2022.07.12
給料を「先に貯金」と「余ったら貯金」どちらが得か|お金を貯める「順番」で貯蓄額が大きく変わる
貯金のタイミングでお金の貯まり方が違うって知っていましたか?(写真:freeangle/PIXTA)
「わが子にだけは、お金の苦労をさせたくない」――こんな思いを持つ親御さんはきっと多いでしょう。しかし、お金の勉強は、学校のカリキュラムにはありません。学校では教えてくれないのです。
であれば、お金のことを教えてあげられるのは「親」ということになりますが、では何を、どう教えればいいでしょう。石原尚幸氏の新著『父が子に伝える 13歳からのお金に一生困らないたった3つの考え方』では、「お金のプロ」である著者が、自身の子どもが13歳になったときから行なってきたシンプルかつユニーク、そして一生モノの「子供のマネー教育」のヒントを、子どもに語りかけるスタイルで紹介しています。
本稿では、同書から一部を抜粋してお届けします。今回は3回目です(1回目はこちら、2回目はこちら)。
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1回目はこちら ※外部サイトに遷移します
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ここにAさんとBさんの2人がいる。どちらもお金を貯めたいと思っている。そこで、Aさんは、給料日に入ってきたお金のうち、最後に残ったお金を貯金しようと考えた。一方、Bさんは、給料日に入ってきたお金のうち、先に決まった額を貯金しようと考えた。
さて、ここで問題。AさんとBさん、はたしてどちらがお金を貯めることに成功しただろうか?「そりゃあ……Bさんじゃない!?」。正解! Bさんのほうが圧倒的に上手にお金を貯めることができる。
無駄遣いをしていないが貯まらない
なぜだかわかる? AさんもBさんも、どちらもお金を貯めようとしていることに変わりはない。そして、Aさんの名誉のためにいっておけば、Aさんがずぼらな人で、無駄遣いばかりしているというわけではない。
にもかかわらず、残念ながら圧倒的にAさんは思ったようにお金を貯めることはできない。それは、お金を貯める「順番」が違うからだ。わかりやすく式にしてみよう。
・Aさんの作戦/入ってくるお金-使うお金=貯金
・Bさんの作戦/入ってくるお金-貯金=使うお金
この式からわかるように、AさんとBさんの違い。それは、残ったお金を貯金しようとしたか、先に貯金を引いておいたか、それだけの違いだが、でも、たったこれだけの違いが後々の貯金額の大きな差を生むんだ。
ここで1つ、君にはまだいっていなかったけれど、とても大事な教訓がある。それは、「人はお金の前には無力だ」ということ。
テレビをつけても、ラジオを聞いても、CMが延々と流れている。街を歩いていても、宣伝だらけ。ネットを開いても、広告が必ずついてくる。あれ、何をしているかわかる? 「モノを買え~、モノを買え~」って君の耳元でささやいているんだよ。
だから、少しでも気を許すと、人はモノを買いたくなるようにいまの時代はできている。なんだったらネットでポチッとするだけで買うことだってできてしまう。だから目の前にお金があれば、ついつい使ってしまう。
これを知っているからこそ、お金を賢く貯める人は、あらかじめ貯金する額を決めて、自分が使えるお金の上限を決めてしまうんだ。Bさんのようにね。
これは、イメージでいえば、「目の前からお金を消してしまう」ことと同じ。だから、もし君が本気でお金を貯めようとするのであれば、「毎月〇円貯金をする」と決めて、そのお金は鍵のかかった貯金箱に入れて、目の前から見えなくしてしまうことだ。
先に貯める金額を決めることが大事
「お金を貯めるためには、先に貯める金額を決めることが大切ということはわかったよ。でも、その貯める金額はどうやって決めたらいいの?」
いい質問だね。いざお金を貯めようとしても、「貯める金額」を決められずに困っている人がけっこういる。ここでは、どうやってその「貯める金額」を決めるかを教えるね。
・貯める金額=夢の実現に必要なお金
この式で君が貯めるべきお金の額は決まる。君の夢の実現に必要なお金はいくらだろうか? たとえば、いま君は、どんな夢や目標を持っているだろう?
「喫茶店のマスターになりたい」「海外に留学して、それから世界で活躍するビジネスマンになりたい」……どんどん夢を持ったらいい。そして、ぜひ叶えていってほしい。
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ただ、その夢を実現するためには、必ずついて回ることがある。それが、お金だ。喫茶店のマスターになるためには、当然、店をつくらないといけない。喫茶店を1店舗つくって開業しようと思えば、何百万円ものお金が必要となる。海外に留学するにしても、渡航費や学校へ払う学費、海外で暮らす生活費などなど、やっぱりお金がいる。
「せっかく楽しい夢の話をしているのに、またお金の話か……」と思うかい? でも、「夢とお金はセット」なんだよ。夢を語るなら、お金の話から逃げてはいけない。
仮に君のある夢を実現するために、10年後に100万円必要だったとする。だとすれば、1年間で10万円を貯めればいい計算となる。1カ月でいえば8300円ちょっとだ。じゃあ、1日に直せばどれくらいだろう?……こんなふうに夢の実現に必要なお金を計算してみてほしい。
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提供元:給料を「先に貯金」と「余ったら貯金」どちらが得か|東洋経済オンライン