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2022.08.19

「預金・積立NISA・iDeCo」の適切なバランスは?/共働き夫婦相談


【画像出典元】「Andrey_Popov/Shutterstock.com」

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目次

・共働き夫婦、20代Kさんの相談内容
・配分するより先に、お財布を3つに分ける
・5年後、10年後にはいくらになっているかをシミュレーション
・預金・NISA・iDeCoのメリット・デメリットをひと言でいうなら
・共働き夫婦なら、それぞれの名義で資産の準備を

監修・ライター

fpフェアリンク株式会社 代表取締役 白浜 仁子 ファイナンシャル・プランナーCFP®

今回は、昨年結婚して夫婦のお金の使い方や貯金・資産運用に悩む20代女性からの相談です。

共働き夫婦、20代Kさんの相談内容

昨年結婚し夫婦2人で生活しています。貯金のベストな方法や金額などが分からず、漠然とした不安が多いです。

例えば月に5万円貯金をするとして、iDeCo、NISA、現金貯金の配分はどうするのがよいでしょう。老後資金だけでなく、今後考えられる子供の教育資金も考えたうえで検討したいです。
また、iDeCoの掛金は満額がいいのでしょうか。メリットなど確認したいです。知識がなく、内容がよく分からないので、どうしても現金貯金に偏ってしまいます。

支出については、
夫・・・生活費全部を拠出
私・・・金額を決めて貯金

という内訳です。しかしiDeCoならお互いの給料を振り分ける方が、節税の効果があるのでしょうか?夫婦のお金の内訳についてもベストな方法があれば知りたいです。

結婚後の財布管理はどうすべき?金持ち夫婦と貧乏夫婦の決定的な違い ※外部サイトに遷移します

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配分するより先に、お財布を3つに分ける

【画像出典元】「stock.adobe.com/ASDF」

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結婚され、お子さんの教育費の準備や老後資金など、先を見据えた資産形成をお考えですね。早めに始めておけば後が楽になるので安心です。
毎月の積み立てを「預金」「NISA」「iDeCo」にどのように分けていくかという疑問も非常に的を射たご質問だと思います。

まずiDeCoですが、これは老後資金を準備するための制度です。

節税効果が高いこともあり、可能なら夫婦それぞれが満額積み立てることをおすすめします。
ただ、iDeCoは、60歳まで開けられないタイムカプセルに積み立てていくので、仮に、夫婦それぞれが毎月2万円ずつ積み立てるなら5万円のうち大半を老後資金に充ててしまうことになります。これでは近い将来のお金の準備ができず不安になってしまいますね。

ではどのように考えていくといいのでしょうか。まずは、Kさん夫婦のお財布を3つに分けます。

(1) 当面の生活費(目安:6か月分程度)
(2) 少し先に使うお金(目安:5年前後)
(3)ずいぶん先に使うお金(目安:10年以上)

(1)当面の生活費について

今回のコロナ禍もそうですが、先々、もしかしたら災害など外的環境の変化により収入が激減したり、自分や家族が病気・ケガにより仕事ができなくなってしまったりというリスクが起こるかもしれません。そんな時でも生活できるようにするための予備資金です。冠婚葬祭や家電が壊れて買い換えるなど急な出費にも役に立ちます。

これは、もしもの時に自由に使るようにしておく資金なので、投資のような収益性を求めるより、元本割れのない流動性に優れた預金が適当です。一般に、6か月程度の生活費が目安とされています。

(2)少し先に使うお金について

5年前後の近い将来に必要な資金を指し、例えば車の購入資金や、マイホームの頭金などがそれにあたります。
こちらも収益を追求するより完全性を重視するのが賢明です。預金や個人向け国債などが選択肢になります。

(3)ずいぶん先に使うお金について

私はいつも10年以上使わない資金は投資を選択肢にできるとお話ししています。Kさんご夫婦なら、まずは教育資金や老後資金がそれにあたるのではないでしょうか。

ちなみにここでいう教育費は、最も負担が大きくなる大学時の準備と考えます。このように、まずは、今ある資金を(1)や(2)に振り分けながらどのくらい準備が進んでいるかを確認した後、それなりに準備できているようなら(3)の長期的な将来資金に振り分け積立てをしていくとよいと思います。

