感覚です。それぞれ大きく上昇、下落した年で比較してみましたが、投資資金が大きく増えるのはいいけれど、その反対で大きく減らしてしまうのは嫌ですよね。
特に投資初心者は、相場の上下に一喜一憂してしまい、下がったときに不安を感じて投資をやめたくなります。老後資金のような大事な将来のお金ならなおさらです。
一括投資のメリットは、投資時より相場が右肩上がりなら大きく増えること。デメリットは、相場が右肩下がりなら大きく減ってしまうことです。つまり、タイミングの影響を受けやすいわけです。
積立投資のメリットとデメリット
【画像出典元】「iStock.com/Bulat Silvia」
その点、積立投資はタイミングを気にする必要はありません。なぜなら少しずつ投資をしていくからです。積み立ての優れているところは、価格が上昇したときだけでなく下落したときもうれしい気持ちになれることです。だって、価格が下がっているときは、安く投資ができるのだから。
具体的に見ていきましょう。投資信託は口数で購入します。例えば毎月1万円を積み立てするとします。投資信託の基準価額(1万口あたりの価額)が1万円ならこの月は1万口買うことができます。この基準価額が5000円に下がったなら、1万円の積み立てで2万口も買えます。バーゲンのときに洋服が安く買えるのと同じだと思って下さい。
一方、価額が高いときには、あまり買いたくないですよね?例えば、基準価額が2万円に値上がりしていたら1万円の積み立てで5000口しか買えません。つまり、高くても安くても毎月コツコツ積み立てをすることで、安いときには口数を多く買え、高いときには少ししか買わないので平均の購入単価を下げることができます。これをドルコスト平均法といいます。
つまり、基準価額が1万円→5000円→2万円と推移した場合に1万円の積み立てで買える口数は、1万口→2万口→5000口となるため1万口あたりの平均購入単価は次のようになります。
(積立額合計3万円÷購入口数合計3万5000口)×10000口=約8571円
もし、基準価額が1万円である最初の月に3万円を一括投資していたら、1万円あたりの購入単価は1万円(3万円÷3万口×10000口)ですね。上記の積み立ての方が安く買えた、つまり利益が出やすいということです。積み立て投資のメリットは、一括投資のように一喜一憂しなくていいということです。
ただ裏を返せば相場が右肩上がりのときの恩恵も少なくなります。振り返って「あのとき一括投資していたらもっともうかったのに!」と思うかもしれません。これが積み立てのデメリットともいえます。
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一括投資と積立投資を比較しておすすめするのは
一括投資と積立投資の違いはイメージできたでしょうか。できるだけ大事に資産を育てていきたいということでしたら、一括投資より積み立てをおすすめします。仮に、これから相場が上がりそうだと考え、株価が大きく下がることがあっても困らないお金だ、と思えるなら一括投資を選択するのもいいと思います。
いずれにしても資産運用は長期投資が基本です。資金使途や運用できる期間などから、どのくらいのリスクなら大丈夫なのか考えつつ投資ライフを満喫しましょう。
監修・ライター:fpフェアリンク株式会社 代表取締役 白浜 仁子
資格
ファイナンシャル・プランナーCFP®
経歴
2018年10月~ fpフェアリンク株式会社 代表取締役
2017年11月~ 西日本新聞社マネー情報紙「Oh! Yen!オーエン」 専属ファイナンシャルプランナー
2016年4月 FPオフィス フェアリンク開設
2014年4月~2018年3月 日本FP協会福岡支部 副支部長
2010年4月~2014年3月 日本FP協会福岡支部 幹事
2008年7月 内山FP総合事務所株式会社 専務取締役
1990年4月 地元の銀行に入行
専門分野
資産運用、住宅ローン、生命保険、相続、家計管理などライフプラン全般について多方面からサポートできるのが強み。
主婦として、母として、起業家としての経験を生かし専門知識とともにアドバイスを行う。
相談業務以外には、講演、企業研修、執筆などにも従事する。
記事提供:ウェブマガジン「mymo」
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提供元:20代相談/一括投資と積立投資ではどっちがお得?FPがおすすめを解説|mymo