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2022.09.17

「副業をしたい!」と考えがちな人が持つ大問題|将来の不安が消えない中でやることは正解か


将来への不安がある中、副業をすることははたしてよいことなのでしょうか(写真:metamorworks/PIXTA)

将来への不安がある中、副業をすることははたしてよいことなのでしょうか(写真:metamorworks/PIXTA)

20代後半の会社員です。将来の不安もあり、本業である会社勤務に加え、副業的なこともいくつかやっていますが、なかなか状況が好転する兆しもなく、いつまでも将来に対する不安が消えません。

幸いに会社が副業OKなのもあり、投資や何やらいろいろとやっていますが、どれも中途半端で大きなリターンもなく、時間だけ浪費しているというのが現状です。

投資や副業というのはこれからの時代、サラリーマンにとって必須かと勝手に考えてますが、どうしたら良い副業や投資対象を探せるものなのでしょうか。すいませんがよろしくお願い申し上げます。(会社員 IT)

副業に大きなリターンを期待してはいけない

本業である勤務先の業務で結果を出し、職業人として成長することがいちばんリターンの見込める投資です。

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本業がしっかりとしていない状態での本業と関係のない副業は、たいていの場合はたんなる現実逃避です。そこに大きなリターンを期待してはいけません。

副業とは本来、本業において独り立ちできるレベルにまで達したのちに、自分の余裕の範囲の中においてやるべきものです。本業が中途半端なままでやる副業は、言い方は厳しいですが、たいしたこともできませんし、たいしたリターンも見込めません。

そもそも論として、副業が軌道に乗っているのであれば、そちらがとっくの昔に本業になっている可能性もあります。

現状に不満があり、将来が不安だからといって、「安心できるほかの何か」を探すようでは、永遠に不安感はなくならないでしょう。また、安心できるほかの何も存在しません。

そう考えますと、本業で結果が出ないからとか、つまらないからとかという理由で副業をやっても、双方ともに中途半端になるのはある意味当然です。

何かを達成したヒトが、その分野を起点に仕事や業務を多角化する。これがあるべき姿です。何も達成できないから副業に逃げるのでは、いつまで経っても人生が好転することも、人生における不安が消えることもないでしょう。

たしかに、昨今の経済不安や仕事の状況だけではなく、人生を取り巻く不透明感の高まりから、副業をしたり、投資の勉強をする、というヒトが増えています。

そして、そのこと自体は人生におけるリスクヘッジや人生に真摯に向き合っているという点で、非常に素晴らしいことだと思います。

しかしながら、優先順位を間違えてほしくはないのです。ましてや副業をすることで、すべてが解決する、といった誤った幻想を抱いてほしくはないのです。

繰り返しになりますが、副業はあくまでも「副」業であり、サブですから、本丸である人生の問題を解決する道具にはなりえないのです。

まずは不安の背景や、現状に対する不満の根源を考えるべきです。

本業でまずは結果を出すことが大切だ

ITさんが何故不安なのかというと、社会における自分の立ち位置が不安定だからではないでしょうか。もっと簡単に言うと、「自分が何者であるか」が、社会において確立されていないからではないでしょうか。

職場や社会、世間において、自分の立ち位置が不明であり、不安定であり、「他者からの評価」という観点での自分という人間の価値を見出せずにいるから不安なのです。

であれば、まずやるべきことは「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」的に、何か逆転を狙った副業探しをするよりも、本業である勤務先で結果を出し、評価される。そして社内だけではなく、転職市場における自己の評価も高める、というステップを積むことを優先する必要があります。

それを通じて、まずは社会における自分の軸を形成することが大切です。労働市場や社会において、自分個人の名刺や名札、「売り」を確立する、ということです。

それができれば、その軸を起点とした、関連業務の副業や投資を行う。そうすれば、本業と副業で自然とプラスの相乗効果が得られますから、さらに職業人として上にいける、ということにつながります。

将来に対する不安があるのであれば、まずは本業に注力する。または本業に将来性がそもそもないのであれば、自分が安心して本業にできうる分野を探してそこに注力するのが先です。

冒頭で、最高の投資先は本業に注力し結果を出すこと、と申し上げたのはそういった理由です。ITさんにはまず、不安や不満の背景を考えていただき、そして本業である現在の仕事の成長性や将来性を考え、そのうえで注力すべき本業において結果を出す、という順番で物事を考えていただきたいのです。

現時点においては、ITさんご本人は労働市場や社会において、ご自身の「軸」を形成できていない状態のようにお見受けします。

まずは、その軸を打ち立てることから開始しましょう。

急がば回れ、です。

とある分野でいちばんになった経験をもつヒトは強いものですし、その経験を活かしてほかの分野でも活躍できる可能性も高まります。

中途半端な現状で、漠然とした不安や不満を抱えて、ほかに目移りして戦力を分散させてはいけません。

まずは本業で実績を出し、自分の名前を打ち立てる。そのうえで、本業と関わりのある分野で多角化を図る。これがいちばん大切なことです。

周りの評価で自分の価値を判断しないほうがよい

なお、先ほど、あえて「他者からの評価という観点での自分の価値」と言いましたが、世間や他者の評価のみを気にしたり、そういった周りからの評価のみにおいて自分の価値を判断しているうちはまだまだ中途半端な状態です。

何かで結果を出し、そのことに慣れてくると、自分にある程度自信を持つことができます。そして自信をどんどんつけていけば、「最大の評価は自分からの評価だ」と気が付くときが来ます。

つまり自分なりの価値観で、自分をどう評価するかが、他人からどう思われるかよりもより重要であると気が付くのです。

その頃には、自分自身でも自分なりの幸せの形や成功の形を理解していて、自分にとっての「良い人生」の定義ができあがっているはずです。

そして、そうなると不安や不満は存在しなくなるはずです。

不安や不満は、多くのケースが漠然とした状態や対象から生まれます。反対に具体的に目指すゴールのイメージや対象を持っていれば、不安や不満よりも希望を持つことができます。

不安だからと言って、「安心できるほかの何か」を探しても、そんなものは存在しません。不安を払拭するような、本業における実績を出す。それがいちばんリターンが見込め、また長期的に安心材料を提供しうる投資先なのです。

ITさんがそういった考え方で、優先順位を整理する。そして注力する対象を探し、小さな軸を打ち立て、その結果として大きな軸をもった社会人として成長していくことを、応援しております。

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提供元:「副業をしたい!」と考えがちな人が持つ大問題|東洋経済オンライン

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