5年後、10年後にはいくらになっているかをシミュレーション

もし、(1)や(2)がある程度準備できているのなら

5万円の積み立ての内訳を
・預金 5000円
・NISA 2万5000円
・イデコ(iDeCo) 2万円 

と投資を多めに配分するのはいかがでしょうか。

これを10年間続けると積立額合計は、
・預金 → 60万円
・NISA → 300万円
・イデコ(iDeCo) → 240万円  (合計600万円)

となります。
それでは、預金が手薄で、元本割れする投資が多いと感じるなら、

5万円を
・預金 2万円
・NISA 1万円
・イデコ(iDeCo) 2万円

とするのも一案です。

10年間続けると積立額合計は、
・預金 → 240万円
・NISA → 120万円
・イデコ(iDeCo) → 240万円  (合計600万円)

となります。

今回は、10年先の積立額について計算しましたが、まずは5年先から考えてもよいと思います。

先々、夫婦の考え方や生活環境に変化が出てくることもあるでしょうから、年に1度は、その時点の資産総額や預金とNISAとiDeCoの割合がどうなっているのか棚卸ししながらマネープランの再確認&メンテナンスをしていきましょう。

預金・NISA・iDeCoのメリット・デメリットをひと言でいうなら

【画像出典元】「stock.adobe.com/Proxima Studio」

【画像出典元】「stock.adobe.com/Proxima Studio」

預金とNISA、iDeCoのメリットとデメリットは、簡単に申し上げるなら次のようになります。

●預金・・・元本割れはないので安心だが、増えない。インフレに負けるリスクがある。

●NISA・・・投資した資金が変動し元本割れをするリスクがあるが、増えることが期待できる。インフレヘッジになる。利益が非課税。

●iDeCo・・・老後資金の準備には最強。掛け金が全額所得控除されるので節税につながる。利益も非課税。利益を追求する投資と元本割れのない預金等のタイプがあり、好きなものを選べる。しかし、原則60歳まで払い出しができない。

それぞれの特長を生かして活用してください。

共働き夫婦なら、それぞれの名義で資産の準備を

夫婦の貯蓄について、できればそれぞれの名義で準備を進めるのがよいと思います。確かに夫の収入メインで生活をしてKさんの分を貯蓄にすると分かりやすく管理できるのかもしれません。恐らくKさんが中心にお金の管理をしていて口座開設など手続きの関係でそのような分け方になっているのでしょう。でも、そうなると夫名義での資産がなくアンバランスになってしまうので、夫婦それぞれの名義でiDeCoやNISA、預金を持つと良いと思います。

年に1回は棚卸しした方がよいと前述しましたが、積立額を毎年のように増減させることは少ないと思います。初めだけ少し手間ですが、夫にも協力してもらい、口座開設や積み立ての手続きをしてしまいましょう。そうすれば、後は自動で夫婦それぞれの資産を作っていくことができます。

夫婦の積立ての配分は、収入の割合を参考にするのも手です。iDeCoについては、ご質問にある節税という点では所得が多い方(所得税率が高い方)が効果は高まります。

20代の若いご夫婦、これからたくさんの楽しいことが待っていますね。マネープランをしっかりしておくと、楽しみも倍に増えますよ。応援しています!

監修・ライター:fpフェアリンク株式会社 代表取締役 白浜 仁子

資格
ファイナンシャル・プランナーCFP®

経歴
2018年10月~ fpフェアリンク株式会社 代表取締役
2017年11月~ 西日本新聞社マネー情報紙「Oh! Yen!オーエン」 専属ファイナンシャルプランナー
2016年4月 FPオフィス フェアリンク開設
2014年4月~2018年3月 日本FP協会福岡支部 副支部長
2010年4月~2014年3月 日本FP協会福岡支部 幹事
2008年7月 内山FP総合事務所株式会社 専務取締役
1990年4月 地元の銀行に入行

専門分野
資産運用、住宅ローン、生命保険、相続、家計管理などライフプラン全般について多方面からサポートできるのが強み。
主婦として、母として、起業家としての経験を生かし専門知識とともにアドバイスを行う。
相談業務以外には、講演、企業研修、執筆などにも従事する。

記事提供:ウェブマガジン「mymo」

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提供元:「預金・積立NISA・iDeCo」の適切なバランスは?/共働き夫婦相談|mymo

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